記事一覧

ソーシャルレンディング事業者評価(2016年版)「トラストレンディング」「スマートエクイティ」「AQUSH」

SBIソーシャルレンディングが出光クレジットと共同で、新規事業「カンボジア人技能実習生向け融資事業」をスタートします。

カンボジア人技能実習生向け融資事業を開始します


このニュースは日経新聞でも取り上げられていましたので紹介します。

<以下 日本経済新聞 電子版 2016年9月30日 より引用>
SBI、カンボジア人向け融資 出光クレジットと提携
 SBIホールディングスは出光興産系の出光クレジットと提携し、カンボジア人向けの融資事業を立ち上げる。国内の個人投資家から資金を募り、カンボジアから来日する技能実習生に研修やビザ取得などに必要な資金を貸し付ける。

(中略)

両社はネット上でお金の貸し手と借り手を結びつける「ソーシャルレンディング」の仕組みを活用することで実習生の来日を支援する。

(中略)

 貸し手の投資家は金利収入の一部を配当として受け取る代わりに、貸し倒れによる元本割れリスクを負う。投資家が受け取る利回りは7~10%程度を想定しており、SBIは低金利下での運用先を探している個人の需要を取り込みたい考えだ。
<引用終わり>



「カンボジアから来日する技能実習生」向けの融資とは、非常にニッチな市場に目を付けたものですね。

注目すべきは、7~10%という利回りです。
現在SBIソーシャルレンディングの主な商品は不動産担保ローン事業者ファンド(利回り2.8%~4.3%)と不定期で募集されるオーダーメイド型ローン(利回り5~6%)です。
今回の新商品は、SBIの中では最も高い利回りとなるでしょう。
これまでSBIは「安全性は高いが利回りは低い」というイメージでしたが、そのイメージが払拭されるかもしれません。

*********************************
maneoとGMOクリック証券の提携がスタートしました。
10月8日から口座開設受付開始、24日から取引開始です。

右の方に「maneo」のタブができています。
2016y10m08d_115219390.jpg

GMOクリック証券では、maneoについて以下の通り説明されています。

・目標利回り5~8%
・少額かつ短期で投資可能
・分配金は毎月分配
・5年間貸倒れ0
・手数料無料
・貸付クラウドファンディング市場での実績No.1


2016y10m08d_114028703.jpg

これらの特徴は、株式やFX投資家にどのように受け止められるのでしょうか。
今年に入ってから国内の株価は下がっているし円高も進んでいる状況なので、安定的にそこそこの利回りが得られるmaneoは魅力的に映るかも知れません。
そうは言っても実際に始める人は最初は少ないとは思いますが。


提携による投資家への具体的なメリットは以下の通りです。

GMOクリック証券取引口座を持っている人は、マイページからmaneo口座開設手続きができる。
 (maneoで直接口座開設するよりも多分手続きは簡単になるでしょう。
 本人確認書類の提出や住所確認のはがきを受け取るといった手続きはしなくて済むものと思います。)

・GMOクリック証券口座には即時入金サービスがあり、その費用は無料。また、出金手数料も無料。
 GMOクリック証券口座を経由してmaneoで取引すれば、入金・出金手数料は無料にできる(と思います)

・GMOクリックからmaneoの口座開設し、1回でも取引を行うと2000円のキャッシュバックが得られる。

もともとのmaneoの投資家にとっては特にメリットはなさそうです。

新規投資家がどの程度maneoに流れてくるかはわかりませんが、これが日本のソーシャルレンディングがブレイクするきっかけになる可能性はありそうです。

***************************
前回に引き続きソーシャルレンディング事業者の評価を掲載します。
今回は「トラストレンディング」「スマートエクイティ」「AQUSH」の3社についてです。

評価項目・基準についてはこちらをご参照ください。

ソーシャルレンディング事業者の評価を掲載します


<サービス事業者評価(概要)「トラストレンディング」>
評価項目トラストレンディング
利回りA
ファンドの安全性A
サービス事業者自体の安全性B
運営力A
透明性A
実績C

