クラウドバンクにて総額10億円の返済遅延発生
- 2023/06/14
- 05:00
<以下クラウドバンクサイトより引用>
2023年5月8日 掲載
クラウドバンク匿名組合の営業者であるクラウドバンク・フィナンシャルサービス株式会社(以下、「本営業者」といいます。)は、DR社(以下、「本債務者」といいます。)に対して融資を行なっており(以下「本件融資」といいます。)、本件融資の最終弁済日は2023年3月29日であるところ、5月8日現在におきましても元本の返済を受けておりません。
つきましては、運用額の全部または一部を本件融資債権の取得に充てて運用しておりますファンド(下記【対象ファンド】に記載のファンド。以下「対象ファンド」といいます。)は、本件融資元本の償還を2023年5月10日に予定しておりましたが、誠に遺憾ながら本件融資債権の全額が回収されるまで、または回収額が確定するまで、募集時に予定しておりました運用期間を延長することになりましたので、謹んでご案内申し上げます。
償還をお待ちいただいていたお客様にはご迷惑おかけいたしますことを深くお詫びするとともに、ご理解を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
なお、本件融資債権以外の融資債権につきましては、通常通りの運用・分配・償還を行います。
【現在の状況について】
本債務者は、本件融資の担保であるバイオマス発電所の権利を有するSPCの持分を最終弁済日までに売却する計画であったものの、売却候補先との交渉等に時間を要しており、5月8日現在においても売却に至らず、本件融資の元本が返済できない状況にあります。
本債務者にて引き続き売却活動を行う一方で、本営業者においても、既に新たな売却候補先との面談及び交渉を行なっており、担保の売却による元本の回収に努めております。
また、本営業者は、連帯保証人に対して内容証明郵便にて返済の催促を行い、連帯保証人の代理弁護士と複数回面談を重ねて保証債務の履行を請求しておりますが、連帯保証人は連帯保証契約の無効を主張しています。
当社といたしましては、連帯保証契約の締結を決議した連帯保証人の取締役会議事録及び連帯保証人の印鑑証明書等を本営業者が受領し、連帯保証に関する契約条項が定められた金銭消費貸借契約書が締結されていることから、連帯保証契約は有効であると判断しており、本営業者は訴訟も視野に入れ、保証の履行を求めております。
本債務者・連帯保証人の会社名及び本件融資のスキーム等については、対象ファンドのうち、本債務者を主要な融資先とするファンドの会員限定情報ページに記載しております。
本債務者の本件債務の履行及び連帯保証人への保証債務履行の請求を続けるとともに、本営業者自らも担保の処分に取り組み、お客様の出資金の早期回収に全力を尽くす所存でございます。
<引用終わり>
返済遅延が発生したDR社は、株式会社JEPという会社で、主な業務内容は再生可能エネルギー事業に関わるコンサル・仲介業務です。
また、連帯保証人は、伊藤忠丸紅住商テクノスチール株式会社という会社です。
返済遅延が発生しているファンドは下記11件で、遅延総額は10億円です。
クラウドバンクの累計募集額は2296億円で、返済遅延率は0.4%となります。
10億円という金額は確かに大きいですが、返済遅延率としてはそれほど高い数字とは言えないでしょう。
なお、現時点での各社のデフォルト・返済遅延発生状況は以下の通りです。
また、クラウドバンクでは2015年・2016年にも返済遅延が発生していますが、いずれもその後完済されています。
クラウドバンクにおいて9ファンドで運用期間延長が発生
クラウドバンク 運用期間延長の発生状況
クラウドバンク 運用期間延長ファンドについてすべて完済
クラウドバンク 3ファンドで返済期間延長が発生
また、5月26日にはクラウドバンクより以下の報告がされています。
<以下引用>
2023年5月26日 追記
2023年5月8日掲載の「償還の遅延に関しまして」に追記させていただきます。
本営業者は、5月16日にも連帯保証人の代理弁護士と面談いたしましたが、連帯保証契約に関しましては締結した事実はないとのみ主張しており、本日までその理由・根拠等を明らかにしておりません。
