ソーシャルレンディング3社の徹底比較(2012年版)(1)
- 2012/03/03
- 19:47
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ソーシャルレンディング3社の徹底比較(1)
それから約1年が過ぎ、いろいろとサービス内容が様変わりしたり実績が明らかになってきたところもあるので、再度整理してみたいと思います。
ソーシャルレンディング会社比較 (内容・数値はいずれも2012年2月時点) | ||||
maneo(マネオ) | AQUSH(アクシュ) | SBIソーシャルレンディング | ||
ファンド型 (フリーローン(2年・3年) 借換ローン(3年)) | ||||
ビジネスモデル | タイプ | オーダーメイド型 | ファンド型 | ファンド型 (オーダーメード型および証券担保ローンファンド型も実施) |
ビジネスモデル | ・事業性ローンのみ ・1人の借り手に対して貸し手が複数 ・貸し手は、借入目的・事業内容などの情報を元に借り手を選び、貸出金額を指定する。 | ・複数の借り手に対して貸し手も複数 ・借り手を審査し、信用リスクを客観的に格付評価した「AQUSHグレード」(5段階)を提示 ・投資家は借り手を直接指定できず、グレードと金利を指定して投資する。 | ・複数の借り手に対して貸し手も複数 ・2週間ごとに新たなファンドが生成される。募集期間終了後に貸出金利が決定され、融資が実行される。 ・投資家は借り手を直接指定できない ・ファンド型のほかにオーダーメード型および証券担保ローンファンド型も実施 | |
金利決定の仕組み | ローン募集時に借り手が決定 | 金利は、ローン募集期間中に貸し手が決める。低い金利を設定した貸し手から優先的に貸出が実行される。 | 借り手側金利はSBIソーシャルレンディングが審査結果を基に決定。 募集期間終了後に全借り手の金利から貸出金利が決定され、融資が実行される。(全借り手金利の平均が貸出金利となる) (=融資が確定してからでないと金利がいくらになるかは決定しない) | |
収益源 | ・借り手金利と貸し手金利の差(=maneo金利)が収益源。 ・maneo金利の利率はローンにより異なるが、5~6%程度。 | ・ローン成立時に、借り手から貸出金額の4%に相当する手数料を徴収 ・借り手から毎月貸付金残高の0.125%の営業者報酬を徴収(年利1.5%) | ・ローン成立時に、借り手から貸出金額の3%に相当する手数料を徴収 ・借り手から毎月貸付金残高の0.125%の手数料を徴収(年利1.5%) | |
特徴 | ・貸し手は借り手に対して質問できる。 ・借り手から優待が受けられるローンがある | ・投資先を自動で分散してくれる。 | ・貸し手の資金が融資されるかどうかは早い者勝ち | |
借り手関連 | 金利(借り手側) | (不明) | 6.74%~17.92% (平均ローン約定金利11.0%) ・借り手は金利を指定できない。(AQUSH内のマーケットにより決定される) | ・フリーローン:6.0%~17.5% ・借換ローン:9.5%~14.5% ・金利はSBISLが決定 |
借入限度額 | (不明) | 10万~300万円 | ・フリーローン:10万円~300万円 ・借換ローン:10万円~500万円 | |
手数料(借り手側) | なし | 借入時に借入金額の4.0%相当額 | 借入元本の3.0% | |
使用用途 | FCの開業費用やコーポラティブハウスの建設費用などテーマ性の高い借入目的 | 自由 | ・フリーローン:自由(借換は除く) ・借換ローン:借換のみ | |
担保・保証人 | フランチャイザーや法人代表者などが保証人となる場合がある。 不動産などが担保として供される場合もある。 | 不要 | 不要 | |
借入資格 | 国内在住の法人 「会社の実在性や事業実態があることは、当然の前提となりますが、 一見のお客さまでは、これを必ずしも担保出来ないことから、 原則的には弊社に関係する方からのご紹介がある方を対象としております。」(maneoサポート回答より) | ・本人確認が取れること ・300万円以上(目安)の年収があること ・20歳以上70歳以下 ・借入過多でないこと ・2年以上の信用履歴があること ・(クレジットカードまたはローンの取引実績があること) ・過去5年以内に債務不履行していないこと | ・本人確認が取れること ・在籍確認が取れること ・年収300万円以上であること ・日本在住の20歳以上65歳未満であること (日本在住の外国籍の場合はは永住権があること) ・必要書類(源泉徴収や保険証のコピーなど)を提出し、 SBIソーシャルレンディング社の審査に通ること | |
借入実施までの期間 | 各ローンによって異なる。 | 申し込みから最短4営業日 (出資金の状況によりもっとかかる可能性あり) | 2週間(出資金の状況によりもっとかかる可能性あり) | |
