ソーシャルレンディング4社の徹底比較(2014年版)(1)
- 2014/01/11
- 05:00
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ソーシャルレンディング3社の徹底比較(2011年版)
ソーシャルレンディング3社の徹底比較(2012年版)
ソーシャルレンディング3社の徹底比較(2013年版)
2013年には新たなサービスとして日本クラウド証券の「クラウドバンク」がスタートしました。
また、既存の各社ともいろいろとサービス内容が様変わりしています。
これらを反映し、2014年版として表に整理してみました。
各社のページから情報を拾ってきてまとめるのは結構大変でした・・・。
もし間違い等あればご指摘ください。
なお、赤いセルは昨年から変わった個所です。
なお、各社とも不動産担保ローンを手掛けていますが、それについては下に別の表としてまとめました。
ソーシャルレンディングサービス比較 (内容・数値はいずれも2014年1月時点) | ||||||
サービス | maneo(マネオ) | AQUSH(アクシュ) | SBIソーシャルレンディング | クラウドバンク | ||
ビジネス向けローン | AQUSHマーケット | AQUSHグローバルファンド | 証券担保ローンファンド | |||
特徴 | ・貸し手は、借入目的・事業内容などの情報を元に借り手を直接選ぶことができる。 ・貸し手は借り手に対して事業内容・借入目的などを直接質問できる。 ・常に案件が募集されているとは限らない。 ・1人の借り手に対して貸し手が複数 ・借り手から優待が受けられるローンもある。 | ・借り手を審査し、信用リスクを客観的に格付評価した「AQUSHグレード」(5段階)を提示 ・投資家は借り手を直接指定できず、「AQUSHグレード」と金利を指定して投資する。 ・複数の借り手に対して貸し手も複数。 | ・世界最大のソーシャルレンディングサービスである米LendingClubへ投資できる。 ・借り手の規模はほぼ無尽蔵であり、1か月以内にほぼ確実に貸し出すことができる。 ・海外投資であるが、為替ヘッジされているため為替リスクはなし。 | ・株式担保付きで安全性が高い。 ・複数の借り手に対して貸し手も複数。 ・投資家は借り手を直接指定できない。 | ・証券会社が運営するソーシャルレンディングサービス ・複数の借り手に対して貸し手も複数。 | |
ビジネスモデル | タイプ | オーダーメイド型 ビジネス向け | ファンド型 個人向け・ビジネス向け | ファンド型 個人向け・ビジネス向け | ファンド型 個人向け | ファンド型 |
借り手 | 中小企業 | 個人・中小企業 | アメリカの法人・個人 | SBI証券に株式を預けている個人 | 不動産担保事業者・新興国マイクロファイナンス機関・中小企業など (ファンド種類により異なる) | |
金利決定の仕組み | ローン募集時に借り手が決定 | 金利は4%~15%の範囲で貸し手が選択できるが、低い金利を設定した貸し手から優先的に貸出が実行される。 (あまり高い金利を設定すると貸出が実行されないこともある。) | ・貸し手にとっての金利は一律5.0% (手数料引き後) | ・貸し手にとっての金利は一律2.0% (手数料引き後) | ファンド種類により異なる | |
事業者の収益源 | ・借り手金利と貸し手金利の差(=利ざや)が収益源。 ・利ざやは5%程度 (ローンにより異なる) | ・ローン成立時に、借り手から貸出金額の4%に相当する手数料を徴収 ・貸し手から毎月貸出残高に応じた手数料を徴収(年利1.5%相当額) | ・貸し手から毎月貸出残高に応じた手数料を徴収(年利1.5%相当額) | ・貸し手から毎月貸付金残高に応じた手数料を徴収(年利1.5%相当額) | ・貸し手から毎月貸付金残高に応じた手数料を徴収(年利1.5%相当額) | |
