(書評)「次世代ファイナンス クラウドファンディングで世界を変えよう!」
- 2015/02/14
- 04:00
![]() | 次世代ファイナンス クラウドファンディングで世界を変えよう! (2014/08/21) 佐々木敦也 商品詳細を見る |
著者の佐々木敦也氏は、住友信託銀行などで資産運用業務に携わってきた経歴を持ち、現在は独立して起業支援・金融コンサルティングなどを行っている方です。
また、自ら「筑波フューチャーファンディング」という、筑波大学関連の起業を支援するクラウドファンディングを運営されています。
本書では、まず第1章でクラウドファンディング以前の従来の資金調達の方法について整理しています。
従来の資金調達とは、社債・株式・政府系金融機関からの借り入れ・助成金などです。
第2章ではクラウドファンディングを5つの類型(寄付型・購入型・貸付型・ファンド投資型・株式投資型)に分け、それぞれについてリターンやリスク・特徴などをまとめています。
第3章ではアメリカのクラウドファンディング・第4章では日本のクラウドファンディングについて様々な事業者と具体的なファンドの事例を紹介しています。
日本のクラウドファンディングとして紹介されているのは、キャンプファイヤーなど購入型の事例がほとんどです。
ただ、maneoの瀧本社長に対するインタビューが8ページに渡って収録されており、その部分については融資型クラウドファンディングの投資家としても参考になるかと思います。
第5章以降では、クラウドファンディングの今後の課題や将来的な展望について広い視点で論じています。
全体として、5つの類型のそれぞれについてバランス良く取り上げられており、また、資金調達者・事業者・資金提供者それぞれの視点からのメリットや課題についても説明されています。
著者自身がクラウドファンディングを手掛けており、また多くの事業者への取材もしているため、内容もしっかりしたものです。
現在のクラウドファンディングの全体感をつかみたいという方には最適だと思います。