「利回り」「ファンドの安全性」「運営力」「透明性」の4項目でA評価となりました。
一方、「実績」ではC評価となりました。

評価の詳細は以下の通りです。

<サービス事業者評価(詳細)「トラストレンディング」>
評価項目評価基準トラストレンディング 
   根拠評価
利回り A
 利回りA:利回り上限10%以上
B:利回り上限6%以上
C:利回り上限6%未満
10-12%A
ファンドの安全性 A
 貸倒・返済遅延発生率A:貸倒・返済遅延とも0%
B:貸倒1%未満、返済遅延発生。
C:貸倒率1%以上
貸倒・返済遅延とも0%A
 担保・保証の有無A:全ファンド担保・保証あり
B:ファンドによる
C:担保・保証なし
不動産、有価証券担保ありA
サービス事業者自体の安全性 B
 金融取引事業者の種別(第1種、第2種)A:第1種
B:第2種
C:その他
第2種B
 資本金A:1億円以上
B:1000万円以上
C:1000万円未満
1.0億円A
 営業利益(2015年度)A:1億円以上
B:黒字
C:赤字もしくは未公開
0.1億円B
 親会社A:親会社が上場企業
B:親会社あり
C:親会社なし
-C
運営力 A
 システム(わかりやすいか、不具合等がないか)A:わかりやすく不具合などがない
B:わかりにくいか、かつて不具合があった。
C:解消されていない不具合が存在する。
わかりやすく不具合等もないA
 オペレーション(ミスや遅延がないか、要望・問い合わせに対する回答は適切・迅速か)A:問題なし
B:何らかの問題あり
C:重大な問題あり
問題なしA
透明性 A
 ファンド情報や運営会社の情報が開示されているかA:ファンド情報詳細、運営会社決算書が公開されている
B:ファンド情報詳細が公開されている
C:ファンド情報詳細が未公開
決算書を公開A
 投資先が識別可能かA:識別可能
B:識別不可
C:-
識別不可B
実績 C
 サービス開始以来の貸出総額A:50億円以上
B:10億円以上
C:10億円未満
8億円C


・利回り
 トラストレンディングのファンド利回りは10-12%と非常に高い水準であり、評価Aとしました。

・ファンドの安全性
 トラストレンディングではこれまで貸倒、返済遅延とも0件です(評価A)。

 また、すべてのファンドについて不動産や有価証券など必ず担保がついています。(評価A)
 この2つの要素から、ファンドの安全性については評価Aとしました。

・サービス事業者自体の安全性
 トラストレンディングは、第2種金融取引事業者です。(評価B)
 また、資本金は1.0億円と、ソーシャルレンディング事業者としては標準的な規模です。(評価A)
 一方、2015年度のトラストレンディングの営業利益は、0.1憶円の黒字でした。(評価B)
 また、トラストレンディングは特に他社との親子関係はありません。(評価C)

 これらの要素から、サービス事業者自体の安全性については評価Bとしました。

・運営力
 トラストレンディングのサイトはわかりやすく、特に不具合等もありません。(評価A)
 また、特にこれまでオペレーションのミスや遅延はありませんでした。(評価A)
 これらの要素から、運営力については評価Aとしました。

・透明性
 トラストレンディングは、ファンド情報は詳細に開示されており、運営会社の営業利益なども公開されています。(評価A)
 一方、ファンド情報に「A社」「B社」などの記載がなく、投資先の識別はできません。(評価B)

 これらの要素から、透明性については評価Aとしました。

・実績
 トラストレンディングのサービス開始以来の貸出総額は8億円で、若干少ない水準と言えます。(評価C)






<サービス事業者評価(概要)「スマートエクイティ」>
評価項目スマートエクイティ
利回りB
ファンドの安全性B
サービス事業者自体の安全性B
運営力A
透明性A
実績C


「運営力」「透明性」の2項目でA評価となりました。
また、「実績」はC評価となりました。

評価の詳細は以下の通りです。

<サービス事業者評価(詳細)「スマートエクイティ」>
評価項目評価基準スマートエクイティ 
   根拠評価
利回り B
 利回りA:利回り上限10%以上
B:利回り上限6%以上
C:利回り上限6%未満
2-7%B
ファンドの安全性 B
 貸倒・返済遅延発生率A:貸倒・返済遅延とも0%
B:貸倒1%未満、返済遅延発生。
C:貸倒率1%以上
貸倒・返済遅延とも0%
ただし、想定利回り7%に対して実績1%だったファンドあり。
B
 担保・保証の有無A:全ファンド担保・保証あり
B:ファンドによる
C:担保・保証なし
ファンドによる
(売掛債権が担保となっているファンドあり)
B
サービス事業者自体の安全性 B
 金融取引事業者の種別(第1種、第2種)A:第1種
B:第2種
C:その他
第1種A
 資本金A:1億円以上
B:1000万円以上
C:1000万円未満
2.0億円A
 営業利益(2015年度)A:1億円以上
B:黒字
C:赤字もしくは未公開
(未公開)C
 親会社A:親会社が上場企業
B:親会社あり
C:親会社なし
-C
運営力 A
 システム(わかりやすいか、不具合等がないか)A:わかりやすく不具合などがない
B:わかりにくいか、かつて不具合があった。
C:解消されていない不具合が存在する。
マイページが若干わかりにくいB
 オペレーション(ミスや遅延がないか、要望・問い合わせに対する回答は適切・迅速か)A:問題なし
B:何らかの問題あり
C:重大な問題あり
問題なしA
透明性 A
 ファンド情報や運営会社の情報が開示されているかA:ファンド情報詳細、運営会社決算書が公開されている
B:ファンド情報詳細が公開されている
C:ファンド情報詳細が未公開
決算書未公開
B
 投資先が識別可能かA:識別可能
B:識別不可
C:-
借り手が多数のため識別は不要A
実績 C
 サービス開始以来の貸出総額A:50億円以上
B:10億円以上
C:10億円未満
1億円C