貸し手関連 | 金利(貸し手側) | 4.0%~10.0% (案件により異なる。) | ・金利は貸し手が選択できる。 (下限4%~上限15%) ・平均運用利回り実績 (グレードごと) AA: 5.1% A: 5.5% B: 6.2% C: 7.8% D: 8.4% (手数料引き後)(「AQUSH 2012データ・レポート」より算出) | 一律5.0% (手数料引き後) | 一律2.0% (手数料引き後) | 5.0%~6.0% (ファンドにより異なる) |
投資可能額 | 1万円~ | 5万円~2000万円 | 5万円~2000万円 | 1万円~ | 3万円~ | |
(ローンによっては最低投資額がもっと大きいものもある) | ||||||
手数料(貸し手側) | なし | 貸し手から毎月貸出残高に応じた手数料を徴収(年利1.5%相当額) | 貸し手から毎月貸出残高に応じた手数料を徴収(年利1.5%相当額) | 貸し手から毎月貸出残高に応じた手数料を徴収(年利1.5%相当額) | ・貸し手から毎月貸付金残高に応じた手数料を徴収(年利1.5%相当額) | |
投資してから実際に融資が実行されるまでの期間 | 最大1カ月 | 低い金利を提示すれば早く融資が実行されるが、高い金利を提示すると融資が実行されないこともある。) | 最大1カ月 | 原則2週間 | ファンドにより異なる | |
(借り手の希望金額総額が貸し手の投資金額よりも少ない場合はさらにかかる) | (大体1カ月程度と思われる) | |||||
出資金の保全 | maneoエスクロー社による分別管理 | 分別された口座にてエクスチェンジコーポレーションの資産とは区別して管理 | 分別された口座にてエクスチェンジコーポレーションの資産とは区別して管理 | 匿名組合員出資金は、会社の固有財産を保管する銀行預金口座とは別の銀行預金口座に預金し分別管理する。 | 出資金は、会社の固有財産を保管する銀行預金口座とは別の銀行預金口座に預金し分別管理する。 | |
借り手 | 中小企業 | 個人・中小企業 | アメリカの法人・個人 | SBI証券に株式を預けている個人 | 不動産担保事業者・新興国マイクロファイナンス機関・中小企業など (ファンド種類により異なる) | |
借り手関連 | 金利(借り手側) (年利) | 6%~15%の範囲で選択 (実際は事業者と相談して金利を決定すると思われる) | 6.7%~17.9% | 未公開 | 一律3.5% | ファンドにより異なる。 |
グレードごとの金利状況(2013/4時点) AA 7.0% A 8.3% B 9.6% C 10.3% D 11.2% (融資手数料を含む実質年率) ・金利はAQUSHの審査時に決定される。 | ||||||
借入限度額 | 未公開 | ■個人 10万~300万円 ■法人 審査および担保条件による | 未公開 | 30万円~3000万円 | ファンドにより異なる。 | |
手数料(借り手側) | なし | 借入時に借入金額の4.0%相当額を徴収 | 未公開 | なし | 未公開 | |
使用用途 | FCの開業費用やコーポラティブハウスの建設費用などテーマ性の高い借入目的 | 自由 | 自由 | 自由 | 不動産担保事業・新興国マイクロファイナンス・中小企業ビジネス用途など (ファンドにより異なる) | |
担保・保証人 | 原則として不要 (案件によってはフランチャイザーや法人代表者などが保証人となったり、・不動産などが担保として供される場合もある。) | ■個人 不要 ■法人 原則必要(代表者の連帯保証) | 未公開 | 株式等の有価証券を担保とする。 | 未公開 | |
借入資格 | 国内外の法人 「会社の実在性や事業実態があることは、当然の前提となりますが、 一見のお客さまでは、これを必ずしも担保出来ないことから、 原則的には弊社に関係する方からのご紹介がある方を対象としております。」(maneoサポート回答より) | ■個人 ・本人確認が取れること ・300万円以上(目安)の年収があること ・20歳以上70歳以下 ・借入過多でないこと ・2年以上の信用履歴があること ・(クレジットカードまたはローンの取引実績があること) ・過去5年以内に債務不履行していないこと ■法人 (不明) | 未公開 | SBI証券に株式を預けている個人 | 未公開 | |
