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クラウドクレジット新興国投資入門講座に参加しました

株式会社クラウドクレジットの新興国投資入門講座に参加しました。
内容をレポートします。

<日時>
 2014/7/26(土) 14:00~16:00

<会場>
 有楽町イトシア12階 クラウドクレジット社セミナールーム
 参加者は私を含めて5名でした。

<講師>
 クラウドクレジット 代表取締役社長  杉山智行氏

<内容>
 説明の中で印象に残った部分を中心に記載します。

■ペルー出張報告記
・ペルーの人口は約3000万人
 首都リマの人口は約1000万人
 リマの中心部はビジネス街で、外銀などがある。治安もよい。
 周辺部は旧市街やスラム街で、あまり発展していない。治安もよくない。
 地方は農業などが中心で、内陸部にはジャングルが広がる。  

・ペルーは隣のブラジルに比べても道路・鉄道などインフラが整っていない。
 車社会でタクシー利用の比率が高い。

・ペルーへ進出した理由
 金融の法整備がしっかりしており、ある雑誌のランキングでは一位。
 賄賂なども少ない。
 信用情報は一元化されており、ある意味では日本よりも進んでいる。
 資源国で、資本ストックも多い。
 財政が安定している。国債格付けA-。
 外資を誘致しており、変な規制がない。

■ペルー・タクシー事業者支援プロジェクトについて
8月上旬に募集開始予定
 募集条件は以下を予定している。
  投資利回り:7%
  期間:4年間
  元利均等返済
  募集金額2000万円
  為替リスクは投資家が負う


・ペルーでは、銀行から借り入れができる人は23%しかいない。
 このプロジェクトでは、銀行から借り入れができない層をターゲットとする。
 (中間層より少し下の層)

貸付対象は、タクシー自営業者
 一般的な月次収益は4万円~15万円程度

借り手への貸出金利は30%程度
 (一般的な銀行貸出金利と同水準)
 収入に対する返済額の割合は30%程度で、債務負担はかなりきつくなる。
 ローン期間は4~5年
 1人あたり貸付額は50万円~100万円程度

・現地の子会社へ貸付を行う。

審査・貸付・債権管理は現地の金融機関「EDPYME Accesso Crediticio」に委託する。
 中堅金融機関で、日本で言うと地銀くらいのポジション。
 利益率は非常に高い(ROE50%台)。
 また、不良債権比率は5%程度と低く、健全性が高い。
 「EDPYME Accesso Crediticio」社の手数料・保証料は7~8%程度

ローンで購入する車を担保にする。
 車にGPSチップを埋め込んで位置を把握する。
 資金の回収は、ガソリンスタンドで給油時に行う。
 (ガソリン代と合わせて徴収)

・為替リスクについて、ペルーの財政規律はしっかりしており、対ドルではブラジル・レアルなどよりも安定している。
 しかし、対円だと結構振れ幅は大きくなる。
 オペレーションが複雑になるため、為替ヘッジはしていない。
 ただし、返済方式を元利均等返済とすることで、為替リスクを分散する効果がある。
 過去の為替レートの動きからシミュレーションすると、為替が原因で収支がマイナスになる確率は10%以下

・サービス開始前に日経マネーで紹介されたこともあり、多くの引き合いを受けたため、早めにサービスを開始した。
 1号案件は、すぐに完売した。

今後は、ペルーだけでなく、メキシコ・コロンビア・ヨーロッパ・フィリピンなどにも投資先を広げていきたい。
 第1弾案件と同じ延滞債権の案件もまた募集したい。

・不良債権(貸し倒れ)比率は5%程度を見込んでいる。

・為替手数料は往復で2%程度

・クラウドクレジット社の徴収する手数料率は0.6%


■質疑応答
・なぜ投資期間が3年なのか
⇒数か月の短期間の貸出だと、貸し手の都合で急に借りられなくなって借り手が破たんすることがあり得る。
 当社は銀行の新たな姿を目指しているため、長期の貸出を行いたい。

