2012年ソーシャルレンディング5大ニュース(2)
- 2012/12/29
- 22:47
<2位>SBIソーシャルレンディング 個人向け無担保ローンサービスから撤退(7月)
SBIソーシャルレンディングが手掛けていた個人向け無担保ローンの「SBISL借換ローンファンド」「SBISLフリーローンファンド」が7月13日に販売終了になりました。
SBISLローンファンドは、7月時点で融資額約7500万円のうち返済遅延額が約660万円(8.8%)にのぼっていました。
借り手審査の方法をはじめとして、商品設計に問題があったことは否定できません。撤退はやむを得なかったと言えるでしょう。
これで、maneoに続いてSBIも個人向けローンから撤退したことになり、現在ソーシャルレンディング各社で手掛けているのはAQUSHのみとなりました。
<1位>maneo2011年度通期初の黒字に(6月)
maneo株式会社が6月に発表した2011年度(2011年4月~2012年3月)の決算書において、経常利益3960万円を上げ、通期で初の黒字となっていることが明らかとなりました。
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maneo決算書
2008年のサービス開始以来赤字が続いていたmaneoですが、2011年にUBI株式会社傘下に入り、個人向けローンから撤退・ビジネス向けに特化するという一連の方針転換が成果を上げたものと言えます。
黒字化により事業者リスクが低下したため、投資家としてはより安心して投資が行えるようになりました。
2012年度についても、12月時点で累計貸出金額は60億円を超えており、第二四半期まで順調に利益を上げています。
2012年度は前年以上に利益を伸ばす可能性が高いでしょう。
通期で黒字となったのは、日本のソーシャルレンディングサービス会社として初めてです。
日本でソーシャルレンディングというビジネスモデルが成り立つことを示した意味は大きいと言えます。
<総括>
2012年は、新規参入会社はありませんでしたが、AQUSH,SBIともサービス内容の見直しを図った年でした。
整理すると、現在の各社のサービス内容は以下の通りです。

ビジネス向け・不動産担保ローンは3社とも手がけるようになりました。
日本のソーシャルレンディングとしては、個人向け無担保ローンよりもこの分野のニーズが高いということなのでしょうか。
ともあれ、AQUSH・SBIとも、これらのサービスを拡大することで、早めに黒字化することが重要です。
maneoに引き続き経営を軌道に乗せられれば、投資家も安心して投資できるようになり、規模拡大の好循環が生まれるでしょう。
また、2012年はニュースなどで「クラウドファンディング」という言葉がよく聞かれるようになった年でした。
アメリカでクラウドファンディングを支援する法律が成立したことや、ミュージックセキュリティーズの復興支援ファンドなどが注目されました。
しかし、時々新聞やテレビなどで取り上げられているものの、クラウドファンディングの一種であるソーシャルレンディングの方の認知度はまだあまり高くはないというのが実感です。
2013年はソーシャルレンディングがブレイクする年となることを祈りたいと思います。
