【海外ソーシャルレンディング紹介】Zopa(2)
- 2011/05/06
- 07:13
・リスク管理
低い不良債権率
貸し手のお金を、信用の高い借り手だけが利用できるようにZopaは多くの安全対策を行っている。
しかしまた、Zopaは貸し手に対してマーケットごとの不良債権の予測値を提供している。貸し手は 自分たちの利率を設定する際にこの予測値を考慮に入れることができる。
Zopaは常に審査のプロセスを改善している。しかし、貸出のパフォーマンスについてのヒントが必要であれば、以下の通り四半期ごとの不良債権の概要を示す。
このチャートは、Zopaの全てのマーケット(リスティングでない)で扱われている貸出が、Zopaの予想と比較して実際にどれだけのパフォーマンスを上げているかを示している。

(グレー:想定不良債権率 /赤:実際の貸し倒れ率 /黄:現在の返済遅延からの想定貸し倒れ率)
ここでは、「不良債権 = 貸し倒れ」のようです。
このグラフからすると、貸し倒れ率の見込み(赤+黄色)は、5年前は低かったのがだんだん高くなり、2~3年前には4%に上っています。それ以降はまた下がり、直近の1年以内では1%以下になっています。
貸し倒れ率4%といえば日本のAQUSHと比べても高い水準です。貸し手が離れていったのではないでしょうか。2~3年前にいったい何があったのでしょうか。
このグラフは、3年以上前の貸出はZopaの予測よりもはるかに良かったことを示している。
2~3年前の貸出は予測よりも悪かったが、それ以降の貸出のパフォーマンスは回復している。
これらの変化は、国内経済状況の悪化の結果であった。
これに伴い、Zopaは不良債権を予測水準以内にするよう審査基準を調整した。
2~3年前といえば2008年のリーマンショックのときです。
経済が大きく悪化すると、やはりソーシャルレンディングの貸し倒れ率も高まるようです。
個人向けの貸出は景気や為替などの経済動向の影響を比較的受けにくいのかと思っていましたが、そうでもないようです。
この点は日本のソーシャルレンディングでの貸出を行う際にも注意が必要ですね。
あまり長期の貸出は避けた方が良いという教訓が得られるのではないでしょうか。
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