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ソーシャルレンディング3社の徹底比較(2013年版)(実績編)

ビジネスモデル編貸し手編借り手編に引き続き、ソーシャルレンディング3社の徹底比較(2013年版)を行います。

今回は「実績編」です。
投資を考える上で、事業会社自体が安定して利益を上げていることも重要な要素となります。


なお、前回も書きましたが、各社の不動産担保ローンについては今回別の表としてまとめたので、以下には含まれていません。
AQUSHについては通常のAQUSHローン・SBIについては証券担保ローンについてのみ記載しています。
 
ソーシャルレンディング会社比較 (内容・数値はいずれも2013年4月時点) 
  maneo(マネオ)AQUSH(アクシュ)SBIソーシャルレンディング
  ビジネス向けローンAQUSHローン証券担保ローンファンド
   
実績年間ローン成立件数
(2012年)
366件
(不動産担保ローンも含む)
未公開103件
(けにごろうによる推定値:約460件)
(←ローン成立金額推定2.1億円/一人当たり貸出金額平均46万円)
年間ローン成立金額(2012年)45億円
(不動産担保ローンも含む)
未公開1.5億円
(けにごろうによる推定値:2.1億円
(←ローン申込額14億円×審査通過率15%)
投資家数(サービス開始以来累計)2.5万人1万人未公開
貸し倒れ率(サービス開始以来累計)(件数ベース)0%未公開0%
貸し倒れ率(サービス開始以来累計)(金額ベース)0%0.44%0%
 (ただし返済遅延はより多く発生している。発生率は未公開) 
運営会社の経営状況営業利益4400万円
(2012年4月~12月)
未公開
(けにごろうによる推定:おそらく赤字と思われる)
未公開
(けにごろうによる推定:おそらく赤字と思われる)
運営会社情報運営会社maneo株式会社株式会社エクスチェンジコーポレーションSBIソーシャルレンディング株式会社
maneoマーケット株式会社 
maneoエスクロー株式会社 
サービス開始2008年10月2009年12月2011年3月
URLhttps://www.maneo.jp/https://www.aqush.jp/http://www.sbi-sociallending.co.jp/
備考・かつて個人向けローンも手掛けていたが、2011年6月からは撤退し、事業性ローンに特化・2012年に法人向け貸付・アサックス不動産担保ローンのサービス開始・2012年に証券担保ローンファンド・不動産担保ローンファンドを開始
・2011年6月よりUBIグループの傘下に


■昨年から変わった点
maneoはローン成立金額を特に大きく伸ばしました。
2011年は約16億円だったのが、2012年は45億円となりました。

SBIは、「フリーローン・借換ローン」をサービス中止し、代わりに「証券担保ローン」を開始しました。

■ローン成立件数・金額
maneoは件数を366件と、2011年の117件から3倍以上に伸ばしました。
ほぼ1日1件ずつ成立していることになります。
また、金額は45億円と、2011年の16億円からこれも3倍近くに伸びています。
件数・金額が大きく伸びた要因としては、法人向け貸し出しにシフトした効果が表れたこと(法人向け貸出にシフトしたのは2011年6月)・パチンコファンドなど大口で継続的な借り手が確保できたことが大きいといえます。

AQUSHについては未公開ですが、ローン申込額・審査通過率・一人当たり貸出金額などから推定すると、おそらく件数が460件程度・金額が2億円程度と思われます。
2011年よりも、件数は減少し、金額はほぼ同程度と思われます。
2012年は個人向け貸出がやや不振で件数・金額が減少しましたが、途中から法人向け貸し出しを開始した結果、金額が2011年と同程度まで追いついたと考えられます。
今年は数字を伸ばすものと思われます。

SBIは件数103件・金額1.5億円です。
2012年に「フリーローン・借換ローン」をサービス中止し、代わりに「証券担保ローン」を開始しました。
2011年の「フリーローン・借換ローン」は件数57件・金額0.6億円だったので、それよりも好調です。

3社の成立件数・金額を比較すると、maneoが他2社を大きく引き離しています。

■投資家数(サービス開始以来累計)
maneoは2.5万人・AQUSHは1万人・SBIは未公開です。
3社とも2011年からあまり大きな変化はありません。

■貸し倒れ率(サービス開始以来累計)(金額ベース)
maneoは0%・AQUSHは0.44%・SBIは0%です。
いずれも非常に低い数字です。
各社とも審査には十分注意していることがうかがわれます。

ただし、maneoは現在手掛けている法人向け貸出だけを対象とした数字です。2011年以前に手掛けていた個人向け貸し出しでは貸倒は発生していました。
SBIも同様に、以前手掛けていた「フリーローン・借換ローン」では返済遅延が発生していました。

■運営会社の経営状況
maneoの営業利益は4400万円(2012年4月~12月)でした。
2012年1月~3月の数字が見つからなかったので1年間の正確な営業利益がわかりませんが、6000万円程度と思われます。
安定した収益を上げていると言えるでしょう。

AQUSH・SBIは決算書を公開していませんが、貸出金額と手数料率から考えると、おそらくいずれも赤字でしょう。
maneoの実績から考えると、ソーシャルレンディング事業者が安定して収益を上げるためには、年間40億円程度の貸出金額が必要なようです。
すると、AQUSH・SBIが安定収益を上げるにはいずれも現在の10倍以上の成立金額が必要ということになります。
なかなか厳しいですが、是非頑張っていただきたいと思います。


事業者の安定性という観点からすると、現時点ではmaneoが一番高いといえます。






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中田健介(けにごろう)

Author:中田健介(けにごろう)
IT系企業に勤務しています。
2010年からソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)での資産運用を開始しました。
自分の運用実績、各社のサービス内容比較、業界の最新トピックなどを毎週2回(水・土)発信しています。

■著書
2015年3月7日にぱる出版より著書「年利7%!今こそ「金利」で資産を殖やしなさい!~日本初!融資型クラウドファンディング投資の解説書」を発売しました。
是非よろしくお願いいたします。

■興味のあるもの
 ・投資(これまでに実施したことがあるのは、投資信託・国債・FX・株式などです。)

■ソーシャルレンディングについて
 maneo・AQUSHとも2010年から始めました。
 ソーシャルレンディングは将来性のあるビジネスモデルです。自分も微力ながらこのブログを通じて知名度の向上に努めたいと思っています。

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