株式会社バンカーズ代表取締役 澁谷 剛氏インタビュー(2)
- 2020/12/26
- 05:00
1つには、当社には証券化商品設計のプロフェッショナルが集まっており、銀行で審査を手掛けたメンバーや、格付け機関の経験者もいる。
より安全な商品設計ができる点が最大の特徴。
機関投資家に販売するような商品を一般投資家に提供する。
―投資対象の会社はどのように選定・募集しているのか
投資対象の基準としては、まじめに経営していることが最も重要。世の中に貢献しているビジネスでないと金融機関が応援する意味がない。
また、投資家にリターンを返せるのか、安全性を担保できるのか、という点ももちろん重要である。
企業の大小・業種は問わない。スタートアップでもよい。
融資先の募集方法については、現在は当社から営業して開拓している。
例えば、鉄道会社からの、駅や列車を証券化したい、という要望もある。その資産を売却し、資金化する。
間接的には、ノンバンクに資金を貸す、ということも検討している。地域でまじめに消費者金融をやっているような企業に対して融資する。
自分と付き合いのあるインターネットのプラットフォームと組んで借り手を探すというチャネルもある。
また、税理士など、経営コンサルタントと組んで借り手を開拓していくことも予定している。
―融資先の情報はどこまで開示されるのか
極力開示する予定。借り手については社名まで開示する。
ただ、再生案件については、社名が開示できないケースもあるかもしれない。
担保となる不動産物件については、借り手の商売の都合上まずい場合もあるので、開示しないケースもある。
―保証や担保はつけるのか
原則として、複数の担保をとる。
まず、直接の借り手から不動産などの担保をとる。
また、その企業が保有する売掛債権なども担保として抑える。
―融資先の審査はどのように行うのか。また、その体制は。
基本的には信用調査機関のスコアリングと独自の財務分析が中心となる。銀行と同じ審査基準とする。
元メガバンクで審査を手掛けた方が責任者で、さらに担当取締役がチェックを行う。
現在は案件が少ないのでその2名の体制だが、今後担当者は増やす予定。
―セイムボート方式とは
ベンチャーキャピタルがよくやる方式だが、融資先企業に対して当社も出資するようにしている。
親会社であるバンカーズホールディングスが、全てのファンドに対して当社規定の一定比率を出資する予定である。
投資家と同じ立場に立って親会社がチェックする、という意図がある。
―手数料はどの程度とるのか
利回りの最大1/3をいただこうと考えている。
例えば利回り3%だとしたら1%をいただく。
借り手からは手数料はとらない。それをやってしまうと、お金を集めることが目的となってしまう。
―分配方法は
将来的に期間の長いものが増えれば複数回に分けるかもしれないが、当面は1年以内のものについては満期時に一括分配とする予定。
―第一号ファンドは不動産会社が対象だが、今後も不動産関連が中心となるのか
不動産から賃料収入が上がってくるものについて、それを証券化する。
担保として不動産を取ることは重要だが、業種としては不動産業にこだわることはない。
―第一号ファンドの利回りに3.59%~4.37%と幅があるのはなぜか
このファンドで募集する2200万円のうち、2000万円については企業に融資を行う。その融資は固定金利である。
残りの200万円は当社自身で手形割引による運用を行う。
手形割引による運用は、過去の実績からすると8~9%ほどの利回りが出る。
また、前身である泰平物産の頃から実績があり、過去10年間不渡りが出たことはない。
さらに、不渡りが出た場合でも、持ち込んだ人が支払いする義務があるので、安全性は高い。
ただし、手形割引は常に持ち込まれるとは限らないので、手形割引の運用成果に応じて、利回りが変動する。
―今後の案件の利回り、投資期間の水準は
2~5%程度の間でばらつきが出ると思う。
1%程度しか利回りが出ないような商品の相談も受けている。それでも投資家に価値ある商品となると思う。
8%といった高い利回りの商品だと、ある程度の確率で貸し倒れが起きる、というものになる。当面そうした商品を出す予定はない。
期間については、当面1年以内のものを中心とするが、将来的には長いものも出していきたい。
5年というのも検討している。手堅い商品で、4%程度の利回りが出せそう。
―募集金額の目標は
2年程度で黒字化を目指す。
400億円ほどの残高があれば損益分岐点を越えるので、可能な限り早い時期に残高400億を目指す。400億という残高は業界最大手とほぼ同水準でチャレンジングな残高目標であることは理解していますが、投資家の皆様に支持される商品を組成して残高の積み上げを努力したい。
―今後の展望は
まずは安全に留意した商品を作っていくことで、信用を高めていく。
残高を増やして、それに応じて無理のない利ザヤを取っていくことを目指している。
低い金利帯で、地域の金融機関に代わる存在となりたい。
そのためには、どこよりもよい商品を出し、我々の運営コストを下げる必要がある。
現在の金利水準だと、銀行のような高コスト体質だといずれ行き詰まる。
―決算書を公開したり外部の監査を受ける予定は
上場前から決算書を開示して信用を得ていく。
当面1年に1回公開する予定。
―株式公開予定は
いずれIPOを目指している。
―投資家にサービスをアピールしていただきたい
金融証券化のプロが、これまで機関投資家やPB向けに作っていた商品を、投資家向けに魅力ある商品を出していく。
楽しみにしていてほしい。
次回は「個人訴訟でトラストレンディングに勝訴!M氏インタビュー」の予定です。
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