ソーシャルレンディング事業者紹介および評価(2021年版)「クラウドバンク」「クラウドクレジット」
- 2021/04/17
- 05:00
今回はクラウドバンクとクラウドクレジットです。

⇒クラウドバンク

概要
サービス名 | クラウドバンク |
運営会社 | 日本クラウド証券株式会社 |
サービス開始時期 | 2013年12月 |
ビジネスモデル | ソーシャルレンディング |
貸出金額実績(2020年) | 360.3億円(シェア33.8%、2位) |
平均利回り | 6.5% |
主な投資対象 | 各種事業者 |
貸倒率実績 (金額ベース・2021年3月時点・サービス開始以来累計) | 0.0% |
返済遅延率実績 (金額ベース・2021年3月時点) | 0.0% |
沿革
クラウドバンクは、AQUSHを運営するエクスチェンジコーポレーション社の元副社長である大前和徳氏が退職後、新たに立ち上げたサービスです。
開始当初のサービス提供会社は日本クラウド証券株式会社でした。
日本クラウド証券は、2013年に旧みどり証券に対して大前氏をはじめとする現経営陣がTOB(株式公開買い付け)を実施して買収し、社名を変更して誕生した会社です。
旧みどり証券はグリーンシートと呼ばれる未公開株式を扱っている証券会社でしたが、経営陣・社員とも買収後にほぼ入れ替わっており、実質的には新会社と言えます。
2013年12月に証券会社としては初めてのソーシャルレンディング「クラウドバンク」をサービス開始し、新興国マイクロファイナンスファンド・不動産担保型ローンファンド・中小企業支援型ローンファンドなどを次々とリリースし、順調なスタートを切りました。
しかし、2015年7月に金融当局より「分別管理を適切に行っていない」「顧客に対し必要な情報を適切に通知していない」といった指摘を受け、3ヶ月間の新規ファンド募集などの業務停止処分を受けました。
意図的に誤った情報を顧客に提供していたり、隠していた訳ではなかったのですが、旧みどり証券のシステムを改修して継続使用していたことが原因で、そうした指摘を受ける結果となりました。
業務停止期間中にシステム面・運営面の改善を行い、2015年11月から業務を再開しています。
2016年には、上記処分の責任を取る形で大前代表が辞任し、橋村 純氏に交代しました。
また、2018年には、米ドル建てで投資できるファンドをスタートしました。
2020年の貸出額は360.3億円・シェア33.8%とSBIソーシャルレンディングについで業界2位です。
なお、2020年5月現在、貸倒れ・返済遅延は発生していません。
評価
私けにごろうによる主観的な評価です。
あくまでご参考としてください。
2021年3月時点 | ||||
評価項目 | 評価基準 | クラウドバンク | ||
根拠 | 評価 | |||
利回り | B | |||
平均利回り | A:平均利回り8%以上 B:平均利回り6~8% C:平均利回り6%未満 | 6.5% | B | |
投資のしやすさ | A | |||
年間募集額(2020年)(単位:億円) | A:100億円以上 B:10億円以上 C:10億円未満 | 360.3 | A | |
ファンドの安全性 | A | |||
現時点での貸倒・返済遅延発生率 (募集総額に対するデフォルト額・返済遅延額の割合) | A:貸倒+返済遅延発生率1%未満 B:貸倒+返済遅延発生率3%未満 C:貸倒+返済遅延発生率3%以上 | 貸倒:0% 返済遅延:0% | A | |
平均利回り | A:平均利回り6%未満 B:平均利回り6~8% C:平均利回り8%以上 | 6.5% | B | |
サービス事業者自体の安全性 | B | |||
金融取引事業者の種別 | A:第1種 B:第2種、不動産特定事業 C:その他 | 第1種 | A | |
上場しているか、または上場企業・ベンチャーキャピタルからの出資を受けている | A:上場企業もしくはその関連企業である。 B:上場企業・ベンチャーキャピタルからの出資を受けている C:その他もしくは不明 | 金田 創氏が代表を務める法人などが出資者 | C | |
金融当局からの行政処分などを受けていないか | A:処分を受けていない B:軽微な指摘 C:重大な指摘・行政処分 | 2015年にシステムの不備で業務停止処分 2017年に業務改善命令 | B | |
運営力 | A | |||
システム(わかりやすいか、不具合等がないか) | A:わかりやすく不具合などがない B:わかりにくい。 C:不具合が存在する。 | わかりやすく不具合等もない | A | |
オペレーション(ミスや遅延がないか、要望・問い合わせに対する回答は適切・迅速か) | A:問題なし B:何らかの問題あり C:重大な問題あり | 問題なし | A |
****************

