maneo、LCレンディング・ガイアファンディング3社合同投資家セミナーレポート
- 2016/02/20
- 05:00
その様子をレポートします。
■開催日
2016年1月25日
■会場
東京国際フォーラム G505
参加者は30名ほどで、会場はほぼ満席でした。
ガイアファンディングの関係者か、外国人の参加者も数名いました。
■説明内容
(印象に残った部分のみ記載します)
●maneo 代表取締役 瀧本 憲治氏
・maneoは貸出累計額400億円を越えた。
私は、maneoの親会社であるUBI株式会社に11年前に入社した。
UBIは不動産関連の投資会社である。
そこで企業再生や不動産の競売物件を安く買って高く売る、といった業務を手掛けた。
当時は不動産の価格が上がっていた。
また、そのうち任意売却も手掛けるようになった。
そこから、企業から不動産を購入し、いずれ売り戻すというビジネスを始めた。
貸金業を手掛けたかったが、貸金業登録をすると銀行がお金を貸してくれなくなる。金融の卸しはできない、という理屈。
そこで、UBIファイナンスという別会社を作り、貸金業登録をした。
資金が不足したので、お金を借りるための方法を探していたところ、maneoと出会った。
・maneoは、2007年に妹尾さんが設立した。
システム開発や金融庁との調整に1年ほどかかった。
当初は、PtoPマッチング(個人向けの貸出)を手掛けた。海外ではZopa,LendingClubなどがすでに始まっていた。
3億円をベンチャーキャピタルから借りてスタートした。
しかし、30万・50万といったお金を借りて、そのまま返さない人が多かった。
経営が苦しくなり、飲食のフランチャイズチェーンに株を売却した。
そのチェーンは、フランチャイズの加盟店に対してお金を貸すためにmaneoを活用しようとしていた。
そのため、多少maneoが赤字でも黙認していた。
しかし、2011年に東日本大震災が起き、停電などの影響でその飲食店チェーンの経営も余裕がなくなってきた。
そのため、maneoの株式を売却したがっていたところ、UBIで購入した。ほとんど即決で買った。
・なぜmaneoの借り手は銀行から借りないのか、という質問を良く受けるが、銀行は、中小企業にはあまり貸さない。
または、貸しても審査に時間がかかる。maneoは審査が早い。
銀行は、バブルやリーマンショックの時の反動から、不動産の開発案件や転売のための資金は貸さない。
maneoでは、借り手が返せなくなって、担保である不動産競売に至ったケースは今のところない。
ガイアファンディングでは、投資案件ごとにLCC(有限会社)を作っている。
そのため、不動産開発業者には遡及しない。
・maneoでは、ラーメン屋に対して無担保で貸したこともあった。
4店舗のチェーンで、新規出店の資金を借りたがっていた。
貸すにあたっては、maneoで日々の売り上げの入金口座を押さえた。
このチェーンは、過去14店舗のチェーンだったが、資金繰りが悪化し、そのうち10店舗は売却した。
その際、銀行への返済もリスケした経緯があったため、銀行からは借りられなかった。
・借り手をどうやって見つけるのか、については、コンサルタントから紹介してもらっている。
また、不動産業を中心に営業も行っている。
・募集したお金が集まらなかったらどうなるのか、については、今まではとりあえず不足したお金はUBIが貸していた。
今後はmaneoが増資して、自己資金で貸せるようにしたい。
不動産開発案件で、20億円の融資の相談を受けることがあるが、現状では、20億円の資金を集める力はない。
・maneoは、UBIグループから独立する予定。
maneoマーケットを親会社とし、maneoとUBIファイナンスを子会社とする構想。
●LCレンディング 代表取締役 山中 健司氏
・LCレンディングは、基本的な仕組みはmaneoと同じ。
上場会社であるロジコムの100%子会社で、2015年7月にスタートした。
投資対象はショッピングモールなど、商業施設が中心。
・ロジコムは、東京の東大和市に本社がある。
不動産を借りて転貸する、サブリースを手掛けている。
200物件以上、800テナント以上を手掛けている。
空床率は1.6%と非常に低い水準で、施設運営のノウハウは非常に高い。
ただし、安定しているが、大幅な成長は見込めない、と見られている。
今は、商業施設を新たに作るのは難しくなっている。
土地、建設費とも高くなっている。
ロジコムでは総額250億円の不動産を保有している。
都心だけでなく、地方の物件もあえて保有している。
生活密着型で、地域の一番店と言われるところを取得する。立地が重要になる。
