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Far Yeast Brewing投資家向け事業説明会レポート

2018/1/20に開催されたFar Yeast Brewingの投資家向け事業説明会に参加しました。
その様子をレポートします。
Far Yeast Brewingは、先日エメラダ・エクイティで私が投資した企業です。

■会場
Far Yeast Tokyo Craft Beer & Bao (渋谷)
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登壇者
Far Yeast Brewing代表 山田司朗氏

参加者は10名ほどでした。

■資料
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■内容
●経歴
・現在42歳
サイバーエージェント、ライブドアなどインターネット関連企業で勤務した。

・これまでヨーロッパで3年暮らした。
ビールは工業製品だと思っていたが、ヨーロッパで伝統的で多様なビールを知った。
日本に帰ってからもクラフトビールに触れ、仕事としてビールをやってみたいと考えた。
2012年に会社を立ち上げた。

・お金儲けのためだけにやっている人はクラフトビールの業界では受け入れられない。
ビールが好きでないと受け入れられない。

●クラフトビール業界の状況
・現在は日本でクラフトビールブームと言われている。
だが、個人的にはブームを超えたものではないかと考えている。
日本ではクラフトビールは何十年も前から少しずつ盛り上がってきたムーブメント
誰か大きな会社が起こしているわけではなく、草の根的に起こっている。

・アメリカのクラフトビール事情
クラフトビールの本場はアメリカ。
1900年頃は、各町ごとに独自のビールがあった。
一時期大手メーカーのビールに押されてクラウドビールはすたれていたが、50年ほど前から盛り返してきた。
大きなメーカーがビールの伝統をつぶしてしまったが、また昔の豊かな状態に戻ってきた。
ビール業界におけるクラフトビールのシェアは伸びている。
2016年の売り上げは2.5兆円で、業界全体の21.9%(金額ベース)を占める。
現在6000ほどのブルワリー(クラフトビールのメーカー)がある。
新規の雇用を生み出している。
税制面でも優遇されている。
IPO,M&Aを行った会社もある。

・ヨーロッパではドイツ、ベルギー、イギリスでも同様の流れがある。
イギリスでは1000ほどのブルワリーがある。日本では300ほど。
アジアの一部香港、シンガポール、台湾、インドネシア、ベトナムでもクラフトビールは人気があり、外国から輸入もしている。
中国は、ビール消費量は世界一。
ただ、富裕層はワインやウィスキーに向かっている。
今後クラウドビールに目を付ける可能性はある。

・日本の地ビールは、国際的なコンペで金賞を取るビールなどもあり、クオリティは高い
最近ブルワリーの数も増えてきた。
パブの中でビールを作るケースも増えてきた。
ただ、ビール業界におけるシェアは1~3%と低い。
伸びしろはある。

●クラフトビールのリスク
・アメリカでは、クラフトビールはバドワイザーなど大手メーカーに対するカウンターとして伸びてきた。
ただ、他の国では大手メーカーのビールはそれほど嫌われていない。日本でもエビスビールなどが好きな人も多い。
また、大手メーカーが海外のクラフトビールを買収する動きもある。

・日本以外の先進国ではタバコを吸う人は非常に減っている。
今後アルコールも健康面での悪影響のため規制される可能性はある。

・現在は世界的な好景気
クラウドビールは単価が高いので、景気が悪くなると消費が減る。
現在投資を増やすと、不況時に重荷になる可能性がある。

●Far Yeast Brewingのビジネス
・当社は現在香港やシンガポールなどに輸出している。
国際企業の本社が多く、国際会議も多く開かれるので、多くの目に触れる。
そこをハブとして他の国にも進出している。
中国にはまだ輸出していないが、検討はしている。
タイなどは輸入の規制がある。

・海外では、ブラインドテストで評価されている。
ただ、海外にはすでに地元に多くの優良なビールがあるので、わざわざ日本から輸出するには、独自性が必要。
日本食に合うなど。

・昨年は渋谷に直営店を出店した。
店の夏は外のスペースもお客が埋まるくらいの人気だった。
冬はどうしても売上が8割くらいになってしまうので、対策はしていきたいと考えている。

●Far Yeast Brewingのミッション
・「Democratizing Beer」ビールの民主化
元々は多様で身近に作られていたものだった。そういう文化を取り戻したい。

