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ソーシャルレンディング4社の徹底比較(2014年版)(7)(不動産担保ローン編)

クラウドバンクが2014年から不動産担保ローンサービスを開始しました。
以前からサービスを手掛けているmaneo・AQUSH・SBIソーシャルレンディングも合わせて、各社の不動産担保ローンサービスの内容を比較してみたいと思います。

(表中の赤の箇所は昨年から変更のあった個所です。)

<各社不動産担保ローン比較(2014年1月時点)>   
  maneo(マネオ)AQUSH(アクシュ)SBIソーシャルレンディングクラウドバンク
  UBIfinance・エスクローファイナンス案件保証ローンファンドSBISL不動産担保ローン事業者ファンド不動産担保型ローンファンド 
貸し手関連金利(貸し手側)(年利)4.0%~7.0%
(過去案件実績)
2.5%
(手数料・保証料引き後)
3.0%~5.0%
(手数料引き後)
5.4%
(手数料引き後・変動の可能性あり)
投資額2万円~5万円~2000万円1万円~3万円~
(ローンによっては最低投資額がもっと大きいものもある)
手数料(貸し手側)なし貸し手から毎月貸出残高に応じた手数料を徴収(年利1.5%相当額)
また、保証会社へ保証料を支払(1.5%相当額)
貸付金残高の2.5%(年利)貸し手から毎月貸出残高に応じた営業者報酬を徴収(年利1.5%相当額)
投資してから実際に融資が実行されるまでの期間最大1カ月最大1カ月原則2週間最大2カ月
(借り手の希望金額総額が貸し手の投資金額よりも少ない場合はさらにかかる)(期限日前に満額となった場合は、募集期間中でも募集を終了させていただく場合があります )
その他個別の案件に投資。
常に案件が募集されているとは限らない。
複数の案件にファンドの形式で投資複数の案件にファンドの形式で投資複数の案件にファンドの形式で投資
借り手関連金利(借り手側)(年利)9%~12%程度5.5%5.5%~7.5%
(貸出金利3.0%~5.0%+手数料2.5%)
6.9%
(貸出金利5.4%+営業者報酬1.5%)
借入限度額未公開300万円~3億円当初7500万円未公開
最大10億円 
手数料(借り手側)未公開融資額2.1%(保証会社の事務手数料を含む)基本契約締結手数料:47万2500円未公開
使用用途不動産事業者向けの物件購入資金自由不動産担保ローン事業者向けに行う貸付事業不動産の取得・運営を行う事業者向け
担保・保証人不動産担保不動産担保不動産担保不動産担保
    
借入期間6ヶ月~10ヶ月程度3ヶ月〜36ヶ月一律14ヶ月6か月
返済方式元金一括返済バルーン返済(※1)元金一括返済元金一括返済
(金利は毎月返済)(金利は毎月返済)(分配金支払いは3ヶ月ごと )
期限前返済可能可能・手数料あり
(返済元金の1.0%)
可能・手数料なし可能
実績
(不動産担保ローンのみの実績)
年間ローン成立件数
(2013年)
40件未公開31件(2013年実績なし)
年間ローン成立金額
(2013年)
12億円1.2憶円9億円(2013年実績なし)
貸し倒れ率(サービス開始以来累計)(件数ベース)0%0%0%(2013年実績なし)
    
貸し倒れ率(サービス開始以来累計)(金額ベース)0%0%0%(2013年実績なし)
    
 サービス開始時期2011年5月2012年8月2012年9月2014年1月
(※1)バルーン返済とは、実際の返済期間(例えば36ヶ月)よりも長期の期間(例えば120ヶ月)を返済期間として想定し、かかる想定返済期間における元利均等払いの返済額を毎月返済するとともに、実際の返済期間の最終弁済回時点で残存する元金等を一括して支払う返済方法です。最終弁済回に残元金等を一括して返済するため、支払金額が最後に膨らむ形がバルーン(風船)に似ていることからバルーン返済と呼ばれます。バルーン返済によって、投資家は、安定的な分配金を受け取ることができ、借り手は、毎月の返済額を抑えることができるというメリットがございます。但し、最終弁済回に受け取る残元金の金額が大きくなりますのでご注意ください。(AQUSHサイト説明より)

 


上記の比較を踏まえると、
「投資家にとっては最も有利な不動産担保ローンサービスは、maneoとクラウドバンク」
であると言えそうです。

まず、気になる金利(貸し手側)から見てみます。
一番高いのは、
 ・maneo (4.0%~7.0%)(案件により異なる)と
 ・クラウドバンク(5.4%)