・不動産に投資するという点ではJ-REITと同じだが、LCレンディングには流動性や価格変動がないところが違う点である。
また、毎月配当があるという点も異なる。
物件規模については、REITの方が大きい。
・ロジコムは銀行からも借りている。ただし、銀行は例えば10億の物件に対して6億程度しか貸してくれない。これをシニアローンとする。それで不足する分をLCレンディングでメザニンローンとして借りる。さらに、エクイティでハイリスク・ハイリターンの資金を調達する。
LCレンディングでは、5~6%の金利でお金を集め、8%程度で貸している。
・現状では、案件はすべてロジコム関連である。ロジコム子会社や、ロジコムが管理を請け負っている会社もある。
・(担保不動産の価格が下落した場合はどうなるのか、という質問に対して)
例えば、北海道の留萌のショッピングセンターを買う予定がある。留萌には、スーパーはそこしかなく、手堅い。こうした目利きが重要である。
・ロジコムの株主に対して、LCレンディングでの利回りの1%キャッシュバックを提供している。
・1つの案件を複数回に分けて募集しているのは、並行してノンバンクなどからも資金を集めているため。そこの募集状況によって、2次募集を実施するかどうか決める。
・(借入期間は、1年ほどの案件が中心だが、それでは短いのでは、という質問に対して)
物件を100億円ほどの単位でまとめてREITで売却することを考えている。その時点で返済することになる。
●ガイアファンディング 代表取締役 眞鍋 丈司氏
・昨年10月にサービスを開始してから、約3ヶ月で5億円を集めた。
私は米国で以前より不動産投資を手掛けている。
もう一人の代表取締役であるケルビン・チウと2人でガイアファンディングを立ち上げた。
・アメリカ不動産開発は、古い物件を直すことで地域のコミュニティへ貢献できると同時に、投資家も利益を得られるという魅力がある。
アメリカには成熟した巨大な中古不動産市場がある。
日本の不動産市場は、新築が8割で中古は2割程度。アメリカでは、8割近くは中古。
また、日本では不動産の価値は、土地の価値が7割ほどで、建物の価値が3割程度。
アメリカでは逆で、建物の価値が7割ほど。そのため、修繕すれば価値を大きく高められる。
・アメリカの不動産市場は非常に透明性が高く、不動産の価格や売買記録、周辺の地価などををネットで簡単に調べられる。
また、アメリカは先進国の中では例外的に人口が増加しており、今後50年ほどは増える予測がある。
20代から30代の人口が多く、移民も受け入れている。
州や市によって不動産の立地や規制が大きく異なるという点には注意が必要。
・不動産開発のリスクとしては、
予定通り改築が終わらない、
想定外の法規制がある
業者による水増し請求
などがある。
これらのリスクに一つ一つ対策を立てている。
まず、開発業者にも自己資金で一部投資をしてもらうようにしている。これにより、業者のインセンティブを高め、工事の遅れなどを起こさせないようにする。
また、良く知っているマーケットに特化する。
貸倒れのリスクを抑えるため、例えば1億円の物件に対しては6000万~7000万円程度の融資しかしない。
作業工程を都度評価して、都度支払いを行うようにする。
・改築した不動産を売却する際には、リアルターオープンハウスを行う。
これは、改築した家でパーティを開き、地域の不動産業者に広く公開するというもの。これにより、早く売ることができる。
・手掛ける物件の紹介
サンフランシスコ・シリコンバレーは、グーグル・フェイスブックなどの大企業が集まる。
住宅は2億円~3億円ほどもする。高い建物が建てられないという規制があり、また所得水準が高いため。
サブプライムショックの際は、アメリカ全体で不動産の価値が40~50%も下落した。
しかし、サンフランシスコでは15%ほどしか落ちなかった。
・3世帯住宅を手がけた。2.3憶円で購入し、0.7憶円かけて改築したものを、4.7億円で販売した。
・世界の裕福な人の多い都市ランキングで、東京は2位に入っている。
しかし、日本の投資利回りは低いので、もったいない。
海外の高リターン投資を行うことで、世界経済の活性化にもつながる。
アメリカでは、投資の規制があり、不動産担保ローンには、資産100万ドル以上の資産家しか投資できない。
また、アメリカ人はキャッシュをあまり持っていない。
・ガイアファンディングでは、当局の開発許可が出てからお金を募集する。
次回は、「maneo運用状況(2016年1~2月)」の予定です。



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