AI株式会社に勝訴したM氏が同社から資金を回収
- 2021/06/05
- 05:00
個人訴訟でトラストレンディングに勝訴!M氏インタビュー
その後、M氏は財産開示手続きを経て2021年5月18日付で、債権全額の回収に成功しました。
今回M氏に詳細をインタビューしました。
■インタビュー日時
2021年5月29日
■インタビュー内容
―今回回収した金額は
高速道路ファンドの投資金額60万円に、2019年11月から年5分の損害遅延金44219円をプラスして、合計64万4219円を回収した。
投資金額20万円の船舶艤装品ファンドについてはまだ裁判が継続中。
―どのようにして資金を回収したのか
判決が出たのは2020年11月24日で、12月にはAI社側が控訴しないことが確認できたが、その後入金がなかった。
AI社に問い合わせたが、一切返事がない。電話しても、資金は全投資家に平等に返す必要がある、というのみだった。
そこで、財産開示手続きを行った。
まず法務局の出張所に行き、AI社の登記簿を取った。
次に東京地裁に行き、債務名義という裁判に勝ったこと、送達証明書というAI社が敗訴を確認していることを証明する書類を取得した。
そこからまた法務局に行き、AI社がどういう財産を持っているか調べるために、AI社の事務所があるビルの所有者が誰なのか、賃貸なのかどうかを調べる手続きを行った。裁判記録などからAI社の所有ビルでないと初めから分かっているのに、それを証明するために発行手数料を負担し書類を揃えるのは正直イラついた。
そして目黒の民事執行センターに電話し、揃えた書類を伝えて漏れが無いことを確認し、現地に向かい申立書を記載し書類を提出した。
財産開示手続きは、また別の裁判になるので、裁判の手数料を支払った。
その手続きを経て2月頃、民事執行センターから4月に出頭するよう指示があった私とAI社の松本社長に命令書が届いた。
しかし、4月に松本社長が入院したので、一旦延期となった。
本当に入院しているのか私は病院側に念のため電話で確認したが、本当のようだった。
出頭の日時が変更され、5月11日となった。
当日、裁判所で財産開示手続きが行われた。
松本社長も出頭した。
出頭時には、AI社は財産目録を提出する必要がある。裁判官がそれを元に尋問した。また、私もいくつか質問した。
尋問は1時間ほど行われた。
裁判官もしっかり尋問してくれて、私の質問はほぼ全て採用してくれた。財産開示手続きは2020年4月の改正後、まだ事例が少ないらしいが、民事執行センターは書類提出や電話対応時など一貫し丁寧に対応してくれて、しっかり運用しようという意志が感じられた。
これでAI社の財産が明らかになった。
松本社長は、質問に対して「わからない」という回答が多く、隠している部分もあるかも知れないと感じたが、最後は観念したようで、「お金は支払う」と確約した。
64万4219円は1週間後に支払われた。
もともと私は財産開示手続きの後明らかになった財産に対して差し押さえを行う予定だったが、結局その前に資金は支払われた。
そのお金は財産目録で判明した、本社にある現金674900円からだと思われるが、なぜ現金があるのに振り込まないのか尋ねたら、松本社長は「高速道路の裁判の際に一度和解を申し出ているが、弁護士から、和解交渉をするのであれば、支払う金がないとできないと言われたので、現金はその時点で用意した」、とのことだった。ただ、人が少なくて振り込む時間がなかった、との言い訳だった。
AI社の財産の状況については今後の裁判でも影響する可能性があるので、現時点ではお話しすることはできない。
船舶ファンドの方については、別案件だったため、財産開示手続きの場では質問することはできなかった。
財産開示手続きを経て5月18日付で、債権全額の回収に成功した。
―財産開示手続きというのはどういう手続きか
私は、ネットで調べてそういう手続きがあることを知った。
財産開示手続き自体は以前からあったが、2020年4月に制度が改正され、虚偽を述べたりすることに対する罰則が強化された。
それ以前は、こうした少額のお金を取り返すのは難しいと弁護士にも言われた。
そうした債権回収はかつては探偵などの仕事だったと聞くが、改正後の財産開示手続きについては、弁護士にもあまりノウハウがないらしく、「結果は私にも是非教えてほしい」とまで言われた。
―AI社側は対抗策を行ったのか
特に行わなかった。
