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ソーシャルレンディング3社の徹底比較(2013年版)(1)

2011年・2012年にソーシャルレンディング3社の徹底比較の記事を書きました。

ソーシャルレンディング3社の徹底比較(2011年版)
ソーシャルレンディング3社の徹底比較(2012年版)

各社ともそれからいろいろとサービス内容が様変わりしたり実績が明らかになってきたので、2013年版として整理してみたいと思います。

各社のページから情報を拾ってきてまとめるのは結構大変でした・・・。

なお、3社とも不動産担保ローンを手掛けていますが、それについては下に別の表としてまとめました。


ソーシャルレンディング会社比較 (内容・数値はいずれも2013年4月時点) 
  maneo(マネオ)AQUSH(アクシュ)SBIソーシャルレンディング
  ビジネス向けローンAQUSHローン証券担保ローンファンド
   
特徴 ・貸し手は、借入目的・事業内容などの情報を元に借り手を直接選ぶことができる。

・貸し手は借り手に対して事業内容・借入目的などを直接質問できる。

・常に案件が募集されているとは限らない。

・1人の借り手に対して貸し手が複数

・借り手から優待が受けられるローンもある。
・借り手を審査し、信用リスクを客観的に格付評価した「AQUSHグレード」(5段階)を提示

・投資家は借り手を直接指定できず、「AQUSHグレード」と金利を指定して投資する。

・複数の借り手に対して貸し手も複数。
・株式担保付きで安全性が高い。

・複数の借り手に対して貸し手も複数。

・投資家は借り手を直接指定できない。

・証券担保ローンファンドの他、たまにオーダーメイド型のファンドが募集されることもある。
ビジネスモデルタイプオーダーメイド型
ビジネス向け
ファンド型
個人向け・ビジネス向け
ファンド型
証券担保ローン
借り手中小企業個人・中小企業SBI証券に株式を預けている個人
金利決定の仕組みローン募集時に借り手が決定金利は4%~15%の範囲で貸し手が選択できるが、低い金利を設定した貸し手から優先的に貸出が実行される。
(あまり高い金利を設定すると貸出が実行されないこともある。)
・貸し手にとっての金利は一律2.0%
(手数料引き後)
事業者の収益源・借り手金利と貸し手金利の差(=利ざや)が収益源。

・利ざやはローンにより異なるが、5%程度。
・ローン成立時に、借り手から貸出金額の4%に相当する手数料を徴収

・貸し手から毎月貸出残高に応じた手数料を徴収(年利1.5%相当額)
・貸し手から毎月利息額×1.5%の手数料を徴収
貸し手関連金利(貸し手側)4.0%~10.0%
(案件により異なる。)
・金利は貸し手が選択できる。
 (下限4%~上限15%)

・平均運用利回り実績
(グレードごと)
 AA: 5.1%
 A:  5.5%
 B:  6.2%
 C:  7.8%
 D:  8.4%
(手数料引き後)(「AQUSH 2012データ・レポート」より算出)
一律2.0%
(手数料引き後)
投資可能額1万円~5万円~2000万円1万円~
(ローンによっては最低投資額がもっと大きいものもある)
手数料(貸し手側)なし貸し手から毎月貸出残高に応じた手数料を徴収(年利1.5%相当額)貸し手から毎月利息額×1.5%の手数料を徴収
投資してから実際に融資が実行されるまでの期間最大1カ月低い金利を提示すれば早く融資が実行されるが、高い金利を提示すると融資が実行されないこともある。)原則2週間
(借り手の希望金額総額が貸し手の投資金額よりも少ない場合はさらにかかる)
出資金の保全maneoエスクロー社による分別管理分別された口座にてエクスチェンジコーポレーションの資産とは区別して管理匿名組合員出資金は、会社の固有財産を保管する銀行預金口座とは別の銀行預金口座に預金し分別管理する。
借り手関連金利(借り手側)
(年利)
6%~15%の範囲で選択
(実際は事業者と相談して金利を決定すると思われる)
6.7%~17.9%一律3.5%
グレードごとの金利状況(2013/4時点)
 AA 7.0%
 A  8.3%
 B  9.6%
 C 10.3%
 D 11.2%
(融資手数料を含む実質年率)

