クラウドクレジットの杉山社長にインタビューさせていただきました。
お忙しい中ありがとうございました。
■日時:
2016年9月8日
■内容:―現在の投資家数はユーザー登録数が約1600名。口座開設が約1200名。実際の出資者が830名ほど。
―前年度の業績はどうだったか現時点では赤字で、2018年中の単月黒字化を目指している。
―貸出総額10億円を越えたが、このペースについてはどう考えているか開業当初は投資家の期間の短い商品、担保付きの商品へのニーズが想定以上に強かったため組成する商品のタイプを変える必要があり、なかなか貸出額は伸びなかった。
―これまで貸倒率が金利を上回ったケースはあるのか、また、返済遅延が発生したことはあるか。これまで貸倒れが金利を上回り、元本割れとなったケースはない。
ファンドの分配の遅延が発生したのは、イタリア個人向けローン・ファンド2件のみ。
分配の遅延の理由としては、イタリア現地での個人向けローンの貸付の実行が現地のバカンスのタイミングと重なり借り手が現れず、貸付の実行が遅れてしまった分そのまま返済も後ずれしてしまっている。
その影響でファンドの収益率は若干予定を下回ると想定している。ただし、現時点では貸し倒れが原因での元本割れになるという状況ではない。
他のファンドはこれまで全て予定利回り通りの分配を行っている。
―為替の影響で元本割れとなったファンドはあったか今年の2月に募集したユーロ建ての「金融事業者支援ファンド1号」は来月償還予定だが、今の為替水準が続けば、ファンドの収支はマイナスになる見込み。
募集時は1ユーロ=124円ほどだったのが、現時点では115円ほどになっており、約7.25%の為替損失が出る。投資倍率が1.06倍のファンドなので、トータルではマイナス1.25%ほどの運用結果となる見込み。ただしこのファンドはパフォーマンスがマイナスの場合手数料の1.15%が控除されないため実際の損失は0.1%にも満たない。
為替ヘッジありのファンドで運用するよりも為替ヘッジなしのファンドで運用する方が為替ヘッジに関わるコストがかからない分、長期でみると期待リターンは高くなる確率が高いが、短期で見ると当然毎回満期ごとに為替益が出た、為替損が出た、ということになるので、業者としてはヘッジありなしどちらで運用するかを一度決めたら、それ(ヘッジありなしどちらで運用を行うか、選択した方針)を続けることが大事というメッセージをもっと発信しないといけないと感じている。
―今回預託金口座開設、最低投資金額引き下げを行った理由は以前からサービス向上のために実現したいと考えていたが、個人投資家の方のお金を預かるという事業の性質上、業務フローの変更を慎重に行いこの時期のローンチとなった。
これまでは新ファンドの組成の方に予算を重点的に投入し、今後はプラットフォームの改善に予算を重点的に投入する。
当初9月1日サービス開始予定とアナウンスしたが、一部のファンドについてスキームを当初想定したものから変更する必要があることがわかり、変更後のスキームの準備を現在行っている。
今のところ、10月~11月のサービス開始を目指している。
―システムや運営面では他にどのような改善を行っているかサイトの見た目はあまり変わっていないが、裏では顧客管理、計数管理などの機能の改良を行っている。まず顧客数が3000~5000人規模でも対応できるようにし、現在は顧客数が数万人になっても対応できるように改善を図っている。
また、以前は一部手入力だった分配金の振込もデータを読み込ませる方法に変更した。。
―次々新ファンドを立ち上げているが、商品設計・提携先の検討・運営などは大変だと思う。同じ商品を定期的に募集する方が簡単ではないのか?当社の投資家は、過半がオンライン証券などでの資産運用を5年以上経験している方で、分散投資や積立投資を徹底している人が多い。
現在投資家1人当たりの投資額の平均は120万円ほどだが、長く投資をしている人ほど投資額を徐々に高くしている傾向が明らかである。
投資家が分散投資を徹底するため、当社のプラットフォーム上でも分散投資を行えるだけの投資対象を提供していく必要があると考えている。
開業当初は新種のファンドを組成するのは大変だったが、プロセスの初期にチェックすべきポイントや毎回ボトルネックとなる部分に関するナレッジが社内に蓄積し、組成プロセスも標準化した。組成の実現可否も早めに判断できるようになり、案件組成のスピードが上がった。昨年末に新規商品を次々と出せる体制ができた。
今年の前半は1か月に1つのペースで新種のファンドを出してきた。今年中にあと3、4つは投入したい。
カメルーンファンドでは、高金利、短期間、担保あり、といった投資家からの要望を実現したが、当然3つとも揃った商品を作るのは難しい。
また、ファンドの数が増えてくると顧客にとってどのファンドを選んでよいかわかりにくくなってくると思うので、レコメンド機能も将来的には提供したいと考えている。
当社プラットフォームで提供するファンドの種類数を具体的にこれくらいにするというアプローチではなく、今後も魅力的な投資対象があれば提供するというスタンス。
―これまで募集したファンドは、1回だけのものなのか。あるいは今後もまた募集するのか。これまで募集したファンドは今後も引き続き募集する予定。
ただ、ルーブル建てのファンドは為替の変動が大きく、今後の販売計画を社内でディスカッション中。
(次回に続く)








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