・日本発のビールを世界に発信したい。
日本のクラウドビールは地元・国内の人に向けて作っているケースが多い。
すでに国内向けの美味しいビールはたくさんあるので、海外をターゲットとしている。

・KAGUAというビールを出した。
日本には、高級な和食店にふさわしいビールがあまりない。
例えば高級フランス料理店で、スーパーで売っているようなビールが置かれることはない。
しかし、日本では高級和食店、すし屋でもコンビニやスーパーで売っているようなビールしかないことに違和感がある。
KAGUAはスーパーで売ることはあまり考えていない。
当初は自社工場がなかったので、日本から原料を運んでベルギーで作った。
現在世界16か国で販売している。
柚子と山椒を使って香り付けをした。
アルコール度数も8~9%と高めにした。

・カジュアルに飲めるよう、Far Yeastシリーズも出した。
ビアバーなどで気軽に飲めるもの。
アメリカンクラフトをベースにして、洗練された都市としての東京らしさを出した。
山梨県小菅村の自社工場で製造している。普段は私も工場にいる。

・KAGUAは今後もベルギーで製造する予定。ベルギーの醸造家との関係もある。
ドイツビールは型がきっちりと決まっているが、ベルギービールは自由なスタイルなので、ユニークなビールを作りたい我々にとって都合が良かった。
瓶内発酵なので、長期間輸送するのにも向いている。
海外にビールを船で輸出すると1~2か月かかる。

・日本はこれまであまりビールの世界では重要な場所ではなかった。
Far East(極東)をもじって名前を付けた。

●今後のビジョン
・世界に「Belgo-Japanese」というスタイルを発信したい。
ベルギーらしい日本
ワイン樽で熟成させるビールなども検討している。

・規模だけを追求すると本質が見えなくなってしまう。
現在の大手ビールメーカーは規模やシェアを追求した結果、消費者に飽きられている。
ビールのコミュニティに新たな価値を提供する、といったことに集中したい。

●今年の目標
・冬は夏の半分くらいの生産量としている。
夏に備えて、タンクを増やしたり、海外のブルワリーとの関係を築いている。
コラボビールをオランダ、アメリカのブルワリーと共同で作る予定。
これには技術や知識を学ぶという意味もある。

・冬場は、オリジナルビールを作りたいというレストランなどのOEM生産なども検討している。
また、熟成が必要なビールの生産も検討している。

・ブルワリーオープンデー
月に1回山梨の工場にビジターを呼んで見学してもらう。ビールも飲める。

・ビールイベントへの出展

・限定ビールの製造、

・海外の顧客とのコミュニケーション強化

・日本の大手メーカーのクラフトビールへの対応としては、敵対と共存の両方がある。
共存する方針のところとは一部商談はしている。

・次の店は海外で出したい。ニューヨークを検討している。

・日本のクラフトビールの会社でIPOをしたところはないが、本気で目指している。

・産業としてまだ未熟なところがある。イベントのスタッフがボランティアだったりする。
工場でも設備投資できないので、長期間労働になっているブルワリーもある。

・なぜエメラダで資金調達したのか
エメラダができる前から、澤村社長とは話をし、日本のスタートアップについて問題意識を共有していた。
多くの投資家からお金を集めるというスキームに共感した。
当社の設備投資にもまだまだお金がかかる。
IT系にはVCからの資金が集まるが、我々のような業界にはお金が集まりにくい。
そうした起爆剤となりたいと思った。

以上

次回は「NISA投資と野村WEBプラスローンとどちらが得か」の予定です。



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Author:中田健介(けにごろう)
IT系企業に勤務しています。
2010年からソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)での資産運用を開始しました。
自分の運用実績、各社のサービス内容比較、業界の最新トピックなどを毎週2回(水・土)発信しています。

■著書
2015年3月7日にぱる出版より著書「年利7%!今こそ「金利」で資産を殖やしなさい!~日本初!融資型クラウドファンディング投資の解説書」を発売しました。
是非よろしくお願いいたします。

■興味のあるもの
 ・投資(これまでに実施したことがあるのは、投資信託・国債・FX・株式などです。)

■ソーシャルレンディングについて
 maneo・AQUSHとも2010年から始めました。
 ソーシャルレンディングは将来性のあるビジネスモデルです。自分も微力ながらこのブログを通じて知名度の向上に努めたいと思っています。

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