ソーシャルレンディングが投資詐欺である可能性はないのか(maneo編)(3)
- 2013/10/19
- 05:00
前回に引き続きmaneo編です。
前回からかなり間が空いてしまいました。前回の記事はこちら↓
ソーシャルレンディングが投資詐欺である可能性はないのか(maneo編)(1)
ソーシャルレンディングが投資詐欺である可能性はないのか(maneo編)(2)
<ポイント3>聞きなれないもの、理解できないものに投資をしている
投資詐欺の被害を防ぐ。投資詐欺を見分ける3つのポイント
によると、投資詐欺に多い事案は「よくわからないものに投資をする」か「スキームがよくわからない投資」だそうです。
これについて、「maneo自体のわかりやすさ」「借り手企業のわかりやすさ」の2つの観点から考えてみます。
(1)maneo自体のわかりやすさ
maneoのスキームは「インターネットで集めたお金を特定の企業に貸して金利を得る」というシンプルなものです。
スキーム自体は非常にわかりやすいと言えます。
ただ、案件によっては借り手企業以外の企業が保証を付けたり、担保を設定したりと若干複雑な仕組みになっているものもあります。
(2)借り手企業のわかりやすさ
借り手となる企業の「わかりやすさ」についてはどうでしょうか。
わかりやすさとの観点としては以下の3つが挙げられます。
・企業名が公開されているか
・知名度があるか
・企業のビジネスモデルや借入目的などがわかりやすいか
この3つの観点からすると、比較的わかりやすいのは、パチンコ店の金馬車やお菓子メーカーのショウエイ・飲食店といった一般消費者向けの企業です。
企業名は、いずれもそれほど有名ではありませんが、ネットで調べればすぐに出てきます。
所在地が近くであれば実際に店舗などを見に行くこともできますので、実在することについては間違いありません。
ビジネスモデルもわかりやすく、疑問を持つ余地はあまりありません。
借入目的についても、例えば「【金馬車 第53弾】新宿店設備改装資金支援ローンへの投資」という案件がありましたが、これなどはタイトルを見ただけで借入目的が明確にわかります。
一方、わかりにくい企業としては以下の3つのパターンがあります。
①企業名が非公開である
あまり多くはありませんが、企業名が公開されない案件があります。
2012年には、「【上場企業A社向け】ホテル改修及び新規開業支援・不動産担保付きローンへの投資」として、非公開で募集が行われました。
また、ドリーミングハウスやUBIfinanceなど不動産関連の案件において、企業名自体は公開されていても、投資先の不動産の住所が明記されていない場合があります。
②ビジネスモデルや借入目的がわかりにくい
2012年に募集されたダーウィン社の「リース・レンタル・卸売事業を営む会社の事業資金への投資」では、借入目的について
「今般、ダーウィン社はある企業(A社)に機器を卸すことになり、機器の購入資金として3000万円を
maneoにて募集させていただくこととなりました。」
と説明していました。
A社が何の企業で、何の機器を購入するのかは不明のままです。
③maneo・UBI関連会社である
maneoはUBIグループ傘下の企業です。
そして、maneoでは「【UBI株式会社】債権買取資金支援ローンへの投資」のように、UBI自体が借り手となる案件も募集されることがあります。
しかし、グループ会社自体が借り手となる行為は、借り入れた資金を自社の運転資金に回しているのではないか、という疑念を抱かれかねません。
結論としては、
「maneoのスキーム自体はシンプルでわかりやすいが、個々の借り手企業・案件については、一部わかりにくい・あるいは不透明な部分もある。」
と言えます。
以上、3回にわたって「maneoが投資詐欺である可能性はないのか」について検証してきましたが、結局、
「maneoは詐欺である」
あるいは
「maneoは決して投資詐欺ではない」
と明確に結論づけることはできませんでした。今後とも、maneoを過度に信じたり、理不尽に疑ったりすることなく、新たな情報があれば検証していきたいと思います。
なお、この記事はあくまで個人の見解です。投資は個人の責任でお願いします。
