「貸付型クラウドファンディング大手3社共同セミナー~貸付型クラウドファンディングのリスクとリターン」に参加しました(1)
- 2020/02/05
- 05:00
その様子をお伝えします。

■開催日時
2020年1月31日(金)
■参加企業
クラウドクレジット
SBIソーシャルレンディング
オーナーズブック
■第1部:各社特別講演
●SBIソーシャルレンディング
SBIソーシャルレンディング株式会社 取締役 渡部 一貴氏

・経歴
2000年あさひ銀行(現りそな銀行)に入社し、法人・個人向け融資業務に従事。営業・審査の両面で多くの融資案件に携わったほか、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構に業務出向し、企画業務・船舶ファイナンスにも携わる。
2007年SBIホールディングスに入社し、財務部にて資金調達、IRサポートを行うほか、子会社の設立・買収・売却・再編、外部企業に対する投融資、匿名組合の運用にも携わり、財務部部長、金融コングロマリット室長を歴任。
2015年12月よりSBIソーシャルレンディング取締役。
SBIソーシャルレンディングはSBIホールディングスの1社である。
2008年1月に米国プロスパーとの合弁会社として設立された。
しかし、金融当局との折衝の中で合弁事業を断念し、2011年に単独でのサービスを開始した。
現在国内において募集営業しているソーシャルレンディングでは最も老舗。
2018年実績でトップシェア
貸付型クラウドファンディングにおけるシェアは21%。
特徴
貸付案件ごとにファンドを組成し、資金の募集を行う。
投資家から募集した資金を借り手に貸付する。
借り手は当社に毎月利息を支払い、当社は管理手数料を控除した金額を投資家に分配する。
分配金は投資家の銀行口座に直接入金する。出金手数料は無料。
SBIソーシャルレンディングは、金商業者・貸金業者を兼ねており、ソーシャルレンディング事業者としては最もシンプルな形をとっている。
金商業者と借り手が同じグループであるような業者もあるが、そうした業者には注意が必要。
SBIソーシャルレンディングはグループ向け貸付を行ったことはなく、今後も一切行わない。
特定の業種・地域を限定せず、あらゆる資金ニーズへの対応を検討している。
不動産・再生可能エネルギー・IoT・国際貢献など。
利回りとしては3%~10%
ソーシャルレンディングのリスク
・投資期間中の中途解約不可
・運営会社の破綻
・貸付先の元本返済・利息支払い不能
よくある質問とその答え
Q:SBIソーシャルレンディングの借り手は、銀行から借りられない信用リスクが高い相手ではないのか?
A:当社は、「銀行が貸せる相手の、貸せない案件」に対して貸す。
銀行は開発案件の初期段階の資金需要にはこたえられない。
例えば、太陽光発電の開発資金は出さない。ただ、完成した後の資金供給はできる。
Q:借り手に1つしか質問できないとしたら何を聞きますか?
A:「何に使いますか?(資金使途)」を確認する。
例えば太陽光発電施設を作る場合、貸付金額は施設の費用に見合っているか、返済期間は施設の完成期日の後になっているかといった点を確認する。
貸し付けを行う上で最も重要なことはきちんと返済されること。
担保はあくまでリスクコントロール(損失削減)として考える。
担保があるから資金使途を軽視していいことにはならない。
銀行の貸付金利は、基準金利+貸し倒れリスク+期間リスク+融資外取引の収益+交渉で決まる。
ソーシャルレンディングの貸し付け契約は借り手と貸し手の相対契約なので、金利は状況次第で変わる。
借り手は金利水準ではなく、金利の総額で採算を考える。
高い金利を支払っても事業で大きな利益が得られるのであれば借りる。
過去、当社のバイオマスファンドでは8.5%の利回りで募集した。
●オーナーズブック
ロードスターキャピタル株式会社 代表取締役社長 岩野 達志氏