審査 | ・融資対象先の業種や財務内容の確認 ・会社訪問と社長面談 ・会社の現場確認 ・担保設定や売り上げの入金口座を抑えることで返済を確実にするための工夫 ・最終的には役員会で融資の可否を決定 (マンガでわかるmaneoより) | ・JICC(主に消費者金融の取引情報)とCIC(主にクレジットカードや割賦などの取引情報)という2つの個人信用情報機関に加入し、これらのデータベースから借入希望者の過去の信用履歴を確認 ・この情報を精緻に分析するため、信用スコアリングモデルの世界最大手FICO(ファイコ)社のテクノロジーを採用して個人の信用リスク審査・分析を実施 ・勤務先や家族構成などの属性情報も考慮して総合的に分析 ・使用用途は審査対象外 | 個人信用情報機関を通じて、借手のクレジットカード会社や消費者金融会社との取引履歴を取得し、勤務先や年収などの属性情報も考慮して、厳密な審査を行う。 尚、審査は国内大手銀行系シンクタンクのアドバイスを元に開発したスコアリングモデルを利用して行う。 また、約4億件の電話回線のデータベースを利用する事や、借手の資金需要先へ直接貸付金を振り込む事等で、不正防止対策を徹底する。 | |
借入審査の通過率 | 未公開 | 16.9% | - | |
借入期間 | 2か月~36か月 | 一律36ヶ月 | フリーローン:24ヶ月または36ヶ月 借換ローン:36ヶ月 | |
返済方式 | 毎月所定の元利金を返済(元利均等返済) ※一定期間の元金返済据え置き期間がある場合や最終返済日に元金一括返済の場合などもある。 | 月々元利均等返済 | 元利均等返済 | |
遅延損害金 | 年率14.5% | 年率14% | 年率20.0% | |
期限前返済 | 期限前返済の有無は各ローンによって異なる。 | 可能・手数料なし | 可能・手数料あり ① 貸出金残存期間が2年以上の場合・・・期限前返済金額×2.0% ② 貸出金残存期間が1年以上2年未満の場合・・・期限前返済金額×1.5% ③ 貸出金残存期間が1年未満の場合・・・期限前返済金額×1.0% | |
貸し手関連 | 金利(貸し手側) | 4.0%~9.5% | 4%~15% (平均運用利回り6.6% (営業者報酬・貸倒金控除後)) | ・フリーローン:6.0%~17.5% ・借換ローン:9.5%~14.5% ・金利はSBISLが決定 ・金利は貸出確定後に決定される。 |
投資額 | 1万円~ (ローンによっては最低投資額がもっと大きいものもある) | 5万円~2000万円 | 1万円~ | |
手数料(貸し手側) | なし | 毎月、貸付金残高の0.125% | 毎月、貸付金残高の0.125% | |
投資してから実際に融資が実行されるまでの期間 | 最大1カ月 | 低い金利を提示すれば早く融資が実行されるが、高い金利を提示すれば融資まで時間がかかる。 | 原則2週間 (借り手の希望金額総額が貸し手の投資金額よりも少ない場合はさらにかかる) | |
出資金の保全 | maneoエスクロー社による分別管理 | 分別された口座にてエクスチェンジコーポレーションの資産とは区別して管理 | 匿名組合員出資金は、会社の固有財産を保管する銀行預金口座とは別の銀行預金口座に預金し分別管理する | |
実績 | ローン成立件数(累計) | 192件 | 未公開 (けにごろう推定:約1800件)(ローン成立金額推定5億円/一人当たり貸出金額平均27.7万円) | 57件 |
ローン成立金額(累計) | 22億円 | 未公開 (けにごろう推定:5億円) ローン申込額30億円×審査通過率16.9%) | 6400万円 | |
利用者数(累計) | 約2.2万人 | 約8000人 | 未公開 | |
貸し倒れ率(件数ベース) | 0% (2011年6月まで実施していた個人向けローンでは13.7%) | 未公開 | 0% (ただし返済遅延の発生率は3.5%) | |
貸し倒れ率(金額ベース) | 0% (2011年6月まで実施していた個人向けローンでは13.2%) | 0.4% (ただし返済遅延は発生している。発生率は未公開) | 0% (ただし返済遅延の発生率は8.7%) | |
運営会社の経営状況 | 単月度黒字 (金額は不明) | 未公開 (けにごろう推定:おそらく赤字と思われる) | 未公開 (けにごろう推定:おそらく赤字と思われる) | |
運営会社情報 | 運営会社 | maneo株式会社 maneoマーケット株式会社 maneoエスクロー株式会社 | 株式会社エクスチェンジコーポレーション | SBIソーシャルレンディング株式会社 SBIソーシャルレンディングサポート株式会社 |
サービス開始 | 2008年10月 | 2009年12月 | 2011年3月 | |
URL | https://www.maneo.jp/ | https://www.aqush.jp/ | http://www.sbi-sociallending.co.jp/ | |
備考 | ・かつて個人向けローンも手掛けていたが、2011年6月からは撤退し、事業性ローンに特化 ・2011年6月よりUBIグループの傘下に | - | - |
次回から項目ごとに見ていきたいと思います。