これまでの面談等の内容から、連帯保証人に保証契約を履行する意思がないと判断したため、営業者にて訴訟の準備を始めております。
なお、営業者は融資実行前に連帯保証人の本社の応接室にて連帯保証人の取締役及び部長と面談しており、連帯保証契約の締結を決議した連帯保証人の取締役会議事録、連帯保証人の印鑑証明書等は、後日、連帯保証人において当時部長を務めていた者から直接本営業者が受領したものであり、債務者(DR社)から受領したものではありません。
<引用終わり>
さらに、6月6日には以下の報告がされています。
<以下引用>
2023年6月6日 追記
この度は融資先からの返済の遅延によりご心配、ご迷惑をおかけしておりますこと、深くお詫び申し上げます。
連帯保証人の代理人弁護士より、5月31日付の電子内容証明郵便を印影鑑定書とともに受け取りました。
当該電子内容証明郵便の要旨は次のとおりです。
・連帯保証人の部長が、連帯保証人の代表印を偽造して勝手に押印した旨、別人を連帯保証人の取締役であるかのように装って面談した旨、および取締役会議事録は偽造した旨を認めている。したがって、連帯保証人と本営業者との間で連帯保証契約を締結した事実はない。
・当該取締役会が連帯保証人において開催された記録はない。
・日本クラウド証券に対し、2023年6月7日までに、事実と異なる記載を撤回したプレスリリースを行うとともに、ファンドの会員限定情報ページの記載についても修正するよう申し入れる。
・上記期限までに対応しない場合には、連帯保証人において法的措置を検討せざるを得なくなる。
印影鑑定書によれば、連帯保証契約書の印影が偽造されたものであることはある程度信憑性があると思われるものの、当該印影は肉眼では識別できないほど精巧なものであり、印鑑証明書と同一の印影であると本営業者が認識したことに過失はなかったものと考えております。
また、連帯保証人の代表印が押印された書類を入手する際には、本営業者は必ず連帯保証人の印鑑証明書を添付するように求めており、本営業者は連帯保証人の印鑑証明書を取得しておりますが、当該印鑑証明書の真偽については、連帯保証人より何らコメントはされておりません。
なお、その他の連帯保証人の主張につきましては具体的な根拠等が示されておりませんので、本営業者としましてはその真偽を確認することができません。
そのため、連帯保証人に対して質問書を送付し、事実確認を行っているところです。
仮に連帯保証人の主張が事実だとしますと、本件は、連帯保証人の本社応接室において行われた詐欺的行為であることを連帯保証人が認めていることとなりますので、刑事・民事両面での法的措置を検討することとなります。
訴訟を提起した場合には解決まで長期化することが予想されますので、出資いただきましたお客様には重ねてご迷惑をおかけすることとなりますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
なお、訴訟となりました際の費用につきましては、債務者等から徴収できない場合は営業者が負担する予定でおります。
<引用終わり>
連帯保証人である伊藤忠丸紅住商テクノスチール株式会社は、
・同社の部長が、連帯保証人の代表印を偽造して勝手に押印した
・同社の部長が、別人を連帯保証人の取締役であるかのように装って面談した
・同社の部長が、取締役会議事録を偽造した
・したがって、連帯保証人とクラウドバンクの間で連帯保証契約を締結した事実はない。
と主張しているそうです。
もしこれが本当だとすると、その部長?による計画的な詐欺ということになりそうです。
ただ、連帯保証人である伊藤忠丸紅住商テクノスチール株式会社は総合商社及び大手鉄鋼会社が出資する会社であり、組織的にこうした詐欺を行う可能性は低いと考えられるので、その部長による個人的な犯罪なのかも知れません。
今後の展開を注視したいと思います。
次回は「ソーシャルレンディング事業者紹介および評価(2023年版)「リンプル」「大家どっとこむ」」の予定です。





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