ソーシャルレンディング3社の徹底比較(2013年版)(借り手編)
- 2013/05/29
- 12:00
今回は「借り手から見た各社の比較」です。
なお、前回も書きましたが、各社の不動産担保ローンについては今回別の表としてまとめたので、以下には含まれていません。
AQUSHについては通常のAQUSHローン・SBIについては証券担保ローンについてのみ記載しています。
ソーシャルレンディング会社比較 (内容・数値はいずれも2013年4月時点) | ||||||
maneo(マネオ) | AQUSH(アクシュ) | SBIソーシャルレンディング | ||||
ビジネス向けローン | AQUSHローン | 証券担保ローンファンド | ||||
借り手 | 中小企業 | 個人・中小企業 | SBI証券に株式を預けている個人 | |||
借り手関連 | 金利(借り手側) (年利) | 6%~15%の範囲で選択 (実際は事業者と相談して金利を決定すると思われる) | 6.7%~17.9% | 一律3.5% | ||
グレードごとの金利状況(2013/4時点) AA 7.0% A 8.3% B 9.6% C 10.3% D 11.2% (融資手数料を含む実質年率) ・金利はAQUSHの審査時に決定される。 | ||||||
借入限度額 | (不明) | ■個人 10万~300万円 ■法人 審査および担保条件による | 30万円~3000万円 | |||
手数料(借り手側) | なし | 借入時に借入金額の4.0%相当額を徴収 | なし | |||
使用用途 | FCの開業費用やコーポラティブハウスの建設費用などテーマ性の高い借入目的 | 自由 | 自由 | |||
担保・保証人 | 原則として不要 (案件によってはフランチャイザーや法人代表者などが保証人となったり、・不動産などが担保として供される場合もある。) | ■個人 不要 ■法人 原則必要(代表者の連帯保証) | 株式等の有価証券を担保とする。 | |||
借入資格 | 国内外の法人 「会社の実在性や事業実態があることは、当然の前提となりますが、 一見のお客さまでは、これを必ずしも担保出来ないことから、 原則的には弊社に関係する方からのご紹介がある方を対象としております。」(maneoサポート回答より) | ■個人 ・本人確認が取れること ・300万円以上(目安)の年収があること ・20歳以上70歳以下 ・借入過多でないこと ・2年以上の信用履歴があること ・(クレジットカードまたはローンの取引実績があること) ・過去5年以内に債務不履行していないこと ■法人 (不明) | SBI証券に株式を預けている個人 | |||
借入実施までの期間 | 各ローンによって異なる。 | 申し込みから最短4営業日 | 申込から最短1週間 | |||
(出資金の状況によりもっとかかる可能性あり) | ||||||
審査 | ・融資対象先の業種や財務内容の確認 ・会社訪問と社長面談 ・会社の現場確認 ・担保設定や売り上げの入金口座を抑えることで返済を確実にするための工夫 ・最終的には役員会で融資の可否を決定 (マンガでわかるmaneoより) | ■個人 ・個人信用情報機関(JICC、CIC)の情報をもとに信用調査 ・情報を精緻に分析するため、信用スコアリングモデルの世界最大手FICO(ファイコ)社のテクノロジーを採用して個人の信用リスク審査・分析を実施 ・勤務先や家族構成などの属性情報も考慮して総合的に分析 ・使用用途は審査対象外 ■法人 ・法人の事業内容や財務情報と担保評価 ・FICOスコア(連帯保証人) | SBI証券へ保有している担保有価証券の時価総額の算出に加え、貸金業法に則った営業者独自の審査基準に基づく審査を実施 | |||
借入審査の通過率 | 未公開 | 16.9% (2011年時点) | 約35% | |||
借入期間 | 2か月~36か月 | 一律36ヶ月 | 約1年 | |||
返済方式 | 毎月返済 | 毎月返済 (元利均等返済) | 毎月返済 (最終返済日に元金一括返済) | |||
(元利均等返済・一定期間の元金返済据え置き期間がある場合・最終返済日に元金一括返済の場合などがある。) | ||||||
遅延損害金 | 年率14.5% | 年率14% | 年率14% | |||
期限前返済 | 可能・手数料なし | 可能・手数料なし | 可能・手数料なし |
■昨年度から変わった点
AQUSHが2012年8月から法人向け貸出を開始しました。
SBIが「フリーローン・借換ローン」をサービス中止し、代わりに「証券担保ローン」を開始しました。
maneoについては特に変化はありません。
■借り手
maneoは法人(中小企業)向けの貸出のみ手掛けています。
個人では借りることはできません。
AQUSHは個人・法人どちらでも借りることができます。
ただ、借入の条件や審査の基準は個人と法人で異なります。
SBIは、SBI証券に株式を預けている個人のみが対象となります。
■金利(借り手側)
借り手にとっての金利は、maneoでは6%~15%の範囲です。
もちろんいずれも借入の条件や信用状況などにより金利は変わります。
AQUSHの借り手にとっての金利は6.7%~17.9%の範囲です。
先月の実績は、もっとも信用の高いグレードAAで7.0%・低いDで11.2%でした。
SBIの借り手にとっての金利は一律3.5%です。証券担保があるため、比較的低い金利となっています。
ちなみに、大和証券も証券担保ローンを手掛けていますが、その金利もほぼ同じ3.3%程度です。
■借入限度額
maneoの借入限度額は不明です。
ただ、過去には1件で1億円程度の借入を行った例もあります。
AQUSHの借入限度額は、個人向けは10万円~300万円・法人向けは不明です。
SBIは、30万円~3000万円と個人向けとしては大きいです。
■手数料(借り手側)
AQUSHは、借入時に借入金額の4%相当額を手数料として徴収しています。
ただし、表内および上記のAQUSHの金利はすでにこの手数料を含んだ実質年率で記載しているので、あまり考慮する必要はないかもしれません。
maneo・SBIでは借り手の手数料はありません。
■使用用途
maneoは、FCの開業費用やコーポラティブハウスの建設費用などテーマ性の高い借入目的に限定されています。
単なる会社の運転資金や、他のローンの返済資金などの目的では借入はできないようです。
AQUSH・SBIでは特に使用用途の制限はありません。
■担保・保証人
maneoでは原則として担保・保証人は不要ですが、条件によっては求められることもあります。
AQUSHは、個人向けでは担保・保証人は不要ですが、法人向けでは原則として代表者の連帯保証が必要となります。
SBIでは、株式などの有価証券を担保とする必要があります。
■借入資格
maneoでは、原則として関係者からの紹介のある会社のみが対象となっています。
一見の会社では借入はできないようです。
AQUSHでは、個人向けは一般的な消費者金融などと同様の審査があります。審査は若干厳しいようです。
法人向けについては審査内容は不明です。
SBIについては、SBI証券に株式を預けている個人のみが対象となります。
■借り入れ実施までの期間
申し込んでから借入実施までの期間も重要な要素となります。
maneoでは、各ローンによって異なります。maneoは審査期間が長く、場合によっては数カ月に及ぶこともあります。
AQUSHでは、申込から最短4営業日で借入が実施されます。
SBIでは、申込から最短1週間で借入が実施されます。
というわけで、一応比較をしてみましたが、よく考えると借り手の種別が3社で全く異なるため、「お金を借りたい人はどこで借りたらよいか」という参考にはあまりならないような気がしました。
まあ担保になるような株式などを持っているなら、SBIで借りるのが一番有利でしょう。