借入実施までの期間 | 各ローンによって異なる。 | 申し込みから最短4営業日 | 未公開 | 申込から最短1週間 | 未公開 | |
(出資金の状況によりもっとかかる可能性あり) | ||||||
審査 | ・融資対象先の業種や財務内容の確認 ・会社訪問と社長面談 ・会社の現場確認 ・担保設定や売り上げの入金口座を抑えることで返済を確実にするための工夫 ・最終的には役員会で融資の可否を決定 (マンガでわかるmaneoより) | ■個人 ・個人信用情報機関(JICC、CIC)の情報をもとに信用調査 ・情報を精緻に分析するため、信用スコアリングモデルの世界最大手FICO(ファイコ)社のテクノロジーを採用して個人の信用リスク審査・分析を実施 ・勤務先や家族構成などの属性情報も考慮して総合的に分析 ・使用用途は審査対象外 ■法人 ・法人の事業内容や財務情報と担保評価 ・FICOスコア(連帯保証人) | 未公開 | SBI証券へ保有している担保有価証券の時価総額の算出に加え、貸金業法に則った営業者独自の審査基準に基づく審査を実施 | 未公開 | |
借入審査の通過率 | 未公開 | 16.9% (2011年時点) | 未公開 | 約35% | 未公開 | |
借入期間 | 2か月~36か月 | 一律36ヶ月 | 一律36ヶ月 | 約1年 | ファンドにより異なる。 | |
返済方式 | 毎月返済 | 毎月返済 (元利均等返済) | 毎月返済 (元利均等返済) | 毎月返済 (最終返済日に元金一括返済) | ファンドにより異なる。 | |
( ・元利均等返済 ・元金一括返済 ・一定期間の元金返済据え置き期間がある場合 などがある。) | ||||||
遅延損害金 | 年率14.5% | 年率14% | 未公開 | 年率14% | 未公開 | |
期限前返済 | 可能・手数料なし | 可能・手数料なし | 未公開 | 可能・手数料なし | 未公開 | |
実績 | 年間ローン成立件数 (2013年) | 430件 (不動産担保ローンも含む) | 未公開 | 未公開 | 105件 | 2件 |
年間ローン成立金額(2013年) | 70億円 (不動産担保ローンも含む) | 9億円 | 1.2億円 | 1.3億円 | 1.2憶円 | |
(サービス開始以来累計) | ||||||
サービス開始 | 2008年10月 | 2009年12月 | 2013年7月 | 2012年1月 | 2013年12月 | |
貸し倒れ率(サービス開始以来累計)(件数ベース) | 0% | 未公開 | 未公開 | 0% | 0% | |
貸し倒れ率(サービス開始以来累計)(金額ベース) | 0% | 0.44% | 未公開 | 0% | 0% | |
(2012年12月時点) (返済遅延の発生率は未公開) | ||||||
運営会社情報 | 運営会社 | maneo株式会社 | 株式会社エクスチェンジコーポレーション | SBIソーシャルレンディング株式会社 | 日本クラウド証券 | |
maneoマーケット株式会社 | SBIソーシャルレンディングサポート株式会社 | |||||
maneoエスクロー株式会社 | ||||||
URL | https://www.maneo.jp/ | https://www.aqush.jp/ | http://www.sbi-sociallending.co.jp/ | https://www.crowdbank.jp/index.html | ||
投資家数 | 2.5万人 | 1万人 | 未公開 | 未公開 | ||
運営会社の経営状況 | 営業利益4700万円 (2012年4月~3月) | 未公開 (けにごろうによる推定:おそらく赤字と思われる) | 未公開 (けにごろうによる推定:おそらく赤字と思われる) | 営業利益5800万円 (2012年4月~3月) | ||
