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クラウドバンク金田代表インタビュー「今後はmaneoマーケット型のビジネスは難しいのではないか」

クラウドバンク株式会社の代表取締役社長 金田 創氏にインタビューさせていただきました。
(インタビュー実施日 2019年1月19日)

―金田代表の経歴についてうかがいたい
私は元々理系の出身で、東大大学院の博士課程を中退した。
その後アメリカのマネジメントコンサルタント会社に4年ほど勤め、2000年に独立した。
コンサルタントとして企業全体や事業のデューデリジェンスや事業立ち上げ支援などに関わる傍ら、自分でも様々な事業を立ち上げた。
例えば、当時のi-modeやezwebといった携帯キャリア専用サイト向けのショッピングサイトの立ち上げに携わった。この事業は、ガラケーからスマートフォンへの移行でi-modeなどのキャリア専用サイトがシュリンクしていく中で予算が未達となり、結果黒字化が遅れた上に、リーマンショックの影響でVCからの増資が受けられなくなり、結局撤退した。
その経験から、まず事業を早期に黒字化するのが重要だと感じた。

その後みどり証券をTOBにより買収し、大前氏を社長として招聘して日本クラウド証券を立ち上げた。
私自身は当時金融事業の経験はなかったので、代表には就任せず、取締役を務めた。
その後2016年に大前氏が退任した時に、グループを束ねるクラウドバンク社の代表を務めることになった。同時に、日本クラウド証券は、クラウドバンクの取締役でもある橋村純氏が代表となった。

―クラウドバンク株式会社の出資者は

約40%は私が代表を勤める法人が出資している。
後は非公開だが、全部で10数名の個人や法人が出資している。
現在VCからの出資は受けていない。現在では黒字となっており、VCから積極的に出資を受ける必要性がないと考えている。
戦略的に有利な提携が見込める事業会社からの出資などなら受けることもあるが、今のところ予定はない。


―投資対象の貸出先はどのように探すのか
ネットから応募してくる人もいるが、紹介が多い。
太陽光発電などは、事業性のデューデリジェンスができるところが少ないので、当社に話が回ってくることも多い。
もちろん、土地が歯抜け状態であるなど事業性に疑義があった場合は、デューデリジェンスの結果断ることもある。

―クラウドバンクは第1種金融商品取引業者だが、第2種とはどういった違いがあるか
ソーシャルレンディング自体は2種だけができる。
金融庁の中でも管轄する部署が異なり、自己資本などについての規制は1種の方が厳しい。
そのためか、当社が検査を受けた時期も業界としては比較的早かった。
早めに金融庁とのコミュニケーションが取れたという意味ではよかったと考えている。

さらに当社は日本証券業協会に属しているのだが、日本証券業協会の監査もうけておりそういった、厳しい条件の中で体制づくりを行う必要がある。

また、1種だと投資家に様々な商品を提案できる。
日本には預金と投資信託の間を埋めるミドルリスク・ミドルリターンの商品がほとんどないと考えてこの事業を立ち上げた経緯もあり、将来的には社債などを含む1種のみが扱えるミドルリスク・ミドルリターンの商品も手掛けていきたい。

―クラウドバンク株式会社自体の経営状況は
2018年3月期から黒字化した。

―決算書を公開したり外部の監査を受けているか
PL/BSはネット上で公開している。
当社は以前グリーンシートを手掛けていたこともあり、当時から外部監査法人の監査を受けていて、現在も継続して監査法人のレビューを受けている。
さらに自主的に資金使途の監査を第三者から受けている。
貸付金が正しく使われているかと顧客資金が正しく分別されて管理されているかの2点は金融庁も非常に気にしている点であると思うのだが、会計監査だけではわからない部分でもある。
例えばSPCに貸付を行う場合もあるが、募集したお金が正しい用途に使われているかを第三者から監査を受けている。


