前回に引き続き、クラウドポートの代表者インタビューです。
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クラウドポート―2人の役割分担は藤田が業界の知識を活かして事業者側との窓口などを担当し、柴田はプロダクト設計・作成を手掛けている。
―サービスのターゲットはどういった人たちか。 ソーシャルレンディングについて全く知らない人から上級者まで広くカバーする方針。最初は初心者でも、だんだんソーシャルレンディングにハマってほしい。
―サービス開始にあたっては各事業者からは協力を得ているのか。いくつかの事業者とは話をしており、全体的には好感触を得ている。
ただ、基本的には投資家側を向いていきたい。投資家にとって利便性が高く有益なサービスとしたい。
―どのようなビジネスモデルで、どこから収益を得るのか。基本的には、クラウドポートから各事業者へ誘導して口座開設したら手数料を得る、というモデル。
今後メディアが成長したら、タイアップ広告なども手掛けていきたい。
―社員数は何名か。現在6名。
―資本金はいくらか。また、主な出資者は。資本金は1001万円で、出資者は自分たちのみ。今のところ外部から出資を受ける予定はない。
―ユーザー数はどの程度を見込んでいるかソーシャルレンディングのアクティブな投資家が何名ほどいるかわからないが、半分以上はこのサイトを見てもらえるようにしたい。
―寄付型や購入型クラウドファンディングについては いまのところ取り扱う予定はない。
投資型だけを対象とする。
―株式型クラウドファンディングについては 投資家にとって興味のあるサービス内容であれば、取り扱っていきたい。
法的スキームにはあまりとらわれずに、投資家にとってのニーズがあれば取り扱っていきたい。
―各企業とのタイアップ企画としてはどういったものを予定しているか 各事業者の社長インタビューは一通り実施する予定。サービス内容だけでなく、社長の生い立ちなど人となりがわかるような内容とする。
また、事業者合同セミナーを3月8日に予定している。各社の代表に来ていただき、サービスのPRや、対談などをする場を作りたい。多くの投資家に参加してほしい。実際の投資家の体験談なども盛り込みたい。
―売上の目標は現状では立てていない。
―株式公開予定は 現状では考えていない。
―ソーシャルレンディング普及についてどういった課題があると考えるかまず、クラウドバンクの経験を通じて感じたのは、第三者的な応援団が少ないということ。
金融商品の場合、事業者が自分で良さをアピールしてもかえって怪しまれたり敬遠されたりする。第三者の立場で今後はアピールしていきたい。業界の認知度を上げていきたい。
そのためには信頼度を高めるような情報提供が必要。大手企業との提携、地方自治体との提携、新聞への露出、経済評論家によるコメントなど。
また、情報の透明性も重要。現在、融資先の情報は法的に公開できないことになっているが、今後ソーシャルレンディングが普及するためには、そのあたりの法整備も必要だと感じている。投資家の立場になって考えれば、融資先の情報は覆面化されず公開されることが望ましい。
また、ソーシャルレンディングは、事業構造的に黒字化するのにどうしても時間がかかるビジネスモデルである。
事業者の取り分は運用額の2~3%程度で、しかも毎月少しずつ入ってくるため、短期的には収益を上げにくい。どうしても黒字化に3年から5年はかかる。ただ、損益分岐点を越えると、経営が非常に安定するモデル。
小さい会社も多いので、経済状況が変わると倒産のリスクも増える。できるだけ、分散投資することをお勧めしている。
最近新規参入事業者が増えているのは、やはりソーシャルレンディングの知名度の向上が大きいと思う。
2013年ころは非常に知名度が低かったが、最近のFintechブームもあり、不動産業など他業種からの参入も増えた。今後もどんどん増えていくと思う。
単体では利益が上がらなかったとしても、本業の資金調達の手段と捉えている企業も多い。
―今後の展望はまずはソーシャルレンディング市場全体を拡大していきたい。
アメリカ・中国ではすでに数兆円の規模があるが、日本ではまだ年間500億円程度にすぎない。もっとポテンシャルがあると思う。
魅力を伝えていくことで、少なくとも10倍くらいにはできると考えている。
そのために投資家にとって利便性の高い機能を実装していきたい。
クラウドポートはソーシャルレンディング版のブルームバーグを目指している。
目標としているのはアメリカのオーチャード・プラットフォームというオンライン融資に特化した情報サービスで、ここではFICOスコア別のデフォルト率や、独自のインデックスを算出していたりして、投資家の役に立っている。
情報分析のデータベースを構築していくことは投資家のためになると考えている。
また、ニュース記事も強化したい。現在は社員が書いている記事もあるが、外部の投資家の協力を得て、記事を強化したい。
デフォルトや返済遅延など、投資家が本当に知りたいネガティブな情報も、しっかりと取材し中立公平な立場で正しく情報提供していきたいと考えている。
次回は
「クラウドリアルティ代表者インタビュー(1)」の予定です。






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