・利回り
 スマートエクイティの利回りはファンドにより幅がありますが、2-7%が中心です。(評価B)

・ファンドの安全性
 スマートエクイティは、これまで貸倒・返済遅延とも0件です。
 ただし、想定利回り7%に対して実績1%だったファンドがあるため、評価Bとしました。
 また、担保・保証については、一部のファンドにおいて売掛債権が担保となっています。(評価B)
 この2つの要素から、ファンドの安全性については評価Bとしました。

・サービス事業者自体の安全性
 スマートエクイティは、第1種金融取引事業者です。(評価A)
 また、資本金は2.0億円と、ソーシャルレンディング事業者としては申し分ない規模です。(評価A)
 一方、スマートエクイティは現在決算書を公開していません。(評価C)
 また、スマートエクイティは、特に他社との親子関係はありません。(評価C)
 これらの要素から、サービス事業者自体の安全性については評価Bとしました。

・運営力
 スマートエクイティのマイページは、分配金の合計額などが表示されず、若干わかりにくいと言えます。(評価B)
 また、特にこれまでオペレーションのミスや遅延はありませんでした。(評価A)
 これらの要素から、運営力については評価Aとしました。

・透明性
 スマートエクイティは、ファンド情報はある程度詳細に開示されていますが、運営会社の決算書は未公開です。(評価B)
 一方、最終的な借り手は多数のため、識別は不要な仕組みとなっています。(評価A)
 これらの要素から、透明性については評価Aとしました。

・実績
 スマートエクイティのサービス開始以来の貸出総額は1億円と、まだ少ないと言えます。(評価C)
スマートエクイティ

<サービス事業者評価(概要)「AQUSH」>
評価項目AQUSH
利回りC
ファンドの安全性B
サービス事業者自体の安全性B
運営力A
透明性B
実績B


「運営力」でA評価となりました。
また、「利回り」はC評価となりました。

評価の詳細は以下の通りです。

<サービス事業者評価(詳細)「AQUSH」>
評価項目評価基準AQUSH 
   根拠評価
利回り C
 利回りA:利回り上限10%以上
B:利回り上限6%以上
C:利回り上限6%未満
2.5%C
ファンドの安全性 B
 貸倒・返済遅延発生率A:貸倒・返済遅延とも0%
B:貸倒1%未満、返済遅延発生。
C:貸倒率1%以上
貸倒・返済遅延とも1%以上発生していると思われる。
(具体的な数値は未公開)
C
 担保・保証の有無A:全ファンド担保・保証あり
B:ファンドによる
C:担保・保証なし
不動産担保、保証ありA
サービス事業者自体の安全性 B
 金融取引事業者の種別(第1種、第2種)A:第1種
B:第2種
C:その他
第2種B
 資本金A:1億円以上
B:1000万円以上
C:1000万円未満
4.2億円A
 営業利益(2015年度)A:1億円以上
B:黒字
C:赤字もしくは未公開
(未公開)C
 親会社A:親会社が上場企業
B:親会社あり
C:親会社なし
-C
運営力 A
 システム(わかりやすいか、不具合等がないか)A:わかりやすく不具合などがない
B:わかりにくいか、かつて不具合があった。
C:解消されていない不具合が存在する。
わかりやすく不具合等もないA
 オペレーション(ミスや遅延がないか、要望・問い合わせに対する回答は適切・迅速か)A:問題なし
B:何らかの問題あり
C:重大な問題あり
問題なしA
透明性 B
 ファンド情報や運営会社の情報が開示されているかA:ファンド情報詳細、運営会社決算書が公開されている
B:ファンド情報詳細が公開されている
C:ファンド情報詳細が未公開
決算書未公開
投資先情報がほとんどない
C
 投資先が識別可能かA:識別可能
B:識別不可
C:-
識別不可B
実績 B
 サービス開始以来の貸出総額A:50億円以上
B:10億円以上
C:10億円未満
15億円B