―今後の展望は
詳細はEXPOで発表予定だが、海外の案件を増やしていく予定。
昨年ドル建て口座を始めたのもそのためです。


―株式公開予定は
今後、投資家に安心を与える意味では、株式公開も重要だと考えているがまだそこまで具体的に準備をしているわけではない。

―他社では行政処分を受けたり、返済遅延の発生が相次いでいるが、これについてどう考えるか
maneoのケースで我々が危惧していたのは、「maneoマーケットがファンドの募集を行い、営業者(お金を貸す部分)は外部のmaneoと資本関係のない会社が行う」というビジネスモデルである。
我々も以前同じようなビジネスを行うか検討したこともあるのだが、そのモデルはリスクが高いと判断した。

その理由は、金融庁の検査を通じて、金融庁は投資家保護を最優先で考えていることを強く感じた。
なので、もしファンドの営業者(ファンドの組成者)が虚偽の情報で募集をする可能性もある中、金融商品取引業者としては、それをできる限りモニタリングする責務があるのだが、外部の会社に対してそこまでモニタリングができるのか自信がなかった。
以前、医療機関の診療報酬請求権を債券化した金融商品である「レセプト債」をめぐり、ファンド組成者がうその説明で投資家からお金をだまし取る事件があったが、その際、それを取り扱った証券会社も処分された。取り扱った証券会社は嘘であることは知らないで募集していたようだが、それでも処分を受けている。
同じように、maneoマーケットも、ファンド組成者が不正な情報をもとに資金を募集していることを知らなかったからといって責任は免れないと思った。

貸付型はレギュレーションが固まっていないので、融資という形を取ればなんでも貸せてしまう。正直、投資と融資の違いは難しい。
例えば、健康食品を作り、その在庫商品を担保として1000万円お金を借りたとする。その担保に本当に1000万円の価値があるのかは判断が難しい。それで貸し倒れが発生した場合、担保から回収できないリスクがある。

maneo自体は実績もあり、しっかりしていると思うが、外部の営業者がしっかりしていなかったり悪意があった場合にそれを把握できるのだろうかと危惧していた。結果的に現在、外部の営業者の案件を中心に返済遅延が多発している。今後はmaneoマーケット型のビジネスは難しいのではないか。
これは推測だが、maneoマーケットも金融庁の検査を受け、融資先のモニタリングを強化するよう指摘されたのではないか。
その結果として、これまでは借り換えができていた貸付先が、借り換えできなくなり、返済遅延となるケースが出てきたのではないだろうか。

現在、貸付型クラウドファンディングにおいて、融資先が開示できるように流れは変わってくる可能性があるが、個人的には融資先を開示しても最終的な解決にはならないと考えている。
万一の場合の担保をしっかり開示することの方が重要で、不動産であれば、その不動産の地番といった情報を公開するといったことが必要だ。
また、担保査定のプロセスが説明できるかが重要だが、担保価値評価というのは難しい面がある。
不動産であれば、路線価で見るのか、実勢価格で見るのか、収益還元法で見るのか、様々な鑑定方法がある。事業者が悪意を持って行えば、作為的に高い価値を評価額とすることもできる。
そのため、明確なルールが決まっていない現状ではかえって危険だと考え、当社では担保価値評価やLTVは公開していない。
実際、LTV60~70%の案件がデフォルトとなり、元本が返ってこないという事例が他社で起こっているが、本来ならLTV60~70%の案件がデフォルトで元本毀損はおかしいはず。
ラッキーバンクでは不動産鑑定書なども公開していたが、デフォルトとなりふたを開けてみると30%程度しか返ってこなかった。
万一の場合にも回収できる堅めの数字を出すことが重要。
当社ではなるべく保全性が高い案件を出していきたい。


