「みんなのクレジット」代表者インタビュー(1)
- 2016/07/16
- 05:00

なお、以前書面にてインタビューさせていただいた際の回答は以下の通りです。
↓
「みんなのクレジット」代表者インタビュー
■インタビュー実施日
2016年7月12日
■インタビュー内容
―「みんなのクレジット」サービス開始の経緯は?
私は、大学生の時にブライダルを手掛けるシーマというベンチャーを初めて立ち上げたが、その際、資金調達に苦労した。事業が伸び、新規出店したくても、その資金もなかなか調達できず、自己資金で賄うしかなかった。
その後、2000年代になってベンチャーキャピタルやクラウドファンディングなどが出てきて、起業家にとっては恵まれた状況にはなっている。ただ、一般の中小企業や商店などにとっては、相変わらず資金調達は厳しい状況である。また、個人でも、生活に困っているいわゆる社会的弱者というような人たちもいる。
そうした中、社会に貢献できる、次世代に残せるような会社を作りたいという思いでみんなのクレジットを開始した。
現状では不動産業や宅建業を中心に融資しているが、ゆくゆくはアメリカのような個人向け融資もやりたい。現状では、個人が教育資金などを借りるのは難しい。
私はいままでいくつかの企業を立ち上げてきたが、今回はその集大成と位置付けている。
―白石氏は様々な企業を立ち上げているが、金融業や貸金業の経験はあるのか。
ゼロからアイペットという保険会社を立ち上げたことはあり、保険業についてはかなり詳しい。
また、企業再生も手掛けたことがあり、その際に、会社として貸金業の免許をとって資金を融資したことはある。3年ほど実績はある。
―現在、借り手となる事業会社はどのように募集しているのか。
現在、借り手は積極的に募集はしていない。ベンチャー時代からのコネクションに頼っている。
ただ、8月からは広告を出し、積極的に借り手を募集する予定。
―貸出の審査はどのような体制で行っているのか。
審査は、商工ローンでの審査経験者や、銀行での融資経験者が担当している。現在審査部には4人ほどメンバーがいる。
私自身は審査には関わっていない。
―有価証券や債権を担保とすることが多いようだが、具体的にはどういったものを担保としているのか。
有価証券としては、上場株式や、借り手企業自身の未上場株式を担保としている。国債を担保とすることもある。
担保価値に対して、5割や6割の資金を貸している。
他サービスでは不動産担保を取るケースが多いようだが、不動産担保ではタイムラグが生じることもあり、有価証券を担保とする方が早いこともある。
当社でも不動産担保を取ることもあるが、抵当設定まではせず、仮登記設定を行うことが多い。
―動産担保ローンも手掛けるとのことだが、動産担保というのはどういうものか。
まだ動産担保ローンの実績はないが、来月あたり募集する予定。
動産担保とは、例えば車、絵画、宝石、商品在庫、穀物、家畜など。
今後は、農家、漁業、畜産業なども含めて、日本全国の様々な業種に対してサービスを広げていきたいと考えている。
金融商品取引業者第二種の申請をとるときに、動産担保を取り扱うと記載したので、認可が下りるのに時間がかかった。
動産担保は、法律上原則としてモノを占有する必要があるが、対象が保管されている倉庫などの住所を特定することで、占有しなくても担保設定できる。
今後、地方銀行の淘汰やTPPなどの影響もあり、地方の産業はますます厳しくなるだろう。
だが、アイデアのある第1次産業は生き残っていくと思う。当社としてはそれを資金やノウハウの面で支援したい。
―キャッシュバックキャンペーンを次々と行っているが、その狙いは何か。
もともとはキャッシュバックを行う予定はなかった。
現在は、サービス各社の高金利合戦のようになっており、投資家を集めるには目立った金利のファンドを出す必要がある。しかし新規サービス事業者が金利だけで戦おうとしても限界がある。
当初は販促費をかけてネット広告を出したりもしたが、口座開設はしても、最初は様子見であまり投資してくれない投資家が多かった。
そのため、広告に何百万もお金をかけるよりも、すでに投資している人に対してキャッシュバックで優遇したほうが効果的ではないかと考えた。
ただ、いつまでもキャンペーンを行うつもりはない。せいぜい1年間くらいと考えている。
キャンペーンの効果で、投資金額を増やしてくれる方が出てきた。
一方で、あまり高額のキャッシュバックを行うと、逆に怪しまれることもあるので、やりすぎもよくないと考えている。
―現在の投資家数は。
登録数で5000人弱。
アクティブな投資家は7~800人程度。
現在は投資家数をサイト上で公開していないが、いずれ50000人を超えたら公開しようと考えている。
―現在の社員数は
14人
―案件により利回り3%~11%と非常に差が激しいのはなぜか。
ソーシャルレンディングサービスは、投資家の代理人と考えている。
例えば3%といった低金利の借り手はかなり信用度の高い会社であり、こちらから頭を下げて借りてもらう感じになる。
一方で8%~11%といった借り手は、都市銀行からは借りることは難しく、ノンバンクなどに担保を差し出して借りるような企業である。
―8月1日に予定しているホームページのリニューアルはどういったものか
当初、システムを外注して作ったため、使いにくい面もあった。
8月にはマイページをリニューアルし、投資実績なども見やすくする。
投資履歴機能には一部不具合があったため、現在は使用不可になっているが、8月1日には復旧する予定。
―現在の表記だと投資家から見て借り手が識別できないのだが、識別できるようにする予定はあるか。
8月から貸出先のレーティングの仕組みを導入する予定。
各貸出先について、過去の借り入れの履歴や返済実績などを元に評価をつけ、表示する。ヤフオクの出品者の評価のようなイメージ。
これで識別もできるようになる。
次回は「「みんなのクレジット」代表者インタビュー(2)」の予定です。