・利回り
 AQUSHが現在扱っている不動産担保ローンのファンド利回りは2.5%であり、評価Cとしました。

・ファンドの安全性
 AQUSHは貸倒、返済遅延はいずれも発生しています。
 その具体的な数値は未公開ですが、いずれも金額ベースで1%は越えていると思われます。(評価C)。

 一方、すべてのファンドに不動産担保および保証会社による保証がついています。(評価A)
 この2つの要素から、ファンドの安全性については評価Bとしました。

・サービス事業者自体の安全性
 AQUSHは、第2種金融取引事業者です。(評価B)
 また、資本金は4.2億円と、ソーシャルレンディング事業者としてはかなり大きな規模です。(評価A)
 一方、現在AQUSHは決算書を公開していません。(評価C)
 また、AQUSHは特に他社との親子関係はありません。(評価C)

 これらの要素から、サービス事業者自体の安全性については評価Bとしました。

・運営力
 AQUSHのマイページは非常にわかりやすく、また不具合などもありません。(評価A)
 また、特にこれまでオペレーションのミスや遅延はありませんでした。(評価A)
 これらの要素から、運営力については評価Aとしました。

・透明性
 AQUSHは、借り手の具体的な情報はほとんど開示していません。また、運営会社の決算書は未公開です。(評価C)
 また、借り手の識別はできません。(評価B)
 これらの要素から、透明性については評価Bとしました。

・実績
 AQUSHのサービス開始以来の貸出総額は15億円で、中堅クラスと言えます。(評価B)


次回は「ソーシャルレンディング事業者評価(2016年版)総括」の予定です。


みんなのクレジット










年利7%!  今こそ「金利」で資産を殖やしなさい!年利7%! 今こそ「金利」で資産を殖やしなさい!
(2015/03/10)
中田健介

商品詳細を見る


にほんブログ村 株ブログ ソーシャルレンディングへ
にほんブログ村


金融・投資(全般) ブログランキングへ


関連記事

コメント

今回の記事も非常に勉強になりました。キャッシュバックに吊られてマネオを開設しようかと思ってます〜次の更新を楽しみにしてます!

Re: タイトルなし

九州男児さん
こんにちは。
いつもコメントありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

> 今回の記事も非常に勉強になりました。キャッシュバックに吊られてマネオを開設しようかと思ってます〜次の更新を楽しみにしてます!

コメントの投稿

非公開コメント

このブログが本になりました!

2015年3月10日 ぱる出版より発売されました。 お得なKindle版も出ています。

広告


投資の達人になる投資講座

広告

Amazon人気商品

カテゴリ

月別アーカイブ

プロフィール

中田健介(けにごろう)

Author:中田健介(けにごろう)
IT系企業に勤務しています。
2010年からソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)での資産運用を開始しました。
自分の運用実績、各社のサービス内容比較、業界の最新トピックなどを毎週2回(水・土)発信しています。

■著書
2015年3月7日にぱる出版より著書「年利7%!今こそ「金利」で資産を殖やしなさい!~日本初!融資型クラウドファンディング投資の解説書」を発売しました。
是非よろしくお願いいたします。

■興味のあるもの
 ・投資(これまでに実施したことがあるのは、投資信託・国債・FX・株式などです。)

■ソーシャルレンディングについて
 maneo・AQUSHとも2010年から始めました。
 ソーシャルレンディングは将来性のあるビジネスモデルです。自分も微力ながらこのブログを通じて知名度の向上に努めたいと思っています。

FC2カウンター

メールフォーム

ご意見、ご感想、取材、セミナー講師依頼、執筆依頼などを受け付けております。
メールフォームからメールが送信できない場合、お手数ですが以下のメールアドレスまで送信ください。
kensukenakata1975@gmail.com

名前:
メール:
件名:
本文:

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
株式・投資・マネー
82位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
16位
アクセスランキングを見る>>

Twitter

Twitter始めました
@kennygorouのツイッタ
ブログの更新情報などをお知らせします。
是非フォローよろしくお願いします。

お知らせ

2015年8月にブログのテンプレートを変更しました。
変更に伴い、過去記事の表などが一部見えなくなってしまったため、過去記事を別サイトに移しました。(別サイトでは旧テンプレートで表示されます)
旧記事がうまく表示されないときは、お手数ですが下記のリンクよりご参照ください。
「けにごろうのはじめてのソーシャルレンディング日記」(旧)