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ソーシャルレンディング4社の徹底比較(2014年版)(5)(実績編)

ソーシャルレンディング4社の徹底比較(2014年版)(1)
ソーシャルレンディング3社の徹底比較(2014年版)(2)(ビジネスモデル編)
ソーシャルレンディング3社の徹底比較(2014年版)(3)(貸し手編)
ソーシャルレンディング3社の徹底比較(2014年版)(4)(借り手編)
に引き続き、今回もソーシャルレンディング3社の徹底比較(2014年版)を行います。

今回は「実績編」です。
投資を考える上で、事業会社自体が安定して利益を上げていることも重要な要素となります。

赤の箇所は昨年から変化のあった個所です。
なお、前回も書きましたが、各社の不動産担保ローンについては今回別の表としてまとめたので、以下には含まれていません。

ソーシャルレンディングサービス比較(内容・数値はいずれも2014年1月時点)  
サービス maneo(マネオ)AQUSH(アクシュ)SBIソーシャルレンディングクラウドバンク
  ビジネス向けローンAQUSHマーケットAQUSHグローバルファンド証券担保ローンファンド 
  
実績年間ローン成立件数
(2013年)
430件
(不動産担保ローンも含む)
未公開未公開105件2件
  
年間ローン成立金額(2013年)70億円
(不動産担保ローンも含む)
9億円1.2億円1.3億円1.2憶円
(サービス開始以来累計) 
サービス開始2008年10月2009年12月2013年7月2012年1月2013年12月
貸し倒れ率(サービス開始以来累計)(件数ベース)0%未公開未公開0%0%
貸し倒れ率(サービス開始以来累計)(金額ベース)0%0.44%未公開0%0%
 (2012年12月時点)
(返済遅延の発生率は未公開)
   
運営会社情報運営会社maneo株式会社株式会社エクスチェンジコーポレーションSBIソーシャルレンディング株式会社日本クラウド証券
maneoマーケット株式会社SBIソーシャルレンディングサポート株式会社 
maneoエスクロー株式会社  
URLhttps://www.maneo.jp/https://www.aqush.jp/http://www.sbi-sociallending.co.jp/https://www.crowdbank.jp/index.html
投資家数2.5万人1万人未公開未公開
運営会社の経営状況営業利益4700万円
(2012年4月~3月)
未公開
(けにごろうによる推定:おそらく赤字と思われる)
未公開
(けにごろうによる推定:おそらく赤字と思われる)
営業利益5800万円
(2012年4月~3月)
備考・かつて個人向けローンも手掛けていたが、2011年6月からは撤退し、事業性ローンに特化・他に「ecoエネルギーファンド」も手掛ける。・不動産担保ローン事業者ファンド・証券担保ローンファンドの他に、不定期でオーダーメイド型のファンドが募集されることがある。 
・2011年6月よりUBIグループの傘下に



<年間ローン成立件数・金額について>
maneoの年間ローン成立件数は430件で、2012年の366件からやや伸びました。
また、金額は70億円と、2012年の45億円から50%程度伸びています
件数・金額が大きく伸びた要因としては、パチンコファンドなど大口で継続的な借り手が確保できたことが大きいといえます。

AQUSHマーケットについては、件数は依然として未公開ですが、成立金額が2013年から公開されました。
ただし明らかになっているのはサービス開始以来の累計金額(9億円)のみで、2013年だけの金額は不明です。
AQUSHグローバルファンドの2013年の金額は1.2億円でした。

SBIは件数105件・金額1.3億円でした。前年とほぼ同様の水準です。

クラウドバンクは12月にスタートしたばかりですが、2件で1.2億円の実績を挙げています。

4社の成立件数・金額を比較すると、今年もmaneoが他社を大きく引き離しています。
ソーシャルレンディング業界のシェアでいうと80%は超えていることになります。

他3社はいずれもちょうど同じくらいの規模です。
ただし、クラウドバンクはスタートして1か月間の実績であることを考慮すると、2014年は大きく実績を伸ばすことが予想できます。10億円を越える可能性があります。
もちろんそれでもmaneoには遠く及びませんが、業界2位に躍進しそうです。

<貸し倒れ率(サービス開始以来累計)(金額ベース)について>
投資家として気になる貸し倒れ率(金額ベース)について比較します。

maneo・SBI・クラウドバンクは0%です。

AQUSHマーケットは、0.44%(2012年12月時点)です。
(2013年の実績については未公開)
AQUSHグローバルファンドについては未公開です。

いずれも非常に低い数字です。
(銀行の法人への融資の貸し倒れ率が2%前後、消費者金融は5~10%と言われています。)
各社とも審査には十分注意していることがうかがわれ、貸し倒れ率にあまり違いはないと言えます。

<投資家数について>
maneoは2.5万人・AQUSHは1万人です。
いずれも前年からあまり大きな変化はありません。

この投資家たちはキャズム理論でいう「イノベーター」「アーリーアダプター」にあたるのでしょう。
今後大きく投資家数を増やすためには、ソーシャルレンディングが深く大きな溝である「キャズム」を越える必要があると思われます。

SBI・クラウドバンクは未公開です。

<運営会社の経営状況について>
事業者リスクを考える上で、運営会社自体の経営が安定していることは重要です。

maneoの営業利益は4700万円(2012年4月~2013年3月)でした。
安定した収益を上げていると言えるでしょう。

また、クラウドバンクの運営会社である日本クラウド証券の営業利益は5800万円(2012年4月~2013年3月)でした。
日本クラウド証券はクラウドバンク以外にグリーンシート証券などを扱っているので、そちらの収益の方が大きいと思われます。

AQUSH・SBIは決算書を公開していませんが、貸出金額と手数料率から考えると、おそらくいずれも赤字でしょう。
maneoの実績から考えると、ソーシャルレンディング事業者が安定して収益を上げるためには、最低でも年間40億円程度の貸出金額が必要なようです。
すると、AQUSH・SBIが安定収益を上げるにはいずれも現在の10倍以上の成立金額が必要ということになります。
なかなか厳しいですが、是非頑張っていただきたいと思います。

事業者の安定性という観点からすると、現時点ではmaneoと日本クラウド証券の2社が高いといえます。






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中田健介(けにごろう)

Author:中田健介(けにごろう)
IT系企業に勤務しています。
2010年からソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)での資産運用を開始しました。
自分の運用実績、各社のサービス内容比較、業界の最新トピックなどを毎週2回(水・土)発信しています。

■著書
2015年3月7日にぱる出版より著書「年利7%!今こそ「金利」で資産を殖やしなさい!~日本初!融資型クラウドファンディング投資の解説書」を発売しました。
是非よろしくお願いいたします。

■興味のあるもの
 ・投資(これまでに実施したことがあるのは、投資信託・国債・FX・株式などです。)

■ソーシャルレンディングについて
 maneo・AQUSHとも2010年から始めました。
 ソーシャルレンディングは将来性のあるビジネスモデルです。自分も微力ながらこのブログを通じて知名度の向上に努めたいと思っています。

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