クラウドバンクインタビュー(1)
- 2016/02/03
- 05:00
昨年の業務停止処分・返済期間延長の内情や、今後の展望などについて伺いました。
■インタビューさせていただいた方々
代表取締役社長 大前 和徳氏 (写真右)
取締役 藤田 雄一郎氏 (写真左)

■インタビュー日時
2016年1月15日
―2015年7月に業務停止処分に至った経緯について改めて教えていただきたい。
弊社は証券会社であり、クラウドバンクのお客様にも証券口座を作っていただき、その預り金を証券システムで管理してきました。
お客様の口座情報を証券システムにて管理するために、クラウドバンクのお客様の口座情報(口座への入出金データ等)を都度証券システムに反映する必要があり、クラウドバンクのWEB画面から投資申請・入金申請などがあると、証券システムにマニュアルでデータをインポートしていた時期がありました。そのため残高がリアルタイムに反映されていませんでした。また、証券システムはバッチシステムのため19時までに入力を完了する必要がありましたが、クラウドバンクが好評をいただき、取引量が伸びたことなどなどの諸要因によって、データのインポート処理が追いつかない状況があり、預り金の正しい把握が証券システムにおいてなされていないという結果となっていました。
さらに、取引残高報告書は、この証券システムのデータを元に四半期に一度お客様宛に郵送されていましたが、この取引残高報告書の金額は証券システムのデータを元に作成されるため、入力が間に合っていない情報を元にお客様宛に取引残高報告書が郵送されていました。
例えば、お客様がクラウドバンクに3月末日に資金を100万円入金した場合、マイページ上の表示では100万円が反映されます。しかし、証券システムへの反映が当日中にできていなかった場合、3月末日時点の取引残高報告書上の預り金残高にはその100万円が反映されないことになります。
取引残高報告書は法定帳簿として重要性は極めて高いことから、その数字に誤りがあることは問題でした。
「クラウドバンクは業務がどんどん拡大しているが、このようなシステムのまま拡大するのではなく、いったんサービスを停止し、足元を固めるべき」との判断により、このたびの厳しい行政処分がくだされたと認識しています。
―処分を受けて、システム面ではどのような対応を行ったのか
まず、証券システムとクラウドバンクシステムは完全に分離しました。これにより証券システムへのデータの反映は不要となりました。
また、取引残高報告書はクラウドバンクシステムのマイページからユーザーがダウンロードできるようにしました。

クラウドバンクシステムも全面的に作り直しました。業務停止前と後では全く違うものになっています。
技術的には、以前のシステムはJavaで作られていましたが、新システムはPHPで構築しました。
クラウドバンクシステム内でも、人手による部分を極力なくし、可能な限り自動化しました。投資申請、分配金の反映も自動化しました。
また、以下の機能を追加しています。
・ お客様ごとに入金口座を割り当てることで入金申請を不要にし、入金反映を自動化
・ 画面遷移なしで投資・出金が可能
・ スマホへの対応
・ 取引の明細・履歴が閲覧可能
・ レポートページの改修
・ 月次の数値サマリの表示
・ ファンドごとのパフォーマンスの表示
・ ファンド一覧のソート機能
システム改修にあたり、システム部門も強化し、今後も改修を継続します。
―体制の面ではどのような変更を行ったのか
体制についても全面的に再構築しました。
まず取締役を私以外すべて入れ替え、実務に精通する役職者を登用し、メンバーが主体的に責任を持って業務に取り組む体制にしました。
また、コンプライアンス、システム、体制、融資の審査などについて第三者の視点も交えて多面的にチェックするため、実務経験豊富な社外取締役、監査役に参画してもらいました。
体制の変更は、金融機関としてのガバナンスの強化が狙いです。
また、社員数も増やし、各業務が個人に依存せず組織的に運営できる体制にしました。
現在の社員数は約20名です。
(続く)



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