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ソーシャルレンディング事業者の評価を掲載します

日経ヴェリタス 2016年9月18日~24日(第445号)で、ソーシャルレンディングの特集記事「私から企業へネットで「融資」」が掲載されています。


前回日経ヴェリタスでソーシャルレンディングが特集されたのは2014年の7月でしたが、その時は貸付型だけでなく、ファンド型、株式型、購入型などクラウドファンディング全般を扱っていました。
今回は貸付型(ソーシャルレンディング)だけを扱っており、見開き2ページにわたり特集されています。

内容としては、ソーシャルレンディングの基本的な仕組みの説明に始まり、新規融資総額は年々伸びていること、ソーシャルレンディング投資を行う上でのリスクや注意点などが説明されています。

また、事業者についてはmaneo、SBIソーシャルレンディング、クラウドバンク、オーナーズブック、クラウドリース、LCレンディング、クラウドクレジットと幅広く紹介されており、各社の特徴もわかりやすく説明されています。

実は私もインタビューを受けており、「各事業者に対する要望」としてその内容が掲載されています。

さらに、「オーナーズブックが人工知能(AI)を使ったオフィスビルの価値を自動査定システムを開発した」「アメリカではレンディングクラブの不正をきっかけに、ソーシャルレンディングの規制が強化される可能性がある」といった、私も初めて知る内容もあり、大変読み応えのある記事です。


*****************
これまで当ブログでは各ソーシャルレンディング事業者を様々な切り口で紹介してきました。
キャッチフレーズを付けてみたり、業界地図などの形式でも紹介しました。

ただ、これまで各事業者を直接評価したりランキングしたりすることはしませんでした。
各事業者のサービスの内容や特徴は少しずつ異なるため、共通する客観的な基準で評価することは難しいと考えていたためです。

しかし、今やサービス事業者が10社を越え、特にこれからソーシャルレンディングを始めようと考えている方にとって、すべての事業者の情報や実績を調べて比較検討するのはかなり大変だろうと思います。
そうした方にとって、例え一ブロガ―による主観的なものであっても、何らかの評価があれば投資先選定の際に参考になるのではないかと考えるようになりました。

そこで、各サービス事業者を自分なりに評価し、その結果を掲載することにしました。

評価項目としては、いろいろ考えた結果、以下の6項目としました。
あくまで投資家にとっての観点からの評価項目として挙げたものです。

<ソーシャルレンディング事業者評価項目>

1.利回り
 利回りの高い方が高評価とする。

2.ファンドの安全性
 ファンドの安全性を以下の2つの基準で評価する。
 ・過去に募集したファンドにおいてどれだけ貸倒れや返済遅延が発生しているか。
 ・担保や保証はあるか。

3.サービス事業者自体の安全性
 サービス事業者自体が破綻する危険性はどれほどあるかを以下の4つの基準で評価する。
 ・金融取引事業者の種別(第1種の方が第2種よりも当局の監視が厳しいため、高評価とする。)
 ・資本金
 ・営業利益(2015年度)
 ・親会社の有無(親会社が上場企業である事業者は高評価とした)

4.運営力
 サービス運営がどれだけ堅実に行われているかを以下の2つの基準で評価する。
 ・システム(サイトがわかりやすいか、不具合等がないか)
 ・オペレーション(ミスや遅延がないか、要望・問い合わせに対する回答は適切・迅速か)
 
5.透明性
 情報がどれだけ開示されているかを以下の2つの基準で評価する。
 ・ファンド情報や運営会社の情報(決算書など)が開示されているか
 ・投資先が識別可能か(ファンド情報に「A社」「B社」などの記載があるか。細かい点のようですが、個人的には重要な点と考えています。)

6.実績
 これまでどれだけの貸出実績があるかを以下の基準で評価する。
 ・サービス開始以来の貸出総額

なお、各評価項目・評価結果はあくまで私個人の主観によるものです。
あくまで参考とお考えください。

また、評価対象は2015年以前にサービス開始した11社のみです。
サービス開始から数カ月しかたっていない業者はまだ評価できないためです。

また、総合評価やランキングは記載しません。
例えば「利回り」と「ファンドの安全性」のどちらを重視するかは各投資家のスタンスによって異なるため、総合評価を出すことはあまり意味がないと考えたためです。

各評価基準の詳細については、以下の表の通りです。

評価項目評価基準
   
利回り
 利回りA:利回り上限10%以上
B:利回り上限6%以上
C:利回り上限6%未満
ファンドの安全性
 貸倒・返済遅延発生率A:貸倒・返済遅延とも0%
B:貸倒1%未満、返済遅延発生。
C:貸倒率1%以上
 担保・保証の有無A:全ファンド担保・保証あり
B:ファンドによる
C:担保・保証なし
サービス事業者自体の安全性
 金融取引事業者の種別(第1種、第2種)A:第1種
B:第2種
C:その他
 資本金A:1億円以上
B:1000万円以上
C:1000万円未満
 営業利益(2015年度)A:1億円以上
B:黒字
C:赤字もしくは未公開
 親会社A:親会社が上場企業
B:親会社あり
C:親会社なし
運営力
 システム(わかりやすいか、不具合等がないか)A:わかりやすく不具合などがない
B:わかりにくいか、かつて不具合があった。
C:解消されていない不具合が存在する。
 オペレーション(ミスや遅延がないか、要望・問い合わせに対する回答は適切・迅速か)A:問題なし
B:何らかの問題あり
C:重大な問題あり
透明性
 ファンド情報や運営会社の情報が開示されているかA:ファンド情報詳細、運営会社決算書が公開されている
B:ファンド情報詳細が公開されている
C:ファンド情報詳細が未公開
 投資先が識別可能かA:識別可能
B:識別不可
C:-
実績
 サービス開始以来の貸出総額A:50億円以上
B:10億円以上
C:10億円未満



この評価基準に沿って、次回より各事業者の評価を掲載していきたいと思います。

次回は「ソーシャルレンディング事業者評価(2016年版)「maneo」「SBIソーシャルレンディング」 」の予定です。


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中田健介(けにごろう)

Author:中田健介(けにごろう)
IT系企業に勤務しています。
2010年からソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)での資産運用を開始しました。
自分の運用実績、各社のサービス内容比較、業界の最新トピックなどを毎週2回(水・土)発信しています。

■著書
2015年3月7日にぱる出版より著書「年利7%!今こそ「金利」で資産を殖やしなさい!~日本初!融資型クラウドファンディング投資の解説書」を発売しました。
是非よろしくお願いいたします。

■興味のあるもの
 ・投資(これまでに実施したことがあるのは、投資信託・国債・FX・株式などです。)

■ソーシャルレンディングについて
 maneo・AQUSHとも2010年から始めました。
 ソーシャルレンディングは将来性のあるビジネスモデルです。自分も微力ながらこのブログを通じて知名度の向上に努めたいと思っています。

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