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購入型クラウドファンディングのCAMPFIRE がソーシャルレンディングへ参入を表明

購入型クラウドファンディングの老舗?CAMPFIREがソーシャルレンディングへの参入を表明しました。

CAMPFIRE がソーシャルレンディング(融資事業)を開始へーー家入氏の目指すクラウドファンディングの再定義「資金集めの民主化」と「富の分配」とは

<以下引用>
一部報道にあった通り、クラウドファンディング「CAMPFIRE」は融資業となるソーシャルレンディング事業へ参入する。来春の操業開始を目指して貸金業と第2種金融商品取引業の登録を進めるため、お金のデザイン創業取締役会長、ライフネット生命の創業期投資家としての顔を持つ谷家衛氏を取締役会長として迎え入れる。また、同時に必要な資金として3.5億円を第三者割当増資によって調達する予定。
<引用終わり>



これまで購入型クラウドファンディングの事業者がソーシャルレンディングに参入した例はなく、今回が初めてです。

以下のサイトによると、購入型クラウドファンディングの募集金額(累計)ランキングでは、CAPMFIREはREADYFOR?、MAKUAKEに次いで3位です。
http://visualizing.info/cr/crowdfunding/jptrend/#m=a1


また、融資型と購入型の違いは無視して、maneoとCAMPFIREの主要な指標を比較してみます。

サービス名maneoCAMPFIRE
サービス開始時期2008年10月2011年10月
募集金額(2016年見込み)206億円9億円
投資家数39,206人100,000人以上


サービス開始時期はmaneoの方が3年ほど早いです。ただ、CAMPFIREは購入型クラウドファンディングとしてはかなりの老舗と言えます。

年間募集金額では、maneoが206億円、CAMPFIREが9億円と、20倍以上の差があります。
また、2015年度ソーシャルレンディング貸出金額ランキングに当てはめると、CAMPFIREは業界6位の規模ということになります。

表:ソーシャルレンディングサービス 貸出額実績ランキング(2015年)
ランキングサービス名開始時期年間貸出額(2015年)
(単位:億円)
  
1maneo2008年10月153.0
2SBIソーシャルレンディング2011年4月49.1
3クラウドバンク2013年12月28.9
4ラッキーバンク2014年12月28.3
5LCレンディング2015年7月26.7
6ガイアファンディング2015年10月4.0
7クラウドクレジット2014年7月2.6
8オーナーズブック2014年9月2.6
9トラストレンディング2015年11月1.3
10スマートエクイティ2015年5月1.0
11AQUSH2009年12月0.7



冒頭の記事によると、2017年の年間募集金額は何と60億円を目指すとのことです。
1年間で6倍以上というのはかなり無理のある計画のような気もしますが、仮に実現すればmaneoに次いでソーシャルレンディング事業者の中でも2位になるでしょう。

また、投資家数ではCAMPFIRE(10万人以上)はmaneo(約4万人)を大きく上回っています。
購入型の方がソーシャルレンディングよりも投資家にとってのハードルは低いのでしょう。
この投資家数のアドバンテージを活かすことができれば、CAMPFIREはソーシャルレンディングでも大きく伸びる可能性はあるかもしれません。

ただし、購入型クラウドファンディングの投資家の目的は、「社会貢献」や「プロジェクトの応援」ですが、ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)の投資家の主な目的は「金銭的リターン」です。
購入型は、基本的に集めた資金が投資家に返済されることはなく、投資家は商品やサービスなどが得られるだけです。
したがってプロジェクトの経済的な成功があまり厳しく問われることはありませんし、そもそも利益を得ることを目的としていないプロジェクトもあります。
しかし、融資型のユーザーにとっては、「元本がきちんと返済されること」「想定する金利が得られること」が何よりも重要です。
同じクラウドファンディングでも、購入型と融資型は水と油のように違いがあり、投資家の層もかなり異なると思われます。
その違いを乗り越えて、購入型のユーザーを融資型へ誘導するのは難しいような気もします。


さらに、冒頭のインタビューの中で、家入氏は以下の発言もしています。

<以下引用>
さらに加速するための新たな資金集めの方法を考えていると。それがいわゆる金融方面になる
僕らの目指す「資金集めの民主化」ということの本質を考えると、現状の「購入型クラウドファンディング」だけにこだわっている場合じゃないって思うんです。購入型か融資型か投資型か、なんて、ユーザーからしたらどうでもいい話ですよね。選択肢は多いほうがいい。
<引用終わり>



先に述べた通り、購入型と融資型では、投資家の目的がそもそも大きく異なります。
その違いは、ユーザーからしたら「どうでもいい話」どころではなく、非常に大きな違いです。
そのためにソーシャルレンディング事業者は厳しく借り手や担保の審査を行う必要があるということを認識しているのか、若干心配になる発言です。


さて、いろいろ書きましたが、異業種からのソーシャルレンディングへの参入によりすそ野が広がり、投資家にとって選択肢が広がることはよいことです。
実際のサービス開始を楽しみに待ちたいと思います。

次回は「ソーシャルレンディング投資家インタビュー・主婦投資家Hさん(1)」の予定です。


みんなのクレジット










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Author:中田健介(けにごろう)
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2010年からソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)での資産運用を開始しました。
自分の運用実績、各社のサービス内容比較、業界の最新トピックなどを毎週2回(水・土)発信しています。

■著書
2015年3月7日にぱる出版より著書「年利7%!今こそ「金利」で資産を殖やしなさい!~日本初!融資型クラウドファンディング投資の解説書」を発売しました。
是非よろしくお願いいたします。

■興味のあるもの
 ・投資(これまでに実施したことがあるのは、投資信託・国債・FX・株式などです。)

■ソーシャルレンディングについて
 maneo・AQUSHとも2010年から始めました。
 ソーシャルレンディングは将来性のあるビジネスモデルです。自分も微力ながらこのブログを通じて知名度の向上に努めたいと思っています。

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