ソーシャルレンディング3社の徹底比較(2012年版)(貸し手編)
- 2012/03/28
- 16:44
ソーシャルレンディング会社比較 (内容・数値はいずれも2012年2月時点) | ||||
maneo(マネオ) | AQUSH(アクシュ) | SBIソーシャルレンディング | ||
ファンド型 | ||||
(フリーローン(2年・3年) | ||||
借換ローン(3年)) | ||||
貸し手関連 | 金利(貸し手側) | ・過去案件実績:4.0%~10.0% | ・下限4%~上限15% ・平均運用利回り実績 (グレードごと) AA: 6.7% A: 7.7% B: 8.6% C: 10.2% D: 11.5% (営業者報酬控除前)(「AQUSH 2011データ・レポート」より算出) | ・フリーローン:下限6.0%~上限17.5% ・借換ローン:下限9.5%~上限14.5% ・平均運用利回り実績6~8% (手数料控除前) ※金利はSBISLが決定 ※金利は貸出確定後に決定される。 |
投資額 | 1万円~ | 5万円~2000万円 | 1万円~ | |
(ローンによっては最低投資額がもっと大きいものもある) | ||||
手数料(貸し手側) | なし | 毎月、貸付金残高の0.125% | 毎月、貸付金残高の0.125% | |
投資してから実際に融資が実行されるまでの期間 | 最大1カ月 | 低い金利を提示すれば早く融資が実行されるが、高い金利を提示すれば融資まで時間がかかる。 | 原則2週間 | |
(借り手の希望金額総額が貸し手の投資金額よりも少ない場合はさらにかかる) | ||||
出資金の保全 | maneoエスクロー社による分別管理 | 分別された口座にてエクスチェンジコーポレーションの資産とは区別して管理 | 匿名組合員出資金は、会社の固有財産を保管する銀行預金口座とは別の銀行預金口座に預金し分別管理する |
昨年から変わったところは以下の通りです。
<maneo>
・貸し出し時に徴収されていた手数料(貸出金額の1.5%)が廃止された。
AQUSHとSBIソーシャルレンディングは特に変化はありません。
貸し手にとって3社のうちどこを利用するのが有利でしょうか?
まず金利をみたいと思います。
まずmaneoについては、過去の案件の中でもっとも金利の低いものは年利4.0%で、もっとも高いものは10.0%でした。
maneoでは自分で案件を選択可能なので、高金利を狙いたければ高い金利の案件を選択すればよいわけです。
(ただし常時高金利の案件が募集中とは限らないので、タイミングによってはしばらく待つ必要があります)
一方AQUSHでは、貸し手は借り手の信用度に応じたグレードと金利を選択できます。
当然信用度の低いほうが金利が高くなる傾向があります。
もっとも金利の高いグレードDでは、平均運用利回りは11.5%です。
なお、貸し出し金利を選択できるということは、例えば「グレードAAの15%」に投資をしたりすることも仕組み上は可能です。
ただしそうした投資を行っても、借り手がつかないので実際に融資が行われることはまずありません。
実際には平均運用利回りを大きく上回る金利での融資は難しいでしょう。
SBIソーシャルレンディング(ファンド型)の平均運用利回りは6~8%です。
フリーローン(2年・3年)・借換ローン(3年)の3つのファンドがあるのですが、金利の傾向に大きな違いはありません。
高金利を狙うのであれば、maneoの高金利案件かAQUSHのグレードC・Dに投資するのがよいでしょう。
うまくすれば年利10%も狙うことができます。
次に手数料についてです。
現在maneoでは貸し手からの手数料はとっていません。
一方AQUSHとSBIソーシャルレンディングは、毎月、貸付金残高の0.125%の手数料を徴収しています。年利に換算すると1.5%です。AQUSH・SBIでの投資リターンを考える際は、この手数料を考慮する必要があります。
また、投資してから実際に融資が実行されるまでの期間に違いがあります。
maneoでは、投資した月末に融資が実行されます。ですので、月初に投資した場合は実行まで1か月程度かかることになります。
AQUSHでは、低い金利に投資すればそれだけ早く融資が確定しやすくなります。
ヒートマップを参照し、赤い箇所(需要の多い箇所)の金利に投資すれば即時に融資が確定することもあります。
しかし、平均運用利回りを大きく上回る金利に投資したりすれば、いつまでも融資が確定しないことになります。
SBIソーシャルレンディングでは、2週間ごとにファンドが生成されます。ですから、原則投資してから2週間以内で融資は確定します。
ただし、現状では借り手が非常に少なく、借入希望金額が投資金額を常に下回っている状態です。そのため、投資しても融資が確定するまでに何か月も「順番待ち」の状態になってしまうことがあります。
これは投資家側としてはどうにもできない問題なので、気長に待つか、あきらめて資金を引き揚げるしかありません。
資金を遊ばせることなく有効に活用したいのであれば、maneoかAQUSHを選択するのがよいでしょう。