クラウドファンディング(ソーシャルファンディング)サービスの分類
- 2012/05/23
- 17:48
ただし、それらの言葉でくくられる個々のサービス内容にはいろいろと違いがあります。
とりあえず国内で現在サービスが開始されているものについて分類・整理してみたいと思います。
「リターンが何か」「対象が何か」という2つの観点で分類すると、以下のようになります。

まず、資金の出し手に対するリターンには「お金」「モノ・特典」「なし」の3種類があります。
「お金」は文字通り出資に対するリターンがお金の形で得られるものです。
さらに細かく分類すると「融資」と「投資」の2パターンに分かれます。これは企業における「社債」と「株式」の違いに相当します。
「融資」はお金を貸すことで、リターンは金利の形で得られます。金利が何パーセントになるかは事前に決まっています。
「投資」の場合は、リターンは配当の形で得られます。一般的に、配当が何パーセントになるかは事前にはわかりません。赤字になった場合は配当がまったく得られないこともあります。
「モノ・特典」は、例えばミュージシャンに対してCDを作成・販売する資金を提供するリターンとして、完成したCDやライブのチケットがもらえる、というようなものです。
他にも農家や水産加工会社に資金を提供して、その製品(食品)がもらえる、というものもあります。
「なし」というのは文字通り有形のリターンはありません。
ただ、資金提供先からの感謝の言葉や、ビジネス・プロジェクトが成功した場合、プロジェクトの一員としての達成感などが得られることもあります。
一方、対象の分類としては「個人向け」と「ビジネス・プロジェクト向け」の2種類があります。
個人向けは一時的にお金を必要としている人に対してお金を貸してあげるというものです。
ビジネス・プロジェクト向けは、新たなビジネスを立ち上げたり、新商品を開発したりするための資金を提供するものです。
例えば、震災で工場が被害を受けた企業向けに再建の資金を提供したりする、といったものもあります。
さて、この分類でいくと、クラウドファンディング(ソーシャルファンディング)の中で、リターンがお金(融資)のものを「ソーシャルレンディング」と位置づければよいということになります。
その中でも対象が個人向けなのがAQUSHで、ビジネス・プロジェクト向けなのがmaneoです。SBIソーシャルレンディングは両方手がけています。
また、リターンがお金(投資)型のものとしてはミュージックセキュリティーズがあります。ただ、現状では「半分寄付・半分投資」の案件が多いようです。
これらのサービスを利用する資金提供者の目的としては、「利益」と「社会貢献」があります。
ただ、この2つの目的は相反するものではなく、すべてのサービスは多かれ少なかれ両方の要素を持っています。
資金提供者は、どちらを重視するか各自でバランスを考慮していずれのサービスを利用するかを決めるということになります。
さて、こうしてクラウドファンディングサービス全体を眺めてみると、純粋に利益を追及する投資型のサービスというのは無いように見えます。(自分が知らないだけでどこかにあるのかもしれませんが)
コンセプトとしてはいわゆるエンジェル投資などがこれに当たると思いますが、自分はエンジェル投資に対して「かなりまとまった金額(数百万円?)からでないと投資できない」「投資先と個別に条件などを決めないとならない」といったイメージを持っています。
ネットを通じて数万円から簡単にできるエンジェル投資サービスというのがあるのでしょうか。
もしあれば、それはまさにこの分類に当てはまります。
そうしたサービスがあれば自分も是非投資してみたいと思います。
