ソーシャルレンディングはどのアセットアロケーションと考えたらよいか
- 2011/05/04
- 20:21
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保有資産の比率をどのようにするかを十分考え、一度決めたらそれをずっと維持し続けることが長期的な投資において最も大事だということです。
自分も、まだ投資歴は4年ほどしかありませんが一応この教えをずっと守っています。
この本の中では、資産を6つのアセットクラスに分けて考えています。
①流動性資産(現金・普通預金などいつでも換金できるもの)
②日本株式
③日本債券
④外国株式
⑤外国債券
⑥その他
さて、この本は2006年に書かれたものなので、当然ですがソーシャルレンディングは全く出てきません。
ソーシャルレンディング投資はこの分類でいくとどのアセットクラスと考えたらよいのでしょうか。
自分は、③日本債券だと考えています。
個人向け国債や社債、あるいはそれらを組み入れた投資信託などがこのアセットクラスに分類されるのですが、国内の個人や企業に融資するソーシャルレンディングもここに一番近いと考えてよいでしょう。
また、投資のリスクとして、以下の5つが挙げられています。
(A)価格リスク(株式の価格が下がってしまうリスク)
(B)金利リスク(金利の上昇により債券の価格が下がってしまうリスク)
(C)為替リスク
(D)信用リスク(企業や国の倒産によるリスク)
(E)流動性リスク(資産がすぐに現金化できないリスク)
ソーシャルレンディングにあるのは、今のところ(D)信用リスクと(E)流動性リスクです。
そもそもソーシャルレンディングの債権を売買できるような市場がないので、(B)金利リスクのように債権自体の価格が下がるということはありません。
もっとも、この本の中では、「債券で信用リスクをとるべきではない」と述べられています。万一の場合に元本をすべて失うリスクがあるためという理由です。安全な国債に投資すべきということです。
しかし、現在の国債の超低金利を見ると、ある程度信用リスクをとってでもミドルリターンを目指した方がよいように思います。融資先の分散と見極めによりある程度リスクは回避可能だと考えます。
また、最近はギリシャ・スペイン国債のデフォルトが取りざたされたり、日本国債の格付けが下げられたりしています。国債がそれほど安全とも言えなくなりつつある状況です。
もちろん全資産をソーシャルレンディングに振り向けるようなことはすべきではありませんが、きちんとアセットアロケーションを守り、その日本債券の範囲の中で国債などからソーシャルレンディングに資産を振り向けるのは理にかなった行動でしょう。