財産目録を提示した時点で観念したのではないか。
―財産開示手続きにはどの程度時間がかかったか
書類は2020年12月に提出した。2021年2月頃に裁判所から連絡がきて、4月に実施するとのことだった。結局4ヶ月かかったことになる。
ただ、手続きに必要な書類の作成については、執行センターの職員が丁寧に教えてくれたので、その場で作成できた。
―どの程度費用がかかったか
切手代6000円と、書類の取得に数千円程度。
―苦労した点は
色々な場所に行き、書類を集めるのに苦労した。費用も現金で支払う必要があった。最初に一括で払えば覚悟を決められるが、成功するかどうか分からない手続きで、500円程度の少額でも何かのたびに財布を開くのは地味に心理的ダメージが大きかった。
更にカードなど他の支払い方法は一切使えず、司法はIT化などの面で遅れていると感じた。
―松本社長も出席したとのことだが、どのような様子だったか。
松本社長とは会って話もしたが、居酒屋などにいそうな普通のおじさん、という印象だった。
ただ、話は上手く、コミュニケーション能力は高そうだと感じた。
朴訥とした感じで、あまり悪いことはできなそうな印象だった。その態度を見て、許してしまう人もいるような怖さを感じた。
―AI社が倒産しそうな雰囲気は感じられたか
倒産を想定していると感じることは裁判開始時からあった。
財産開示の内容を見る限り、いつ倒産してもおかしくはないが、倒産したら詐欺事件として訴えられる可能性があるので、倒産はさせたくないのでは。
回収しているポーズをとっている限り詐欺として立件するのは難しいと、警察では言われている。
―船舶ファンドの裁判の状況については
船舶ファンドの裁判については、2020年1月ころに船舶の事業状況を説明するよう要求を出しているが、まだ証拠となる文書が出てこない。
「貸金業の免許を返上した以上、ファンド運営能力はない」という理由で提訴した裁判なので、ファンドが動いていることを示せば一発で勝てる裁判のはずなのに。
文書提出命令を申し立て、一度裁判所に認められたが、それに対してAI社側が取り消しの訴訟を起こしており、自分が関与できない裁判で時間を取られている。
―私も含め、トラストレンディングに投資して返金されずにいる投資家は多くいる。その方々に何かアドバイスは。
高速道路ファンドのように、行政処分の中で実態がないと認定されているファンドについては、架空であることの立証がほぼ不要なので、裁判は比較的スムーズに進むと思う。
トラレンの行政処分対象外ファンド、他社のみんクレやラッキーバンクなどは、100%架空とは現時点で言い切れない体裁を取っているので、時間がかかり答弁も難しいだろうが、最終的には被害者が勝てると思う。
法的資格を持たない素人なりに、仮に本人訴訟でアドバイスするとすれば
①裁判で詐欺だと主張しない
②性質の違うファンドをまとめて争わない
③裁判するなら家族や友人に伝える(頻繁に裁判所や相手方弁護士から書面が届き、書類作成や出廷に時間を取られるので、伝えておかないと不信を抱かれる)
④弁護士の脅しを真に受けない
⑤本人訴訟者同士でネットワークを作っておく(謄写など負担を分散する、互いの答弁書を比較し裁判展開をシミュレート、相手方の齟齬や矛盾を発見し答弁に活用する、移送手続きなど自分が知らない手法を教えてもらう、など)
⑥分からないことはその場で聞き(法廷でも!)知ったかぶりをしない
⑦係員や裁判官が出すアドバイスや指示は99%守る
⑧法廷では無感情に徹する(投資詐欺案件は特に。損して怒る投資家VS金融に精通した冷静な弁護士という構図に見られたら勝てない)
⑨ネットや周囲の雑音を排する(投資詐欺案件で全額回収できるという意見は裁判開始時からほぼ皆無で、信頼する家族や友人からも「無理」と言われていた。ネットや周囲の意見を聞いていたら裁判は出来ない)
⑩裁判に全力集中せず趣味など日常を優先する(数年の長期戦になり、勝てるかどうかも分からないので、勝っても負けても戻れる日常を守っておく)
⑪出廷のための有給は日程変更に備えギリギリで取る
⑫審理を終えたら行く飲食店など出廷の楽しみを作っておく
といったところだろうか。
以上
次回は「ソーシャルレンディング事業者紹介および評価(2021年版)「TREC FUNDING」「CRE Funding」 」の予定です。
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