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証券取引等監視委員会がみんなのクレジットの行政処分を勧告(3)~貸付先が関係会社であることを明示していなかった点について

まず、この記事は問題点を整理するために書いており、決してみんなのクレジットを擁護する意図で書いているわけではないことを最初にお断りします。

証券取引等監視委員会による最初の指摘事項は以下の通りです。

(一部引用)
(1)金融商品取引契約の締結又は勧誘において重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為

ア 貸付先について誤解を生ぜしめるべき表示をする行為
 当社の貸付先は、そのほとんどが当社の親会社である株式会社甲(以下「甲」という。)及びその関係会社(当社、甲及びその関係会社を合わせて以下「甲グループ」という。)となっており、貸付先が甲グループに集中している状況となっている。
 当社は、貸付先の審査の段階から、甲グループへの貸付けを予定していたにもかかわらず、ウェブサイトにおいて、ファンドが複数の不動産事業会社等に対し貸付けを予定しているかのような表示をし、貸倒れリスクが分散されているかのような誤解を与える表示を行った上で、顧客に対し、出資持分の取得勧誘を行っていた。



若干文章がわかりにくいですが、「貸付先が関係会社に集中していること」自体が問題ではなく、「ファンドを構成する貸付先がすべて関係会社であることを明示していなかったこと」が問題だと言っているように読めます。

しかし、貸付先が特定できるような情報を公開してはいけないという指導をしているのは他ならぬ金融当局です
もし貸付先について「関東圏、東海圏に展開する不動産開発を手掛ける当社の関係会社」と表記していたら、ほぼ「ブルーウォールジャパン」であることが特定できてしまうのではないでしょうか。
それはそれで問題があるように思いますが、金融当局はどのように考えているのでしょうか。

なお、他にも関係会社に対して貸付を行っているサービス事業者はいくつもあります。
少なくとも私の把握している限り、以下の事業者は関係会社に対して貸付を行っています。
また、各事業者について、
「関係会社に対する貸し付けを行う可能性があることをサイト上で明示しているか」
「ファンドの各貸付先が関係会社であるかを明示しているか」

についても記載しました。

関係会社に対する貸し付けを行っている事業者
事業者説明関係会社に対する貸し付けを行う可能性があることをサイト上で明示しているかファンドの各貸付先が関係会社であるかをファンド募集ページで明示しているか
みんなのクレジット貸付先に関係会社が含まれることは明示されていない。××
maneo貸付先にUBIファイナンスが含まれる。(以前瀧本代表がセミナーにて説明していた)××
オーナーズブック貸付先に親会社であるロードスターキャピタル社が含まれる。
https://www.ownersbook.jp/feature/index/
×
ラッキーバンクラッキーバンクリアルティ社への貸出を予定している。(ただし3月8日時点で、まだ実際には行っていないと田中代表が説明していた。)
https://www.lucky-bank.jp/news/detail?id=35
×
LCレンディング貸付先は「LCパートナーズがアセットマネジメントを行うSPC」であると明記されている。
グリーンインフラレンディング貸付先である事業者Aは、関係会社であるJCサービス社であると思われる。(中久保代表へのインタビューより)××
キャッシュフローファイナンス現在までの貸付先はいずれも子会社である。


上記の通り、今回の証券取引等監視委員会の基準を適用したとすると、maneo、オーナーズブック、ラッキーバンク、グリーンインフラレンディングも指摘を受ける可能性があることになります。

ただ、今回の件を踏まえて、改めて「関係会社への貸付」について考えてみると、次の2つの問題があることに気づきました。

(1)関係会社の貸付について、審査はきちんと行われるのか
 ソーシャルレンディングでは、貸付先の詳細情報が投資家に公開されないかわりに、サービス事業者が貸付先の審査をしっかりと行うことが前提となっています。
 しかし、貸付先が関係会社である場合、関係会社以外と同じ基準で審査が行われるのでしょうか。
 LCレンディングやグリーンインフラレンディングのように、そもそも「関係会社に貸付を行うことを目的としたサービス」もあります。
 こうしたサービスにおいて、「貸付先の経営状況に問題があるので貸付を行わない」と判断することはあり得ないような気がします。
 実際、今回みんなのクレジットにおいては、「(2)業務運営について投資者保護上問題が認められる状況 - オ ファンドからの借入れを返済することが困難な財務の状況」で指摘されているように、経営状況が悪いにも関わらず関係会社に対して融資が行われていたようです。
 他のサービスにおいても同じことが行われる可能性はあると考えられます。

(2)貸付先間で何らかの関連がある
 今回のように、貸付先の中に複数の関係会社が含まれていた場合、それらの貸付先間は相互に関係があることになります。
 ソーシャルレンディング投資においては、貸付先を分散させることが推奨されていますが、それはあくまで貸付先が互いに関係がないことを前提としています。
 もし貸付先の間で資本関係・取引関係など何らかの関連があると、どちらか一方が倒産した場合他の貸付先にも影響するので、分散の意味がなくなってしまいます。
 したがって、関係会社に限らず、貸付先の間で何らかの関連がある場合、その点について募集時に明示することは必要だと思います。


いずれにしても、投資家にとっては少しでも情報公開が進むのは歓迎すべきことなので、金融当局によって
「関係会社に対する貸し付けを行う可能性があることをサイト上で明示すべし」
「ファンドの各貸付先が関係会社であるかを明示すべし」

