決算書から見たUBI株式会社の安全性は?
- 2012/02/15
- 22:58
さて、ソーシャルレンディング各社は、現在のところいずれも決算書を公開していません。
なので、倒産する危険性がどの程度あるのかを判断する材料が少ないのが現状です。
ただ、3社のうちmaneo自身は決算書を公開していないのですが、グループの母体であるUBI株式会社は決算書を公開しています。
↓
UBI株式会社業績
もしUBI株式会社が倒産するようなことがあればmaneoの経営にも大きな影響を与えると思われるので、その危険性がどの程度あるのかを決算書から見てみたいと思います。
しかしここで一つ問題があります。
実は私は決算書を読んだことがなく、見方をあまり良く知らないのです。
「B/S」や「P/L」などの言葉は聞いたことはありますが、具体的にどこをどう見たらよいのかはわかりません。
こんな投資ブログなどを書いていながら大変恥ずかしいのですが、仕方がないのでこの機会に勉強すべく、ブックオフで適当な本を買ってきました。
↓
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2006年の本なので若干古いような気もしますが、決算書の基本はたぶんそうそう変わらないと思うので別に問題ないでしょう。
初心者向けにわかりやすく書かれており、ポイントがよくまとまっています。
さて、この本によると、財務分析の着眼点は、大きく以下の3つであるとのことです。
①収益性
②安全性
③成長性
私が今UBI株式会社について一番知りたいのは、「②安全性」です。
倒産する危険がどの程度か、という意味での安全性です。
株式投資をするわけではないので、UBI株式会社が今後成長するかどうかはあまり重要ではありません。
極端に言えば、投資資金を回収するまでの間とりあえず倒産しなければ良いわけです。
安全性を表す指標として代表的なのは、以下の2つだそうです。
「自己資本比率」(高いほうがよい)
「負債比率」(低いほうがよい)
これらの指標についてみてみたいと思います。
また、決算書を見るときは、以下の3つの観点で見る必要があるとのこと。
(1)同業他社と比べる
(2)過去と現在を比べる
(3)計画と実績を比べる
まず、UBI株式会社の決算書の2007年から2010年までの経年での比較をしてみたいと思います。
(2011年の決算書は現時点でまだ公表されていませんでした)

ぱっと見て気づくのは以下の2点です。
・総資産・自己資本・有利子負債は2008年から2009年にかけて大きく減っている・・・①
これについては、2009年の決算概要に以下の記述がありました。
(以下引用)
平成21年12月期決算では、所有不動産等を保守的に評価し直し、大幅に評価損を計上いたしまし
た。 創業来のB/S重視の経営が、特別損失の計上にも耐えうる体力を培ったものと考えております。
またここから、我々のビジョンに向けてスタートします。
(引用終わり)
総資産・自己資本の減少は、不動産の評価を見直し、評価損を計上したことによるもののようです。
・2009年から2010年にかけて自己資本比率が向上し、負債比率が低下している・・・②
2009年から2010年にかけて、総資産はやや減少していますが、自己資本は増加し、有利子負債は減っています。
財務体質の改善を図ったようで、安全性は向上したと言えそうです。
さて、次に同業他社と比較してみたいと思います。
まず、UBI株式会社の同業他社としてどの会社を選ぶのがふさわしいのか、という問題があります。
UBI株式会社の事業内容としてサイトのトップに記載されているのは、「不動産投資事業」です。
不動産投資事業を手掛けている会社として、「住友不動産販売」を選びました。
比較結果は以下の通りです。

住友不動産販売とUBI株式会社ではあまりに会社の規模が違いすぎましたね。総資産が30倍くらい違います。
比較対象として適切なのかという気もしますが、とりあえず見てみます。
・安全性を表す指標である「自己資本比率」は、住友不動産販売の方が高い(よい)・・・③
・安全性を表す指標である「負債比率」は、住友不動産販売の方が低い(よい)・・・③
いずれの指標も、住友不動産販売には負けています。
ただ、「あなたを変える「稼ぎ力」養成講座 決算書読みこなし編」によると、自己資本比率は30%以上あればひとまず安心ということのようですので、UBIが極端に悪いということではなさそうです。
負債比率も、2008年は2.0だったわけですから、それから比べるとだいぶ改善されていると言えそうです。
とりあえずすぐにもつぶれることはないと考えてよいのではないでしょうか。
2011年の決算が発表されたらまた見てみたいと思います。