ソーシャルレンディング3社の徹底比較(2013年版)(ビジネスモデル編)
- 2013/05/11
- 19:20
なお、前回も書きましたが、各社の不動産担保ローンについては今回別の表としてまとめたので、以下には含まれていません。
AQUSHについては通常のAQUSHローン・SBIについては証券担保ローンについてのみ記載しています。
<ソーシャルレンディング3社の徹底比較(2013年版)ビジネスモデル編>
maneo(マネオ) | AQUSH(アクシュ) | SBIソーシャルレンディング | ||
ビジネス向けローン | AQUSHローン | 証券担保ローンファンド | ||
特徴 | ・貸し手は、借入目的・事業内容などの情報を元に借り手を直接選ぶことができる。 ・貸し手は借り手に対して事業内容・借入目的などを直接質問できる。 ・常に案件が募集されているとは限らない。 ・1人の借り手に対して貸し手が複数 ・借り手から優待が受けられるローンもある。 | ・借り手を審査し、信用リスクを客観的に格付評価した「AQUSHグレード」(5段階)を提示 ・投資家は借り手を直接指定できず、「AQUSHグレード」と金利を指定して投資する。 ・複数の借り手に対して貸し手も複数。 | ・株式担保付きで安全性が高い。 ・複数の借り手に対して貸し手も複数。 ・投資家は借り手を直接指定できない。 ・証券担保ローンファンドの他、たまにオーダーメイド型のファンドが募集されることもある。 | |
ビジネスモデル | タイプ | オーダーメイド型 ビジネス向け | ファンド型 個人向け・ビジネス向け | ファンド型 個人向け |
借り手 | 中小企業 | 個人・中小企業 | SBI証券に株式を預けている個人 | |
金利決定の仕組み | ローン募集時に借り手が決定 | 金利は4%~15%の範囲で貸し手が選択できるが、低い金利を設定した貸し手から優先的に貸出が実行される。 (あまり高い金利を設定すると貸出が実行されないこともある。) | ・貸し手にとっての金利は一律2.0% (手数料引き後) | |
事業者の収益源 | ・借り手金利と貸し手金利の差(=利ざや)が収益源。 ・利ざやはローンにより異なるが、5%程度。 | ・ローン成立時に、借り手から貸出金額の4%に相当する手数料を徴収 ・貸し手から毎月貸出残高に応じた手数料を徴収(年利1.5%相当額) | ・貸し手から毎月利息額×1.5%の手数料を徴収 |
まず3社の特徴から見てみます。
昨年と同様、maneoはオーダーメイド型(借り手を直接選べる)・AQUSHとSBIはファンド型(借り手を直接選べない)です。
「借り手」をみると、maneoは企業向け・SBIは個人向けで、AQUSHは両方手掛けています。
ただしSBIは個人向けといってもSBI証券に株式を預けている人のみが対象です。
また、「金利決定の仕組み」は3社でそれぞれ異なります。
maneoは案件により金利は異なっており、募集時点ですでに決まっています。
AQUSHでは、金利は4%~15%の範囲で貸し手が選ぶことができます。
ただし、低い金利の貸し手から優先的に貸し出されるので、あまり高い金利を設定すると貸出が実行されません。
実質的には資金の需給バランスで決定されるといえるでしょう。
SBIでは金利は一律2.0%です。
証券担保があり安全性が高い代わりに金利は低めです。
高金利を狙いたいならmaneoかAQUSH・より高い安全性を求めるならSBIがよいといえます。
「事業者の収益源」としては、maneoでは手数料はなく金利差(利ざや)のみです。
AQUSHでは、利ざやのない代わりに借り手・貸し手からそれぞれ手数料を取っています。
SBIでは、貸し手から手数料を取っています。
こう書くと、貸し手にとっては、貸し手からの手数料徴収がないmaneoが有利なように思えますが、実はあまりこの違いには意味はありません。
「1.5%の利ざやを取る」というのと「貸し手から1.5%の手数料を徴収する」というのは実質的には全く同じことだからです。
料率が明示的に示されているかどうか、という違いだけです。