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証券取引等監視委員会が、日本クラウド証券への行政処分を行うよう勧告しました

証券取引等監視委員会が、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、日本クラウド証券への行政処分を行うよう勧告しました。

勧告の詳細↓
http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2015/2015/20150626-3.htm

証券取引等監視委員会が指摘しているのは、以下の2点です。

(1)分別管理を適切に行っていない状況
顧客預り金残高を正確に把握できておらず、適切な分別管理ができていない状況を継続させていた。
業務システムへの入力作業の遅延等に係る補正を完了させていないほか、顧客の出資金を匿名組合の営業者名義の銀行口座に送金するまでの間、当社銀行口座に滞留させている状況にあるにもかかわらず、顧客預り金として管理すべき金額に含めていない。

(2)顧客に対し必要な情報を適切に通知していないと認められる状況
取引量の増加等に伴い業務システムへの取引内容の入力遅延が発生したことにより、金銭の受渡しに係る事項を正確に記載していない取引残高報告書を交付しており、受渡状況等につき不適切な情報を顧客に通知している。

2項目ありますが、いずれも「業務システムへの入力作業の遅延」という言葉が入っており、これが原因と考えて良さそうです。
指摘内容をみる限り、少なくとも顧客資産を別の用途に流用したり、損失を隠したりといった意図的なものではないようです。

この勧告を受けて実際にどのような行政処分が下されるのかは分かりませんが、過去に金融庁が行った行政処分の事例を見てみました。↓
http://www.fsa.go.jp/status/s_jirei/kouhyou.html

比較的今回と近いと思われる事例としては、
 ・平成22年9月 外為どっとコム ←システム障害により業務改善命令および1ヶ月間の業務停止命令
 ・平成21年3月 楽天証券 ←システム障害により業務改善命令および1ヶ月間の業務停止命令
 ・平成21年3月 マネックス証券 ←システム障害により業務改善命令および1ヶ月間の業務停止命令
などがありました。

これを見ると、システム障害でも業務停止命令を受けている事例はかなりあります。
日本クラウド証券も、一定期間業務停止命令を受けることはあり得るのではないでしょうか。


日本クラウド証券は、指摘を厳粛に受け止め、必要な措置を講じるとのことです。
まず、一時的にクラウドバンクの新規口座開設の募集を停止するとアフィリエイト広告掲載サイト向け通知の中で明らかにしました。

<以下引用>
この度の勧告を受けまして、クラウドバンクは一時的に
新規口座開設の募集を停止するという判断をいたしました。

この度の勧告は、サービスの急激な成長に対して、内部管理体制の整備や
システム化が十分に進められていなかったことに起因いたします。

この期間を利用して、クラウドバンクを利用するお客様にとってより安心できる
内部管理体制と使いやすく満足度の高いシステム構築を進めて参ります。
<引用終わり>


今回の事態を受けて、改善がなされるまで新規投資を手控える投資家が当然増えるでしょう。
また、当面新規ファンドの募集も中止されるかも知れません。

個人的にはこれまでの分配金支払いなどに漏れやミスがなかったのか一番気になります。
しかし、WEB上で異動明細などから漏れがないか自分で確認するのは難しそうです。
異動明細には毎月借り手ごとに分配金の明細が表示されますが、ファンドの借り手の数が何社なのかそもそも非公開なので、漏れがあるのかないのかよくわからないのです。

以前の記事「クラウドバンクのシステムが改善されました」でも書きましたが、大前社長や社員の皆さんも以前からシステムおよび運用に改善が必要だという認識を持っていたことは間違いありません。
ただ、実際の対応が後手に回ってしまい、今回の事態に至ってしまったようです。

日本クラウド証券は、「横浜市との提携」「株式型クラウドファンディングへの一番乗り」など、積極的な攻めの経営姿勢が特徴です。
今回の事態は、その一方足元固めが追いつかなかったためのいわゆる「勇み足」ととらえて良いのか、あるいはもっと根本的で重大な問題を含んでいるのかは、今後の同社の対応を注視して判断する必要があるでしょう。

他社もこの件を他山の石として、同様の事態を引き起こさないように確実なサービス運営をしてほしいと思います。
もし同様の事態が他社でも発生した場合、融資型クラウドファンディング業界全体のイメージが悪くなり、投資家離れを招く可能性が高いでしょう。


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(2015/03/10)
中田健介

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<2015/7/4追記>
関東財務局による行政処分の内容がすでに公開されていました。

https://www.crowdbank.jp/news/2015062702.html

<以下引用>
今回の処分を受けまして、クラウドバンクの新規口座開設の勧誘及び新規ファンドの募集(現在募集中のものは除く)については2015年7月3日より2015年10月9日まで、グリーンシートの新規口座開設及び売買の勧誘については2015年8月10日より2015年10月9日までの間、一旦停止いたします。

尚、この度の処分は「金融商品取引業務」に係るものであり、「貸金業」に関わるものではございません。そのため、現在運用中のファンドに関しましては引き続き今まで通りに利息や元本の授受を行ってまいりますので、お客様が現在ご出資いただいているファンドの運用への影響はございません。現在募集中または運用準備中のファンドの運用につきましても、今まで通りの運用を予定しておりますので、どうぞご安心ください。
<引用終わり>


クラウドバンクについて、新規ファンドの募集を3ヶ月間停止するとの処分です。

3カ月間でしっかりシステム・運用面の改善を果たしてほしいと思います。





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Author:中田健介(けにごろう)
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2010年からソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)での資産運用を開始しました。
自分の運用実績、各社のサービス内容比較、業界の最新トピックなどを毎週2回(水・土)発信しています。

■著書
2015年3月7日にぱる出版より著書「年利7%!今こそ「金利」で資産を殖やしなさい!~日本初!融資型クラウドファンディング投資の解説書」を発売しました。
是非よろしくお願いいたします。

■興味のあるもの
 ・投資(これまでに実施したことがあるのは、投資信託・国債・FX・株式などです。)

■ソーシャルレンディングについて
 maneo・AQUSHとも2010年から始めました。
 ソーシャルレンディングは将来性のあるビジネスモデルです。自分も微力ながらこのブログを通じて知名度の向上に努めたいと思っています。

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