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【記事紹介】ソーシャル・レンディングの 機能 ―maneoの事例を題材に―

東北大学の准教授の森田 果さんが書かれた論文を紹介します。

ソーシャル・レンディングの機能―maneoの事例を題材に―

大変素晴らしい論文です。
日本でのソーシャルレンディングに関する研究などほとんど無いに等しい状況の中で、ご自分で直接maneoの経営者にインタビューしたりして情報を集めつつ書いています。
maneoの仕組みと法律上の位置づけ・今後の課題について深く掘り下げた分析をしています。

<目次>
Ⅰはじめに
Ⅱソーシャル・レンディング
 1. ソーシャル・レンディングのバリエーション
 2. 「市場」モデル型ソーシャル・レンディングをめぐる理論的問題
Ⅲ. maneo のメカニズム
 1. maneoの組織構造
 2. ボロワーとの関係
 3. レンダーとの関係
Ⅳ. 金融規制との関係
 1. 貸金業法
 2. 出資法
 3. 金融商品取引法
Ⅴ. maneo の機能
 1. 「市場」モデル型ソーシャル・レンディングに対する誤解
 2. 「市場」モデル型ソーシャル・レンディングの機能
 3. 「市場」モデル型ソーシャル・レンディングにおけるエージェンシー問題
Ⅵ. maneo の持続可能性
 1. maneoの収益構造
 2. maneoの将来
Ⅶ. 終わり


<内容紹介>
■maneoのような「市場」モデル型ソーシャルレンディングの抱える問題として、以下の2つがある。

第一に、借手が有しているリスクのタイプについての情報が金融機関に入手しにくいため、単純に貸出をしただけでは、高リスクタイプの貸手だけが貸出を申込んで貸出利率が上昇し、低リスクタイプの貸手が排除されてしまうという逆選択の問題がある(①)。
(ブログ管理者注:仮にmaneoにおいて借り手の情報が一切貸し手に公開されず、金利だけが表示されるような状況があったら、貸し手はみんな高金利の借り手にしか貸さなくなるということを言っています)

第二に、いったん貸出をした後に、借手が、低リスクなプロジェクトに投資するのではなく、高リスクなプロジェクトに投資することによってローンの返済ができなくなってしまい、それを見込んでそもそも金融機関がローンを提供しなくなってしまうという、モラル・ハザードの問題もある(②)。
(ブログ管理者注:maneoにおいて借り手が資金用途を偽って借りて、あげくの果てに返済不能に陥ってしまう、ということを言っています)

①の問題について、maneoではを通じて解決を図っている。
 ・信用審査
 ・maneo scoreの公開
 ・借入目的・経済状況などの属性情報の貸し手への公開

②の問題については、貸し手が自ら借り手の属性情報を見たり質問したりして判断することで解決を図っている(リスクは貸し手が負っている)

■maneoのビジネスは、「貸金業法」「出資法」「金融商品取引法」のいずれにも抵触しないように設計されている。

■maneoは、従来銀行が貸さなかったような信用力のない層に対してお金を貸すわけではない。銀行からも借りられるような借り手に対し、より低金利・低コストな借り入れという新たな選択肢を提供している。これは、従来大企業しかできなかった社債による借入が、小企業や個人でもできるようになったということと同じ意味を持つ。

■maneoの今後の課題は、優良な借り手をどう集めるかである。現時点では審査に通る借り手は10%以下で、無駄な審査のコストがかかっている。

<感想>
maneoについて深く理解し、その社会的な位置づけや今後の課題について的確な指摘がされています。
我々貸し手としても、maneoの優良な借り手が少なく、デフォルト率が高いことを非難するばかりではなく、銀行などの従来の金融機関との違い・リスクを正しく把握し、そのリスクを避けるために審査力を高めることが必要だと改めて感じました。











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中田健介(けにごろう)

Author:中田健介(けにごろう)
IT系企業に勤務しています。
2010年からソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)での資産運用を開始しました。
自分の運用実績、各社のサービス内容比較、業界の最新トピックなどを毎週2回(水・土)発信しています。

■著書
2015年3月7日にぱる出版より著書「年利7%!今こそ「金利」で資産を殖やしなさい!~日本初!融資型クラウドファンディング投資の解説書」を発売しました。
是非よろしくお願いいたします。

■興味のあるもの
 ・投資(これまでに実施したことがあるのは、投資信託・国債・FX・株式などです。)

■ソーシャルレンディングについて
 maneo・AQUSHとも2010年から始めました。
 ソーシャルレンディングは将来性のあるビジネスモデルです。自分も微力ながらこのブログを通じて知名度の向上に努めたいと思っています。

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