・経歴
東京大学農学部卒。一般財団法人日本不動産研究所にてキャリアをスタートし、不動産鑑定業務に従事。2000年よりゴールドマン・サックス・リアルティ・ジャパンにて自己投資・運用ファンドの不動産取得部門、2002年以降はアセットマネジメント部門。
2004年からロックポイントマネジメントジャパンLLC ディレクターとしてエクイティ500億円以上、案件総額3,000億円以上を実行、ロックポイントグループの日本における不動産投資業務をリード。
2012年3月にロードスターキャピタル株式会社を設立し、2014年9月に日本初の不動産特化型クラウドファンディング・サービス「OwnersBook」を開始。
不動産鑑定士、宅地建物取引士。
当社は不動産に特化している。
クラウドファンディング業界には怪しい会社も多いが、そういう会社の人はあまりこうしたセミナーなどで人前に出てこない。
当社は設立当初は不動産の仲介・売買などを手掛けていた。
2014年に中国のRenrenから出資を受けたことをきっかけとし、クラウドファンディングに進出した。
2017年に上場した。上場した目的は、監査法人などのチェックを受けることで投資家からの信頼を得ること。
当社は東京都心オフィスビルを中心に約300億円ほど保有しており、現在も収益の多くはクラウドファンディング事業ではなく不動産投資領域で得ている。
オーナーズブックの累計投資総額は約160億円、会員数34000名。
1億円程度の案件であれば5分程度で満額となる。
仕組み
必ず不動産担保をとる。メザニン・シニアローンへの貸付。
2019年12月に自社への貸付型案件を募集した。
匿名化解除を契機とし、実験的に行った。利回り2.5%と比較的低かったが、満額となった。
当社はエクイティ型も手掛ける。
エクイティ型では、物件の価格が上がれば当初予定利回り以上に大きな利益が得られる可能性もある。
2018年8月に日本初のエクイティ型案件を募集
リスク
2014年にスタートして以来、返済遅延・デフォルトは発生していない。
ただ、昨年連帯保証をしている会社が倒産したケースがあった。
不動産マーケットは現在は景気がよいが、出口戦略・流動性を考えるうえで、景気が悪くなることも想定している。
また、民泊ができなくなるなど、法規制が急に変わることもある。
当社が目指すリターンは4~5%ほど。
自分たちがコントロールできるのはその水準。
強みのある不動産分野に特化して案件を提供する。普通の不動産会社に比べると不動産の知識・経験は圧倒的に多い。
貸付総額は物件評価額の8割以下としている。
また、流動性を重視しており、当初は京都の町家なども手掛けたが、京都にホテルが増えてきたことや、法規制が変わったこともあり、現在では手掛けていない。
昨年匿名化解除されたが、これは当社が以前から要望していたこと。関係当局とは定期的に対話・意見交換をしている。
●クラウドクレジット
クラウドクレジット株式会社 代表取締役 杉山 智行氏

・経歴
2005年東京大学法学部卒業後大和証券SMBCに入社し、金利、為替の自己勘定取引チームで日本国債への投資業務等に携わる。
2008年ロイズTSB銀行東京支社に入行し、資金部長として支店経営陣に対してリテール預金の獲得など日本での事業機会について助言を行う一方、運用子会社の日本における代表及び運用責任者を兼任。
2013年1月にクラウドクレジット株式会社を設立し、投資型クラウドファンディング・サービスを展開。
日本の個人投資家と世界の資金需要者がWin/Winの関係を作るサポートを行う。
著書にさらば銀行 「第3の金融」が変えるお金の未来 (講談社+α新書)がある。
分散投資のお願い
クラウドクレジットの運用中ファンド(約150億円)の約7%は遅延・元本割れの見込みが高い状態。
当社は新興国の中小企業に投資している。
デフォルトが起きても回収できるようにしている。
クラウドクレジットの投資家の平均利回りは4.7%。
当社では分散投資を勧めている。なるべく20~30ファンドほどに分散してほしい。
当社の取り組み
ファンド数の拡充・レコメンド機能の実装・ファンドパッケージの導入
今後、新しいレコメンド機能の提供を予定している(年内)
また、自動投資機能も検討しているが、業界の自主規制があり現時点では難しい。
ファンド運営体制の強化
審査プロセス・貸付契約文言を向上
国際的な法律事務所会計士事務所・債権回収業者とのネットワークを拡大
審査
案件の審査を4線体制に変えていく。
・デューデリジェンス(投資委員会)
・スコアリングモデル1(モデル・アプローチ。ほぼ導入済み)
・スコアリングモデル2(ファンダメンタルズ・アプローチ)
・シミュレーション(設計中)
債権管理の体制
四半期ごとに全融資先のモニタリング状況をレビューし、必要なアクションを討議して実行するプロセスを導入
回収の体制
国際的な法律事務所・会計士事務所・債権回収業者のソーシング・ノウハウを蓄積
ファンド運営モニタリング委員会(仮称)を近日設置予定
次回は「「貸付型クラウドファンディング大手3社共同セミナー~貸付型クラウドファンディングのリスクとリターン」に参加しました(2)」の予定です。
不動産ファンドのプロが独自のスキームで参戦

不動産業界の風雲児が再起を図る
“応援を届ける” 融資型クラウドファンディング
東証一部上場企業が運営する不動産クラウドファンディング
アジア圏への投資
最先端技術企業へ投資する株式型クラウドファンディング
上場企業・有名企業への投資
中古不動産の再生に投資

証券会社の手掛けるソーシャルレンディング

不動産・ホテルに投資
証券会社の運営するソーシャルレンディング
鳥取から世界を救う!
公認会計士が運営するソーシャルレンディング
アジアの中心!沖縄発クラウドファンディング
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