⇒【クラウドクレジット】

概要
サービス名 | クラウドクレジット |
運営会社 | クラウドクレジット株式会社 |
サービス開始時期 | 2014年7月 |
ビジネスモデル | ソーシャルレンディング |
貸出金額実績(2020年) | 52.8億円(シェア5.0%、3位) |
平均利回り | 9.0% |
主な投資対象 | 海外新興国個人・事業者 |
貸倒率実績 (金額ベース・2021年3月時点・サービス開始以来累計) | 0.0% |
返済遅延率実績 (金額ベース・2021年3月時点) | 8.9% (2019年5月時点) |
沿革クラウドクレジットは、海外の個人や事業者を対象とするソーシャルレンディングです。
これまで、ペルー、東欧、北欧、バルト三国、イタリア、カメルーン、ロシア、ジョージアなど、世界の様々な国に対して投資するファンドを募集しています。
代表の杉山智行氏は、東京大学卒で、ロイズTSB銀行出身です。
ロイズTSB銀行はイギリスの銀行で、東京にも支店がありましたが、2013年に日本から撤退してしまいました。
その後、杉山氏が当時のメンバーを集めてクラウドクレジットを立ち上げました。
日本は非常に低金利ですが、海外に目を向ければ金利10%以上の国は数多くあります。
クラウドクレジットは、日本の投資家からの資金をそうした国の個人や事業者に貸し出す仕組みを作り、お互いにメリットを得られるようにしたいとの理念を実現するサービスです。
クラウドクレジットの株主には、伊藤忠商事株式会社、マネックスベンチャーズ株式会社など有名企業も名を連ねており、注目度・期待度の高さを感じさせます。
様々な国に対するファンドを募集していますが、闇雲に組成しているわけではなく、金融の法整備がしっかりしており、財政や為替などもある程度安定している国を選んでいるとのことです。
短期間に次々と海外ファンドを組成できるのは、現地のソーシャルレンディングサービスと提携し、うまく役割分担をしているためです。
基本的には、最終的な借り手である個人や事業者に対する審査・貸付・回収は現地のサービスが行い、クラウドクレジットはそれらのサービスに対する資金の提供や回収などを手掛ける、といったスキームです。
利回りは5~15%とファンドによって大きく異なります。
また、サービス開始当初は為替ヘッジはなかったのですが、投資家からの要望が多かったため、2015年からは為替ヘッジありのファンドも募集しており、投資家が選択できるようになっています。
2020年の貸出額は52.8億円・シェア5.0%と業界3位の規模です。
なお、2019年5月時点で、返済遅延率は金額ベースで8.9%(けにごろうによる推計)です。

杉山代表
評価
私けにごろうによる主観的な評価です。
あくまでご参考としてください。
2021年3月時点 | ||||
評価項目 | 評価基準 | クラウドクレジット | ||
根拠 | 評価 | |||
利回り | A | |||
平均利回り | A:平均利回り8%以上 B:平均利回り6~8% C:平均利回り6%未満 | 9.0% | A | |
投資のしやすさ | B | |||
年間募集額(2020年)(単位:億円) | A:100億円以上 B:10億円以上 C:10億円未満 | 52.8 | B | |
ファンドの安全性 | C | |||
現時点での貸倒・返済遅延発生率 (募集総額に対するデフォルト額・返済遅延額の割合) | A:貸倒+返済遅延発生率1%未満 B:貸倒+返済遅延発生率3%未満 C:貸倒+返済遅延発生率3%以上 | 貸倒:0% 返済遅延:8.9% (2019年5月時点) | C | |
平均利回り | A:平均利回り6%未満 B:平均利回り6~8% C:平均利回り8%以上 | 9.0% | C | |
サービス事業者自体の安全性 | A | |||
金融取引事業者の種別 | A:第1種 B:第2種、不動産特定事業 C:その他 | 第2種 | B | |
上場しているか、または上場企業・ベンチャーキャピタルからの出資を受けている | A:上場企業もしくはその関連企業である。 B:上場企業・ベンチャーキャピタルからの出資を受けている C:その他もしくは不明 | 伊藤忠商事株式会社、マネックスベンチャーズ株式会社などが出資者 | A | |
金融当局からの行政処分などを受けていないか | A:処分を受けていない B:軽微な指摘 C:重大な指摘・行政処分 | 処分を受けていない | A | |
運営力 | A | |||
システム(わかりやすいか、不具合等がないか) | A:わかりやすく不具合などがない B:わかりにくい。 C:不具合が存在する。 | わかりやすく不具合等もない | A | |
オペレーション(ミスや遅延がないか、要望・問い合わせに対する回答は適切・迅速か) | A:問題なし B:何らかの問題あり C:重大な問題あり | 問題なし | A |
次回は「2021年2月 投資中ファンド一覧 」の予定です。
上場企業・有名企業への投資
マザーズ上場企業が手掛ける不動産クラウドファンディング

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