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ソーシャルレンディング vs J-REIT~利益率が高いのはどちらか過去のデータを元に比較してみた




株式型クラウドファンディングFUNDINNOが第2号案件を募集しました。




第2号案件を募集したのは、株式会社JAMという印刷会社です。
「シルクスクリーン印刷」というものを手掛けているそうですが、私には正直よくわかりませんでした。

この案件は即日で上限募集額である3300万円に到達しました。
第1号案件も即日でしたが、今回も私が気付いたときにはすでに完売となっていたので残念ながら投資できませんでした。

集めた資金の用途は以下の予定です。
印刷注文システム開発費 500万円
東京支店開設費用 1,500万円
クラウドファンディングシステム開発費用 1,000万円
フランチャイズ事業の人件費 300万円

2021年以降にIPOを目指しているそうです。

次の募集時にはぜひ投資したいと思います。

*******
先日「ソーシャルレンディングVS株式投資~利益率が高いのはどちらか過去のデータを元に比較してみた」を公開しました。
同様に、今回はJ-REITとソーシャルレンディング投資の比較を行ってみたいと思います。

J-REITは年利3~6%程度の分配金が得られるのでソーシャルレンディングと似ている点もありますが、値動きがあります。
2010年以降投資していたら、どちらが有利だったのでしょうか。

今回もいろいろな前提条件付きで比較を行いました。

まず、その比較結果は以下の通りです。


(表)J-REIT投資とmaneo投資の利益率
投資を開始した年度J-REITソーシャルレンディング(maneo)
累計利益率
(配当込み)
(2016年末時点)
利益率
(年利)
累計利益率(2016年末時点)(複利)
2010172.6%6.4%57.2%
2011111.0%6.8%47.7%
2012162.6%7.1%38.3%
201370.9%6.6%29.2%
201436.3%6.0%21.1%
20154.5%6.7%14.3%
20167.1%7.1%7.1%



(グラフ)
SnapCrab_NoName_2017-5-21_22-8-38_No-00.png  


以下の通りの条件で比較を行いました。

■比較する期間
比較する期間は、ソーシャルレンディングがサービス開始した(正確には、maneoのビジネス向け融資が始まった)2010年から2016年としました。

■ソーシャルレンディング利益率の算出方法

・ソーシャルレンディング全事業者の利益率を算出すべきところですが、データを集めるのが難しかったため、maneoの利益率のみを集計しました。まあ全体の利益率と大きな差はないと思います。
「ソーシャルレンディング(maneo)・利益率(年利)」は、その年に募集されたmaneoの全案件の利回り(年利)を単純平均しました。
なお、この期間maneoでは貸し倒れは0件なので、利回り=利益率となります。

「ソーシャルレンディング(maneo)・累計利益率(2016年末時点)(複利)」、「それまでに得られた利益をすべて再投資した場合に、2016年末時点でどれだけの利益率になっているか」を表す値です。
例えば、2015年の14.3%は、2015年に100万円をソーシャルレンディングに投資し、1年後に得た6.7%(6.7万円)の利益と元本を2016年に再投資した場合、2016年末でトータル114.3万円になっているということを意味します。(複利効果があるので)
当然昔から投資しているほうが累計利益率は高くなり、2010年から投資していたとすると、57.2%になります。


■J-REITの利益率の算出方法
・ここでは、「各年次の年初時点でJ―reitに投資し、2016年末まで持ち続けた場合にどれだけの利益が得られたか」を利益率と定義しました。
つまり、2010年のJ-REITの利益率が「172.6%」とあるのは、「2010年初にJ-REITに100万円投資した人が2016年末まで持ち続けた場合、その価値は272.6万円になっている」ということを意味します。

・具体的には、各年初時点と比較した2016年末の東証REIT指数(配当込み)の騰落率から算出しました。
例えば、2016年の利益率は「(東証REIT指数の2016年末の値 - 2016年初の値) ÷ 2016年初の値」で算出し、
2010年の利益率は「(東証REIT指数の2016年末の値 - 2010年初の値)  ÷ 2010年初の値」で算出しました。
東証REIT指数(配当込み)の推移データは不動産証券化協会のサイトより取得しました。

・J-REITの利益率はマイナスもあり得るのですが、2010年~2016年にかけてJ-REITは概ね上昇傾向であったため、たまたまどの時点もプラスになっています。
最も利益率が高いのは2010年に株式に投資した場合であり、利益率は172.6%と、資産額が3倍近くになっています。

■考察
2010年~2014年までは、J-REIT投資の利益率の方がソーシャルレンディングを上回っています。
 この期間のJ-REIT投資の利益率は非常に高く、この期間にJ-REITを買って持ち続けていた投資家は大きな利益を得られたでしょう。これもアベノミクスのおかげでしょうか。

・一方、2015年はソーシャルレンディングの利益率がJ-REITを上回っています。
 ソーシャルレンディングは14.3%であるのに対し、J-REITは6.7%だったので、2倍ほどになります。

・2016年は、ソーシャルレンディング・J-REITとも利益率は7.1%で、ほぼ同水準でした。

・ほとんどの期間を通じて、J-REITの勝ちとなりました。
自分はJ-REITに投資していないのでよく知りませんでしたが、この期間J-REITは株式以上の値上がりを示していたのですね。
不動産バブルと言われるのもわかる気がします。
まあ、この手の分析は期間をどうとるかによって結果が大きく変わってきます。
2016年度末はたまたま比較的J-REITが高い時期だったのでほとんどの期間J-REIT投資が勝っているという結果になりましたが、来年以降はどうなるでしょうか。
今後も継続して分析してみたいと思います。

次回は「2017年5月 投資中ファンド一覧 」の予定です。




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中田健介(けにごろう)

Author:中田健介(けにごろう)
IT系企業に勤務しています。
2010年からソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)での資産運用を開始しました。
自分の運用実績、各社のサービス内容比較、業界の最新トピックなどを毎週2回(水・土)発信しています。

■著書
2015年3月7日にぱる出版より著書「年利7%!今こそ「金利」で資産を殖やしなさい!~日本初!融資型クラウドファンディング投資の解説書」を発売しました。
是非よろしくお願いいたします。

■興味のあるもの
 ・投資(これまでに実施したことがあるのは、投資信託・国債・FX・株式などです。)

■ソーシャルレンディングについて
 maneo・AQUSHとも2010年から始めました。
 ソーシャルレンディングは将来性のあるビジネスモデルです。自分も微力ながらこのブログを通じて知名度の向上に努めたいと思っています。

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