・借り手は金利を指定できない。(AQUSH内のマーケットにより決定される)
 
借入限度額(不明)10万~300万円30万円~3000万円
手数料(借り手側)なし借入時に借入金額の4.0%相当額を徴収なし
使用用途FCの開業費用やコーポラティブハウスの建設費用などテーマ性の高い借入目的自由自由
担保・保証人原則として不要
(案件によってはフランチャイザーや法人代表者などが保証人となったり、・不動産などが担保として供される場合もある。)
不要株式等の有価証券を担保とする。
 
借入資格国内外の法人
「会社の実在性や事業実態があることは、当然の前提となりますが、
一見のお客さまでは、これを必ずしも担保出来ないことから、
原則的には弊社に関係する方からのご紹介がある方を対象としております。」(maneoサポート回答より)
・本人確認が取れること
・300万円以上(目安)の年収があること
・20歳以上70歳以下
・借入過多でないこと
・2年以上の信用履歴があること
・(クレジットカードまたはローンの取引実績があること)
・過去5年以内に債務不履行していないこと
SBI証券に株式を預けている個人
借入実施までの期間各ローンによって異なる。申し込みから最短4営業日申込から最短1週間
(出資金の状況によりもっとかかる可能性あり)
審査・融資対象先の業種や財務内容の確認
・会社訪問と社長面談
・会社の現場確認
・担保設定や売り上げの入金口座を抑えることで返済を確実にするための工夫
・最終的には役員会で融資の可否を決定
(マンガでわかるmaneoより)
・個人信用情報機関(JICC、CIC)の情報をもとに信用調査
・情報を精緻に分析するため、信用スコアリングモデルの世界最大手FICO(ファイコ)社のテクノロジーを採用して個人の信用リスク審査・分析を実施
・勤務先や家族構成などの属性情報も考慮して総合的に分析
・使用用途は審査対象外
SBI証券へ保有している担保有価証券の時価総額の算出に加え、貸金業法に則った営業者独自の審査基準に基づく審査を実施
   
借入審査の通過率未公開16.9%
(2011年時点)
約35%
借入期間2か月~36か月一律36ヶ月約1年
返済方式毎月返済毎月返済
(元利均等返済)
毎月返済
(最終返済日に元金一括返済)
(元利均等返済・一定期間の元金返済据え置き期間がある場合・最終返済日に元金一括返済の場合などがある。)
遅延損害金年率14.5%年率14%年率14%
期限前返済可能・手数料なし可能・手数料なし可能・手数料なし
実績年間ローン成立件数
(2012年)
366件
(不動産担保ローンも含む)
未公開103件
(けにごろうによる推定値:約460件)
(←ローン成立金額推定2.1億円/一人当たり貸出金額平均46万円)
年間ローン成立金額(2012年)45億円
(不動産担保ローンも含む)
未公開1.5億円
(けにごろうによる推定値:2.1億円
(←ローン申込額14億円×審査通過率15%)
投資家数(サービス開始以来累計)2.5万人1万人未公開
貸し倒れ率(サービス開始以来累計)(件数ベース)0%未公開0%
貸し倒れ率(サービス開始以来累計)(金額ベース)0%0.44%0%
 (ただし返済遅延はより多く発生している。発生率は未公開) 
運営会社の経営状況営業利益4400万円
(2012年4月~12月)
未公開
(けにごろうによる推定:おそらく赤字と思われる)
未公開
(けにごろうによる推定:おそらく赤字と思われる)
運営会社情報運営会社maneo株式会社株式会社エクスチェンジコーポレーションSBIソーシャルレンディング株式会社
maneoマーケット株式会社 
maneoエスクロー株式会社 
サービス開始2008年10月2009年12月2011年3月
URLhttps://www.maneo.jp/https://www.aqush.jp/http://www.sbi-sociallending.co.jp/
備考・かつて個人向けローンも手掛けていたが、2011年6月からは撤退し、事業性ローンに特化・2012年に法人向け貸付・アサックス不動産担保ローンのサービス開始・2012年に証券担保ローンファンド・不動産担保ローンファンドを開始
・2011年6月よりUBIグループの傘下に
<各社不動産担保ローン比較(2013年4月時点)>  
  maneo(マネオ)AQUSH(アクシュ)SBIソーシャルレンディング
  UBIfinance・エスクローファイナンス案件アサックス保証不動産担保ローンファンドSBISL不動産担保ローン事業者ファンド
借り手関連金利(借り手側)(年利)9%~12%程度5.5%5.5%
借入限度額未公開300万円~3億円当初7500万円
最大10億円
手数料(借り手側)未公開融資額2.1%(保証会社の事務手数料を含む)基本契約締結手数料:47万2500円
使用用途不動産事業者向けの物件購入資金自由不動産担保ローン事業者向けに行う貸付事業
担保・保証人不動産担保不動産担保不動産担保
   