備考 | ・かつて個人向けローンも手掛けていたが、2011年6月からは撤退し、事業性ローンに特化 | ・他に「ecoエネルギーファンド」も手掛ける。 | ・不動産担保ローン事業者ファンド・証券担保ローンファンドの他に、不定期でオーダーメイド型のファンドが募集されることがある。 | |||
・2011年6月よりUBIグループの傘下に |
<各社不動産担保ローン比較(2014年1月時点)> | ||||
maneo(マネオ) | AQUSH(アクシュ) | SBIソーシャルレンディング | ||
UBIfinance・エスクローファイナンス案件 | 保証ローンファンド | SBISL不動産担保ローン事業者ファンド | ||
借り手関連 | 金利(借り手側)(年利) | 9%~12%程度 | 5.5% | 5.5% |
借入限度額 | 未公開 | 300万円~3億円 | 当初7500万円 | |
最大10億円 | ||||
手数料(借り手側) | 未公開 | 融資額2.1%(保証会社の事務手数料を含む) | 基本契約締結手数料:47万2500円 | |
使用用途 | 不動産事業者向けの物件購入資金 | 自由 | 不動産担保ローン事業者向けに行う貸付事業 | |
担保・保証人 | 不動産担保 | 不動産担保 | 不動産担保 | |
借入期間 | 6ヶ月~10ヶ月程度 | 3ヶ月〜36ヶ月 | 一律14ヶ月 | |
返済方式 | 元金一括返済 | バルーン返済(※1) | 元金一括返済 | |
(金利は毎月返済) | (金利は毎月返済) | |||
期限前返済 | 可能 | 可能・手数料あり (返済元金の1.0%) | 可能・手数料なし | |
貸し手関連 | 金利(貸し手側)(年利) | 4.0%~7.0% (過去案件実績) | 2.5% (手数料引き後) | 3.0% |
投資額 | 2万円~ | 5万円~2000万円 | 1万円~ | |
(ローンによっては最低投資額がもっと大きいものもある) | ||||
手数料(貸し手側) | なし | 貸し手から毎月貸出残高に応じた手数料を徴収(年利1.5%相当額) | 貸付金残高の2.5%(年利) | |
投資してから実際に融資が実行されるまでの期間 | 最大1カ月 | 最大1カ月 | 原則2週間 | |
(借り手の希望金額総額が貸し手の投資金額よりも少ない場合はさらにかかる) | ||||
その他 | 個別の案件に投資。 常に案件が募集されているとは限らない。 | 複数の案件にファンドの形式で投資。 | 複数の案件にファンドの形式で投資。 | |
実績 (不動産担保ローンのみの実績) | 年間ローン成立件数 (2013年) | 40件 | 未公開 | 31件 |
年間ローン成立金額 (2013年) | 12億円 | 1.2憶円 | 9億円 | |
貸し倒れ率(サービス開始以来累計)(件数ベース) | 0% | 0% | 0% | |
貸し倒れ率(サービス開始以来累計)(金額ベース) | 0% | 0% | 0% | |
サービス開始時期 | 2011年5月 | 2012年8月 | 2012年9月 | |
(※1)バルーン返済とは、実際の返済期間(例えば36ヶ月)よりも長期の期間(例えば120ヶ月)を返済期間として想定し、かかる想定返済期間における元利均等払いの返済額を毎月返済するとともに、実際の返済期間の最終弁済回時点で残存する元金等を一括して支払う返済方法です。最終弁済回に残元金等を一括して返済するため、支払金額が最後に膨らむ形がバルーン(風船)に似ていることからバルーン返済と呼ばれます。バルーン返済によって、投資家は、安定的な分配金を受け取ることができ、借り手は、毎月の返済額を抑えることができるというメリットがございます。但し、最終弁済回に受け取る残元金の金額が大きくなりますのでご注意ください。(AQUSHサイト説明より) |
次回から詳細にみていきたいと思います。
