ソーシャルレンディング3社の徹底比較(2012年版)(ビジネスモデル)
- 2012/03/21
- 22:13
ソーシャルレンディング会社比較 (内容・数値はいずれも2012年2月時点) | ||||
maneo(マネオ) | AQUSH(アクシュ) | SBIソーシャルレンディング | ||
ファンド型 | ||||
(フリーローン(2年・3年) | ||||
借換ローン(3年)) | ||||
ビジネスモデル | タイプ | オーダーメイド型 | ファンド型 | ファンド型 |
(オーダーメード型および証券担保ローンファンド型も実施) | ||||
ビジネスモデル | ・事業性ローンのみ | ・複数の借り手に対して貸し手も複数 | ・複数の借り手に対して貸し手も複数 | |
・1人の借り手に対して貸し手が複数 | ・借り手を審査し、信用リスクを客観的に格付評価した「AQUSHグレード」(5段階)を提示 | ・2週間ごとに新たなファンドが生成される。募集期間終了後に貸出金利が決定され、融資が実行される。 | ||
・貸し手は、借入目的・事業内容などの情報を元に借り手を選び、貸出金額を指定する。 | ・投資家は借り手を直接指定できず、グレードと金利を指定して投資する。 | ・投資家は借り手を直接指定できない | ||
・ファンド型のほかにオーダーメード型および証券担保ローンファンド型も実施 | ||||
金利決定の仕組み | ローン募集時に借り手が決定 | 金利は、ローン募集期間中に貸し手が決める。低い金利を設定した貸し手から優先的に貸出が実行される。 | 借り手側金利はSBIソーシャルレンディングが審査結果を基に決定。 | |
募集期間終了後に全借り手の金利から貸出金利が決定され、融資が実行される。(全借り手金利の平均が貸出金利となる) | ||||
(=融資が確定してからでないと金利がいくらになるか決定しない) | ||||
収益源 | ・借り手金利と貸し手金利の差(=maneo金利)が収益源。 | ・ローン成立時に、借り手から貸出金額の4%に相当する手数料を徴収 | ・ローン成立時に、借り手から貸出金額の3%に相当する手数料を徴収 | |
・maneo金利の利率はローンにより異なるが、5~6%程度。 | ・貸し手から毎月貸付金残高の0.125%の営業者報酬を徴収(年利1.5%) | ・貸し手から毎月貸付金残高の0.125%の手数料を徴収(年利1.5%) | ||
特徴 | ・貸し手は借り手に対して質問できる。 | ・投資先を自動で分散してくれる。 | ・貸し手の資金が融資されるかどうかは早い者勝ち | |
・借り手から優待が受けられるローンがある |
昨年からの違いは以下の通りです。
・maneoは個人向けローンから撤退し、事業性ローンのみとなりました。
・maneoの貸し出し時手数料(貸出金額の1.5%)が廃止となりました。
・SBIはファンド型のほかにオーダーメード型および証券担保ローンファンド型も実施
(AQUSHは特に変更なし)
改めてビジネスモデル上のメリット・デメリットを整理すると以下の通りとなります。
<maneo>
■貸し手にとって
●メリット
・企業のビジネスモデル・借入目的などの情報を元に借り手を直接選ぶことができる。
・借り手と直接コミュニケーションができる。
・仕組みがわかりやすい。
・借り手を決めれば、貸付は必ず行われる。
・一部のローンではレンダー優待がある。
●デメリット
・借り手の情報を元に信用度を見極める力が必要になる。
・投資先を自動的に分散させる仕組みはない(リスク分散は自分で行う必要がある)
■借り手にとって
●メリット
・自分で金利を決められる。
・貸し手に対して借入目的や熱意・お礼などを伝えることができる。
<AQUSH>
■貸し手にとって
●メリット
・借り手の情報を元に信頼性を判断する必要がない。(借り手の情報はそもそも見られない)
・自動的にリスク分散される(各グレードの中で自動的に分散投資される)
●デメリット
・慣れるまでやや仕組みがわかりにくい
・投資先のグレード・金利によってはなかなか貸付が実行されない。
・貸し手から毎月貸付金残高の0.125%(=年利1.5%)の営業者報酬を徴収
■借り手にとって
●メリット
・信用状況や借入目的などの情報を投資家に公開しなくてよい
・自動的に最適な金利が提示される。(自分で決める必要はない)
●デメリット
・ローン成立時に、借り手から貸出金額の4%に相当する手数料が徴収される。
<SBIソーシャルレンディング(ファンド型)>
■貸し手にとって
●メリット
・借り手の情報を元に信頼性を判断する必要がない。(借り手の情報はそもそも見られない)
・自動的にリスク分散される(自動的に分散投資される)
●デメリット
・融資が確定してからでないと金利がいくらになるか決定しない
・なかなか融資が実行されないことがある
・貸し手から毎月貸付金残高の0.125%(=年利1.5%)の営業者報酬を徴収
■借り手にとって
●メリット
・信用状況や借入目的などの情報を投資家に公開しなくてよい
●デメリット
・ローン成立時に、借り手から貸出金額の3%に相当する手数料が徴収される。
どこも一長一短ですが、貸し手としては、借り手を直接選びたければmaneo・借り手を分散させてリスクを自動で分散させたいならAQUSHかSBISLを選択するのがよいでしょう。
ただし、ビジネスモデル以外にも比較すべき要素はあります。
次回以降見ていきたいと思います。