トラストレンディングの投資家向けセミナーレポート(2016年12月21日)
- 2016/12/24
- 05:00
■実施日
2016年12月21日
■場所
トラストレンディング本社(田町)
■参加者
約10名で、全員トラストレンディングの投資家とのこと。
■内容
説明内容の中で特に印象に残った部分を中心に記述します。
・ソーシャルレンディング事業の準備には1年かかった。
審査の途中で金融庁の対応が変わったため。
我々は元々借り手の社名などを開示する予定だったが、その匿名化・複数化が求められるようになった。
また、当社はもともと自己資金での貸金業を行っていたが、「リスクの低い貸出先には自己資金で融資し、リスクの高い貸出先にはSLでの融資を行うようなことはないのか」との懸念を持たれたため、SL事業開始以降は自己資金での貸金は行わないことにした。
・当社はソーシャルレンディング事業の他に投資事業、クレジット事業を手掛けている。
それらの事業での黒字営業をすでに実現しており、事業者リスクの点では比較的安全と言える。



・トラストレンディングでは投資家の預託金口座を設けていない。
他サービスでは預託金口座を設けているが、預託金口座は信託保全があるかないかで保全性に大きな違いがある。
クラウドバンクは信託保全を行っているが、その他のサービスではされていない。
当社が預託金口座を設けていないのは、その方が投資家にとって安全性が高いと考えているため。
・最近は金融商品取引業者第2種の審査が厳しくなっている。
他のソーシャルレンディング事業者では、自社で免許を取得するのには時間がかかりすぎるため、第2種を保持する会社をM&Aで買収してサービスを立ち上げたところもあると聞く。
・当社はWEB広告費などを抑えることで、営業者報酬を1%と低い水準にして、その分高い利回りを投資家に還元している。
ただ、来年以降は少し営業者報酬を上げ、将来的には他社と同水準にしていく予定。
・当社は利回り10%以上の案件が多く、その分貸し倒れリスクが高いのではないかと思われることが多い。
ただ、先に述べたように営業者報酬が低いので、実際の貸付金利は他社と比べて特に高いわけではない。
・現在の投資家数は約1000人。
登録者のうちアクティブユーザーは77%で、高いと考えている。
また、投資家1人当たりの累積投資金額平均は約180万円。
投資家は関東・近畿圏が多く、地方は少ない。
年齢では30代~40代が多い。
また、現物株式の投資経験は5年以上ある人が50%近くおり、投資経験が豊富な人が多い。
・不動産担保を取る際は、その実勢価格を重視している。
実勢価格の80%までしか融資しないようにしている。
■質疑応答
・これまでにデフォルトや返済遅延が起こったことはあるか
⇒これまで発生していない。
・トラストレンディングは募集ページ上で借り手が識別できないのだが、これはなぜか。
⇒借り手を識別できないようにするよう金融当局からの指導があったため。
金融当局の指導は強くなっている印象で、今後は借り手の情報開示をさらに少なくせざるを得ないかもしれない。
また、現在は2社をセットで1ファンドとしているが、これも3社以上にするようになるかもしれない。
・サイト上に代表者の顔写真を掲載していないのはなぜか。
⇒借り手から恨みを買うこともあるため、安全のために掲載を控えている。
・不動産担保は、借り手がもともと所有している物件か、それとも今回新たに取得する物件か。
⇒両方のパターンがある。
・もし貸し倒れが起こったらどのように対応するのか。
⇒その場合はあくまでトラストレンディングが対応し、投資家が直接対応を行うことはない。
実際は、借り手が倒産する前に、遅延が発生した段階で担保の売却などの対応を開始する。
場合によっては、弁護士などに債権を売却することもある。
・一つの借り手が複数回に分けて「~次募集」などの形で募集するのはなぜか。
⇒借り手も、資金が必要となるタイミングごとに分けて借入を行ったほうが都合がよいため。
また、1ファンド当たりの投資家数は499人以下でないとならないという法律上の規制もあるため。
・maneoのように、他サービスに対してプラットフォームを提供することは考えていないのか。
⇒現状では、当社のプラットフォームには不十分な点が多いと考えているため、予定していない。
以上
次回は「ソーシャルレンディング投資家インタビュー・主婦投資家Hさん(2)」の予定です。




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