という判断が示された以上、これを機会に各事業者とも今後情報公開を進めてほしいと思います。










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コメント

それはおかしい

何故、勧告のその部分だけ引用して記事を書かれているのか全く理解できません。出資者の多くはその部分については、そこまで大きな問題とは思っていないのではないでしょうか?
問題なのは、償還金や利息、キャッシュバックの原資を新たな出資金で賄っていたこと、代表者個人の借入金の返済に使われていたことではないですか?とても擁護できるレベルの物では無いと思いますが。

すみません

擁護する訳では無いと冒頭に書かれていますね。失礼しました。でも、この記事の内容は、今回の勧告の内容からすると全くの重要性を持たないことは間違いないと思います。

案件の透明性とポンジスキームや詐欺を目的とした悪徳業者の参入阻止は全く別の問題。
これは金商や貸金免許の意味が無かった今回の一件でも解ったでしょう?
和牛でも海老でも原野でもゴールドでも案件が明確化されてたのに被害は防げなかった
やるやつは巧妙な仕掛けを組んでから狙ってくる。
ソシャレン専門のブログ運営しててそんなことも理解できないのですか?

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

みんなのクレジットから払い戻し金の振り込みがありました。

先月からソーシャルレンディングに興味を持ち、ブログを拝見していました。
今回のことは驚きましたし、ショックでしたね。
私も少額ですがみんなのクレジットに投資していたので、すぐに預託金にある分を払い戻し依頼しました。

私の話になるのですが、運用が始まっていない投資申込み中の分のキャンセル願いを土曜に問い合わせフォームから送ったところ、受理して処理も完了した旨の返信が日曜午前中に届き、資金も預託金に戻っていたので少し安心しました。
このまま返信も来なかったりするかな?と思っていたので…。

それから、今日11時半ごろ、繋がりにくいかと思いながら電話をかけましたがすぐに繋がりました。
振り込みがいつ頃になるか問い合わせたら、水曜日までには…とのことだったのですが(今払い戻しの件数が多いため)、先ほど確認したら全額振り込まれていました。
振り込み手数料は引かれていませんでした。

会社は本当に悪いことをしでかしていますが、事務作業担当の人や電話を受けている人たちは急いで仕事してくれていると思いました。

通達があるのは30日だそうなので、その日まではどんな処分になるかわからないので待つしかないですね。

今回のブログの「関係会社に対する貸し付けを行っている事業者」の表、わかりやすかったです。
自分でももっと色々調べてみないといけないなと思いました。

こんにゃろめ

おい、テメェよ
こんなのよ、名前も入れずに書いてよ
まだ何も決まってねぇじゃねぇかよ
最初から言えよ!!
これで何事もなく、金利付いて一年後ならちゃんと償還さらたら、テメェは責任取れんのかよ
けにごろうさんは、良いと思った運用を金借りてまでやっていて、更に青色申告までやってるのを示してるんだぜ







やるやつは巧妙な仕掛けを組んでから狙ってくる。
ソシャレン専門のブログ運営しててそんなことも理解できないのですか?
2017/03/2612:47 URL 編集

だいたい過大なキャッシュバックで危ないと言われていた会社だから、こうなった以上は、ただリスクが顕在化しただけであり自己責任ではある。
いま求められていることは、現状の分析などは意味をなさない。公式の発表に書いてあることなど前提に嘘がありいくら詳細を書いても意味のないことだ。
この案件で、アフェリエイトで稼いでいたわけで片棒を担いだと思う人がいるかもしれない。
もし、少しでも申し訳ないと思っているなら、元本を毀損した場合や倒産して元本が回収できなかったとき損失計上をどうするのかなど具体的な内容を書いていった方が良心的だ。税絡みは、本来自分で調べるものだが、今回は異例事態の上、勧めていた手前回復措置や事後の対策も書いて残すのがせめてもの良心では?

はいはい

はいはい、余計なお世話だよ
まだわかんねぇだろ
名前も書かずにこうなってから、ま〜っました、ほ〜ら言ったでしょって言うやつ
いるよね〜
めんどくせぇ
けにごろうさんのほうが、2000倍カッコイイよ
クラウドだって赤字、殆ど赤字だろ!SLは

おっしゃる通り関係会社への貸し付けはどうかと思います。まず十分な牽制が働かない。
批判者はグループ間取引とか検索すればすぐわかるはずだろうに…。
何だか批判してる人がブログで名指しを受けた会社の関係者に思えますね。

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Author:中田健介(けにごろう)
IT系企業に勤務しています。
2010年からソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)での資産運用を開始しました。
自分の運用実績、各社のサービス内容比較、業界の最新トピックなどを毎週2回(水・土)発信しています。

■著書
2015年3月7日にぱる出版より著書「年利7%!今こそ「金利」で資産を殖やしなさい!~日本初!融資型クラウドファンディング投資の解説書」を発売しました。
是非よろしくお願いいたします。

■興味のあるもの
 ・投資(これまでに実施したことがあるのは、投資信託・国債・FX・株式などです。)

■ソーシャルレンディングについて
 maneo・AQUSHとも2010年から始めました。
 ソーシャルレンディングは将来性のあるビジネスモデルです。自分も微力ながらこのブログを通じて知名度の向上に努めたいと思っています。

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