借入期間6ヶ月~10ヶ月程度3ヶ月〜36ヶ月一律14ヶ月
返済方式元金一括返済バルーン返済(※1)元金一括返済
(金利は毎月返済)(金利は毎月返済)
期限前返済可能可能・手数料あり
(返済元金の1.0%)
可能・手数料なし
貸し手関連金利(貸し手側)(年利)4.0%~7.0%
(過去案件実績)
2.5%
(手数料引き後)
3.0%
(手数料引き後)
投資額2万円~5万円~2000万円1万円~
(ローンによっては最低投資額がもっと大きいものもある)
手数料(貸し手側)なし貸し手から毎月貸出残高に応じた手数料を徴収(年利1.5%相当額)貸し手から毎月貸出残高に応じた手数料を徴収(年利2.5%相当額)
投資してから実際に融資が実行されるまでの期間最大1カ月最大1カ月原則2週間
(借り手の希望金額総額が貸し手の投資金額よりも少ない場合はさらにかかる)
その他個別の案件に投資。
常に案件が募集されているとは限らない。
複数の案件にファンドの形式で投資。複数の案件にファンドの形式で投資。
実績
(不動産担保ローンのみの実績)
年間ローン成立件数
(2012年)
47件(未公開)(未公開)
年間ローン成立金額
(2012年)
5.7億円未公開
(けにごろうによる推定値:0.2億円
(←ローン成立額2.1億円×9.6%)
1.2億円
貸し倒れ率(サービス開始以来累計)(件数ベース)0%0%0%
   
貸し倒れ率(サービス開始以来累計)(金額ベース)0%0%0%
   
 サービス開始時期2011年5月2012年8月2012年9月
(※1)バルーン返済とは、実際の返済期間(例えば36ヶ月)よりも長期の期間(例えば120ヶ月)を返済期間として想定し、かかる想定返済期間における元利均等払いの返済額を毎月返済するとともに、実際の返済期間の最終弁済回時点で残存する元金等を一括して支払う返済方法です。最終弁済回に残元金等を一括して返済するため、支払金額が最後に膨らむ形がバルーン(風船)に似ていることからバルーン返済と呼ばれます。バルーン返済によって、投資家は、安定的な分配金を受け取ることができ、借り手は、毎月の返済額を抑えることができるというメリットがございます。但し、最終弁済回に受け取る残元金の金額が大きくなりますのでご注意ください。(AQUSHサイト説明より)



次回から詳細にみていきたいと思います。
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中田健介(けにごろう)

Author:中田健介(けにごろう)
IT系企業に勤務しています。
2010年からソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)での資産運用を開始しました。
自分の運用実績、各社のサービス内容比較、業界の最新トピックなどを毎週2回(水・土)発信しています。

■著書
2015年3月7日にぱる出版より著書「年利7%!今こそ「金利」で資産を殖やしなさい!~日本初!融資型クラウドファンディング投資の解説書」を発売しました。
是非よろしくお願いいたします。

■興味のあるもの
 ・投資(これまでに実施したことがあるのは、投資信託・国債・FX・株式などです。)

■ソーシャルレンディングについて
 maneo・AQUSHとも2010年から始めました。
 ソーシャルレンディングは将来性のあるビジネスモデルです。自分も微力ながらこのブログを通じて知名度の向上に努めたいと思っています。

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