―クラウドバンクの募集ファンドでは担保は全て設定されているのか

直近2年ほどは、担保は基本的には設定しており、それは開示している。
当社の定義では、借り手が倒産した場合第三者に訴訟でも勝てる、第三者対抗要件があるものを担保としている。実質的には回収可能だが、第三者対抗要件がない場合は当社では担保とは呼ばないで、「その他保全」としている。この部分も現在、明確な業界ルールがない。担保・保全がないと、万一の場合の回収は基本的には難しいと考えている。
常に借り手の事業計画通りにいかなかった場合でも、担保・保全からどうやって回収するかを貸出時に想定し、回収に自信があるときしか貸さないようにはしている。
たとえ評価額が高くても、たとえば地方の不動産など流動性が低い場合には、断る場合もある。
太陽光発電だと、完成すれば経産省が20年間の売上を保証するので、ある程度の価値がある。
我々が手掛けるのは、完成までのブリッジ案件が多い。その場合は、完成した時の価値がわかるので、もし自分たちが完成させた場合にいくらで売れるか、そして完成までにいくらかかるかを考慮して融資の可否を決定する。
また、必ず完成できるかも確認する。土地が歯抜けだったり、農地で農転が難しい地域の場合など、完成に疑義があれば断るようにしている。
不動産以外の担保では、第三者対抗要件を持つことはなかなか難しい。
動産だと、持ち逃げされてしまうこともある。売掛債権の場合は、確定した債権か、売掛先に通知可能か、売掛先の与信は大丈夫かなども確認する。


―借り換えができずに結果的に返済遅延となるケースが多いようだが、クラウドバンクでも借り換えの案件はあるのか
借り換えの案件も手掛けている。
例えば、期間1年で借りたが、土地の造成の承認が遅れ、あと半年ほど借りたい、というケースがある。
その際には、申請の状況を確認するとともに、再度担保価値、融資額を確認する。万一の場合には回収できるということが大前提となる。
太陽光発電の案件では、工事に想定以上に時間がかかったため、工事途中で施設を売却させて回収したこともある。
実際、当社で断った案件が、他社で募集されていたこともあるので我々はかなり厳しく評価しているのではないか。

―投資家にとって、信用できる事業者と危険な事業者を見分けるにはどうしたらよいか。
正直難しいが、各社が公開している案件を見れば、担保の安全性はある程度わかる。
たとえばアメリカの不動産案件は、住所さえわかれば、周辺の取引価格までも公開されているので、万一の場合本当にその価格で売却できるのかはわかる。
元本の保全が難しい案件を多く出している事業者は、情報を公開さえすれば投資家に損をさせてもよいというスタンスなのではないか。なのでまずはその事業者が公開されている案件の担保の内容を横断的に確認するのが重要と思う。
収益不動産は水物で、例えば地方の宿泊施設などが担保になっていた場合、収益還元法で評価することがあるが、その評価は疑ってかかるべきだ。実際に自分たちが経営した時にそれだけの収益が生み出せるかはわからない。
流動性があり、周辺の売買事例がある程度わかっていれば、その担保査定はある程度信用できる。
物件の収益性は、数字を意図的に操作出来てしまうので、それだけを強調するのは危険だと考える。

―資産運用EXPOではどういう内容の出展をするのか

ソーシャルレンディングとは何か、また業界の歴史などについて説明する。
また、クラウドバンクの審査体制や今後の方向性についても説明する。
当社は以前金融庁の検査を受け、全ての融資案件について調査されたが、金融庁に指摘されたもの以上の誤りはなかったし、それらもすべて償還が完了している。
また、サービス開始以来デフォルトは発生していない。もちろん未来永劫デフォルトがないとはいえないのだが、気持ちとしては元本は営業者であるわれわれが責任持って回収しようと思って融資しているつもりだ。その審査事例などもEXPOでのブース内のミニセミナーで紹介したいと考えている。
そういった点も含めてEXPOでできる限りの情報公開をしたいとは考えている。

以上

次回は「危険な事業者の見分け方はあるのか(1)(募集累計額)」の予定です。


上場企業・有名企業への投資
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中田健介(けにごろう)

Author:中田健介(けにごろう)
IT系企業に勤務しています。
2010年からソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)での資産運用を開始しました。
自分の運用実績、各社のサービス内容比較、業界の最新トピックなどを毎週2回(水・土)発信しています。

■著書
2015年3月7日にぱる出版より著書「年利7%!今こそ「金利」で資産を殖やしなさい!~日本初!融資型クラウドファンディング投資の解説書」を発売しました。
是非よろしくお願いいたします。

■興味のあるもの
 ・投資(これまでに実施したことがあるのは、投資信託・国債・FX・株式などです。)

■ソーシャルレンディングについて
 maneo・AQUSHとも2010年から始めました。
 ソーシャルレンディングは将来性のあるビジネスモデルです。自分も微力ながらこのブログを通じて知名度の向上に努めたいと思っています。

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