・最低投資金額が50万円と大きい理由は
⇒投資家数が49人以下という制限があるため。
 現在2種免許の申請をしており、いずれ認可が下りる見こみ。
 認可が下りたら投資家数・最低投資金額の制約はなくなるので、小口化したい。

・ペルーの預金金利はどの程度か 
⇒外銀で3%~5%。マイクロ投資機関だと7%程度

・投資家は、投資する案件(匿名組合)ごとに毎回紙の契約書を記入・郵送する必要があるのか
現時点ではそういう仕組みになっている。
 いずれオンラインで契約できるようにしたい。 

・収益の税務上の扱いは
⇒収益は雑所得の扱いになる。

・現在の社員数は
⇒常勤社員数 6名+非常勤4名
 そのうち、ロイズTSB銀行出身が4名。
 Amazon出身社も数名いる。
 ロイズTSB銀行はイギリスのリテール中心の銀行であったが、日本から撤退してしまった。
 その後行員はそれぞれ別の会社に就職していたが、当時のメンバーを集めてクラウドクレジットを立ち上げた。

・投資家の資産は分別管理されるのか
⇒分別管理される

<感想>
・タクシー案件については、仕組みを丁寧に説明していただき、概ね理解できたと思います。
 仕組みとしてそれほど無理はないように思います。
 また、リスクを抑える工夫もされているようです。
 ただ、様々なコストが引かれた結果最終的な利回りが7%になってしまうというのはやや残念です。
 もし10%程度の利回りが期待できるような商品設計であれば是非投資したいと思うのですが。
 いずれコストについては削減され、より利回りの高い商品となるかも知れません。

・クラウドクレジット社については、銀行出身者が多数いるということで、ある程度信用できると思います。
 また、社長の杉山氏はペルー投資を手掛けるためにスペイン語を2年かけて勉強したそうで、真面目な方という印象でした。


↓当日の写真。左から、クラウドクレジット小関氏、ridebmx氏、クラウドクレジット杉山氏、けにごろう
クラウドクレジット写真小







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コメント

げにごろうさん
いつも楽しく読んでます。
クラウドの今回のケースは100万円を投資した場合受取金額は税抜きで14万円ほどです。
元利合計返済がみそです。
4年ですので一年で3.5万円税金をひかれてクラウドから年利で0.6%ひかれると約2.3-2.4%の投資です。これに為替リスクが入る。
最近のソフトバンクのサムライ債は1.7%、リスクを考えるとそれほどの魅力はないと判断しました。7%の利率は元本一括返済と元利合計の分割返済では実際の手取りは大きく変わります。
ソーシャルファイナンスはいろんな会社で行われてますが、実際の自分の取り分は良く考えないと会社によって大きく変わります。表面的な利率だけで飛びつくと期待通りにならないということです。
げにごろうさんには説明の必要はないのですが、感想を書きました。

kuroさん
こんにちは。
コメントありがとうございます。

確かに年利7%とはいえ、元利均等だと徐々に入ってくる金利も減っていきますね。
ただ、返ってきた元本をまた別の投資に振り向けることができるという利点もあるので、善し悪しです。

7%だとmaneoやクラウドバンクと同程度なので、為替リスクを冒してまで投資するかはやや難しいところですね。

kuroさんはソーシャルレンディングはどこで投資されていますか?

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Author:中田健介(けにごろう)
IT系企業に勤務しています。
2010年からソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)での資産運用を開始しました。
自分の運用実績、各社のサービス内容比較、業界の最新トピックなどを毎週2回(水・土)発信しています。

■著書
2015年3月7日にぱる出版より著書「年利7%!今こそ「金利」で資産を殖やしなさい!~日本初!融資型クラウドファンディング投資の解説書」を発売しました。
是非よろしくお願いいたします。

■興味のあるもの
 ・投資(これまでに実施したことがあるのは、投資信託・国債・FX・株式などです。)

■ソーシャルレンディングについて
 maneo・AQUSHとも2010年から始めました。
 ソーシャルレンディングは将来性のあるビジネスモデルです。自分も微力ながらこのブログを通じて知名度の向上に努めたいと思っています。

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