の2社です。
次はSBIが3.0~5.0%、もっとも低いのがAQUSHで2.5%です。

また、借入期間には各社でかなり違いがあります。
最も短いのは
 ・maneo 6ヶ月~10か月
 ・クラウドバンク 6か月

ですが、SBIは14ヶ月で、AQUSHは36ヶ月と比較的長期です。
一般的には借入期間が長いほどリスクは高まります。
この観点からしても最も期間の短いmaneoとクラウドバンクが有利です。

返済方式について、maneo・SBI・クラウドバンクは元金一括返済ですが、AQUSHのみ「バルーン返済」です。

3社とも文字通り不動産を担保とすることで安全性を確保しています。
不動産の担保評価が適切に行われているのであれば、通常の個人向け・事業向けローンよりも安全性は高いでしょう。
不動産の担保評価については、不動産会社のアサックスおよび日本保証と提携しているAQUSHがより確実であると言えます。

また、AQUSH・SBI・クラウドバンクは複数の貸し出し案件を一つのファンドとしているのに対し、maneoは個別の案件に対して投資する形となるので、投資した案件がもしデフォルトとなった場合の損失が大きくなることに注意する必要があります。
maneoに投資する場合は、特に分散投資を心がけるべきでしょう。

実績(年間ローン成立金額)については、maneoが12憶円とトップです。
SBIは9億円とそれに次ぐ規模です。
AQUSHは金利の低さが災いしてか、1.2憶円程度に留まっています。
各社ともまだ貸し倒れは発生していません。


その他の比較項目については以下の記事をご参照ください。

ソーシャルレンディング4社の徹底比較(2014年版)(1)
ソーシャルレンディング4社の徹底比較(2014年版)(2)(ビジネスモデル編)
ソーシャルレンディング4社の徹底比較(2014年版)(3)(貸し手編)
ソーシャルレンディング4社の徹底比較(2014年版)(4)(借り手編)
ソーシャルレンディング4社の徹底比較(2014年版)(5)(実績編)
ソーシャルレンディング4社の徹底比較(2014年版)(6)(サマリー編)






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コメント

クラウドバンクは利回り5.4%とは別に手数料1.5%が取られるので、実質約3.9%になるのでは?

Re: タイトルなし

こんにちは。
コメントありがとうございました。

確かに匿名組合契約締結前交付書面には、営業者報酬として最終貸付金残高に0.125%を乗じた金額が毎月かかるとの記載がありますね。

ただ、不動産担保型ローンファンド運用レポートを見たところ、運用総額¥25,000,000に対してファンド収益は¥157,808とあります。
この金額を元に、運用期間49日間で計算すると、確かに年利約4.8%となります。
レポートに記載されたファンド収益からは、すでに営業者報酬が引かれているものと思われます。

つまり、4.8%は、営業者報酬が引かれた後の利回りということです。
(クラウドバンクに確認したわけではありませんが)

ご回答ありがとうございます!
というのも、2chで、問い合わせをしたら(募集時に)表示されているものから1.5%引かれるという回答を得た、という内容の書き込みがあったからです。
他にも個人のブログ(個人のものなのでURLは差し控えますが。)で、運用レポートについて
「ファンドの収益から営業者報酬(中略)がいくら差し引かれたのか(中略)報告されています。」
という記述も見かけました。
この1.5%の差は(他の会社と比べても)非常に大きなもので利用を検討するにあたり重要な点だと思っています。
いずれにせよ、分かりづらい形にしているのはクラウドバンクの要改善点ですよね……。

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中田健介(けにごろう)

Author:中田健介(けにごろう)
IT系企業に勤務しています。
2010年からソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)での資産運用を開始しました。
自分の運用実績、各社のサービス内容比較、業界の最新トピックなどを毎週2回(水・土)発信しています。

■著書
2015年3月7日にぱる出版より著書「年利7%!今こそ「金利」で資産を殖やしなさい!~日本初!融資型クラウドファンディング投資の解説書」を発売しました。
是非よろしくお願いいたします。

■興味のあるもの
 ・投資(これまでに実施したことがあるのは、投資信託・国債・FX・株式などです。)

■ソーシャルレンディングについて
 maneo・AQUSHとも2010年から始めました。
 ソーシャルレンディングは将来性のあるビジネスモデルです。自分も微力ながらこのブログを通じて知名度の向上に努めたいと思っています。

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