個人投資家22人が「みんなのクレジット」(現・スカイキャピタル)と関連企業4社に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は6月30日、原告側の請求を全面的に認めて計約9300万円の支払いを命じたことが新聞などで報じられました。
↓
ネット投資勧誘巡り賠償命令 みんなのクレジット、虚偽説明でこの訴訟の原告団の一人である小山数樹氏にインタビューさせていただきました。
■インタビュー実施日時
2020年7月12日
■インタビュー内容
―この度は裁判での勝訴おめでとうございます。
最初にお聞きしたいのですが、小山さんのみんなのクレジットに対する未返済の投資額はいくらですか。800万円くらいです。金額が大きかったので、みんクレに対する1回目の行政処分の内容を見たときは正直あせりました。黙っていたら絶対に返ってこなそうだと思いました。
―なぜみんなのクレジットに対する訴訟を起こしたのですか。2017年3月の行政処分の内容を見て弁護士を立てて交渉するなり、裁判をするなりしないと絶対に投資したお金が返ってこないなと思ったからです。
ただし、初めから民事訴訟を起こそうとしていたわけではなく、最初は、みんクレ側と和解で問題が解決できれば和解しようという方針でした。
―裁判に向けて準備を開始したのはいつごろでしょうか。弁護士に投資金の回収を依頼しようとしてたのが2017年3~4月ごろ、みんクレ側が話し合いに応じようとしないので、提訴の準備を始めたのが2017年の8月ごろです。
判決がでるまで約3年かかったことになります。
―裁判に向けて原告である投資家の皆さんはどのような準備をされたのですか。被害額を確定するために投資履歴や異動明細などをみんクレのサイトから取ってきたり、証拠とになるような、みんクレの広告や白石氏のインタビュー記事を弁護士に提出したりしていました。
―訴えの内容はどのようなものだったのでしょうか。みんクレに騙されて投資したのだから、返還されなかった投資金額を賠償しろという損害賠償請求です。
みんクレのホームページなどの宣伝では分散投資ができると強調されていたのですが、実際にはファンドの投資先の9割以上がグループ会社だったという点で騙されたと主張しました。
―裁判の経過はどのようなものでしたか。裁判は思っていたよりも時間がかかりました。被告が今回提出するはずだった書類を提出しなくて次回提出するということもあったからです。
証言をしたとき以外は傍聴もしていないし、回数は覚えていませんが、5週間に1回くらいのペースで裁判をやっていました。
争点を簡単に言うと、投資家が本当に騙されて投資したのかどうかということです。
―11月6日の裁判ではみんなのクレジット元代表の白石氏、現代表の阿藤氏も証言していたとのことですが、どのような内容だったのでしょうか。証言といっても、あらかじめ提出した陳述書に書いた内容を一方的に話すというのではなく、ときどき裁判官に質問されることもありますが、最初は主に自分側の弁護士の質問に答える対話形式で主尋問が始まります。
阿藤氏はみんクレでの役職や立場、仕事内容を証言し、白石氏は行政側と何回も打ち合わせをして了承をもらったとおりに問題なくみんクレを運営していたし、投資家から集めたファンドの資金は返済できるはずだったといった内容を証言しました。
被告側の主尋問の後、当然、原告側の弁護士が証言の内容が正しいかどうか確認するために反対尋問をしました。
一番印象に残ったのは、白石氏が証言の前にほとんど傍聴する人がいない傍聴席のほうに向いて頭を下げて謝罪したことですね。そのあと、家族を含む自分たちが嫌がらせにあっているとを言っていました。
―小山さん自身も裁判で証言されたとのことですが、どういった内容だったのでしょうか。みんクレの実態がわかっていたら投資しなかった、つまり、みんクレに騙されて投資したという内容です。
私ともう1人の原告の場合も、最初に自分たちの弁護士の質問に答える形で行われ、その後、被告側の弁護士の質問に答える形で行われました。
数日前に、被告側の弁護士の質問にうまく答えられるように、相手が質問してくる内容を想定した反対尋問の練習も1回したので、うまく証言できました。
―裁判にかかった費用はいくらくらいでしょうか。経費の精算はまだ終わっていないので、まだはっきりしません。
具体的な金額は弁護士との約束で言えませんが、一般的には数十万円の着手金+回収額の10~30%の成功報酬+経費になります。
ただし、請求額の10%を弁護士費用として損害額に上乗せして被告に請求できます。
―新聞などで「東京地裁は原告側の請求を全面的に認めて計約9300万円の支払いを命じた」と報じられています。
判決が出たときはどのような気持ちでしたか。やっと地裁判決が出たかという気持ちです。
被告が証拠を提出しないこともあったし、被告に対する裁判官の心象も悪かったので、もともと私たち原告が負ける要素はまったくありませんでした。
被告側が提出しなければならない書類を提出しないといったことを繰り返して裁判を引き伸ばそうとしていただけだったからです。
―今後実際にみんなのクレジット(現スカイキャピタル)から支払いが行われる見通しはあるのでしょうか。被告が自発的に払ってくることはないと思います。判決に基づいて投資金を回収するだけです。
私たちはみんクレの預金等に対して仮差押をしているので、そこから回収します。
―今後みんなのクレジット(現スカイキャピタル)が控訴する可能性はあるのでしょうか。判決が出たのが6月30日で、その翌日から14日間が控訴できる期間になるので可能性はあります。
■感想
3年にもおよぶ裁判を戦い抜き勝訴を得た小山さん達原告団に敬意を表します。
小山さんのお話を聞いて、正直私もみんなのクレジットに対する訴訟に参加すればよかったと後悔しました。
私もみんなのクレジットに対して200万円以上の未返済額があります。
返済遅延が発生した当初、みんなのクレジットに対する訴訟の動きがあるのは知ってはいましたが、みんなのクレジットは「ない袖はふれない」状態だと思っていました。
そのため、裁判で勝ったとしても実際にはお金は返ってこないのではないかと考えて参加しませんでした。
みんなのクレジット以降に多額の返済遅延・デフォルトが発生したラッキーバンク、グリーンインフラレンディング、ガイアファンディング、トラストレンディングなどの事業者に対しても同様の訴訟が起こされているようです。
今後の動きを引き続き注視したいと思います。
次回は「
2020年6月 投資中ファンド一覧」の予定です。


マザーズ上場企業が手掛ける不動産クラウドファンディング


ポイントで投資できる不動産型クラウドファンディング

不動産ファンドのプロが独自のスキームで参戦


不動産業界の風雲児が再起を図る

“応援を届ける” 融資型クラウドファンディング
最先端技術企業へ投資する株式型クラウドファンディング
上場企業・有名企業への投資
中古不動産の再生に投資

証券会社の手掛けるソーシャルレンディング


不動産・ホテルに投資

証券会社の運営するソーシャルレンディング

アジアの中心!沖縄発クラウドファンディング

狭い国内市場には興味なし! ソーシャルレンディングで世界を救う!


- 関連記事
-