危険な事業者の見分け方はあるのか(5)(上場/非上場および出資者)・(6)(目的型/手段型)
- 2019/02/23
- 05:00
↓(前回)
危険な事業者の見分け方はあるのか(1)(募集累計額)
危険な事業者の見分け方はあるのか(2)(平均利回り)
危険な事業者の見分け方はあるのか(3)(担保あり率)
今回は「上場/非上場および出資者」について検証したいと思います。
運営会社が上場企業であれば、多くの関係者により常にチェックされているので、問題が起きる可能性は低いと考えられます。
または、上場していなくても、主な出資者が上場会社やベンチャーキャピタルなどであれば、同様に監視が行き届いており、安全性が高いのではないかと考えられますが、実際にはどうなのでしょうか。
今回は、この2つの観点が有効か検証したいと思います。
上場しているか、または上場企業・ベンチャーキャピタルからの出資を受けているかどうかと、デフォルト・返済遅延発生率の関係は以下の通りです。
(黄色網掛けのサービス事業者5社が「危険な事業者」です。)
デフォルト・返済遅延発生率(2019年1月時点) | ||||||||
サービス | 上場/非上場(※4) | 会社の主要な出資者 | 上場しているか、または上場企業・ベンチャーキャピタルからの出資を受けている | デフォルト・返済遅延発生率 (デフォルト+返済遅延総額)/募集累計額 | ||||
SBIソーシャルレンディング | 東証一部上場 | SBIホールディングス(上場) | 〇 | 1.0% | ||||
オーナーズブック | マザーズ上場 | ロードスターキャピタル(上場) | 〇 | 0.0% | ||||
LCレンディング | JASDAQ上場 | ロジコム(上場) | 〇 | 0.0% | ||||
クラウドクレジット | 非上場 | 伊藤忠商事株式会社(上場)、マネックスベンチャーズ株式会社など | 〇 | 3.2% | ||||
maneo | 非上場 | GMOクリックホールディングス株式会社(上場)、株式会社VOYAGE VENTURESなど | 〇 | 2.7% | ||||
J.Lending | JASDAQ上場 | ジャルコ(上場) | 〇 | 0.0% | ||||
TATERU FUNIDING | 東証一部上場 | TATERU(上場) | 〇 | 0.0% | ||||
クラウドリアルティ | 非上場 | (未公開) | 0.0% | |||||
プレリートファンド | 非上場 | ブルーメロンキャピタル株式会社(非上場) | 0.0% | |||||
キャッシュフローファイナンス | 非上場 | (未公開) | 15.1% | |||||
さくらソーシャルレンディング | 非上場 | (未公開) | 0.0% | |||||
アメリカンファンディング | 非上場 | (未公開) | 0.0% | |||||
Pocket Funding | 非上場 | 財全グループ(非上場) | 0.0% | |||||
スマートレンド | 非上場 | (未公開) | 0.0% | |||||
みんなのクレジット | 非上場 | (未公開) | 68.6% | |||||
アップルバンク | 非上場 | 翔栄(非上場) | 0.0% | |||||
クラウドバンク | 非上場 | (未公開) | 0.0% | |||||
トラストレンディング | 非上場 | (未公開) | 0.0% | |||||
レンデックス | 非上場 | (未公開) | 0.0% | |||||
クラウドリース | 非上場 | (未公開) | 0.0% | |||||
ガイアファンディング | 非上場 | (未公開) | 44.7% | |||||
グリーンインフラレンディング | 非上場 | JCサービス(非上場) | 63.2% | |||||
ラッキーバンク | 非上場 | (未公開) | 29.5% | |||||
SAMURAI | 非上場 | (未公開) | 0.0% | |||||
全事業者平均 | 7.3% |
(※1)デフォルト(貸し倒れ):投資した金額の一部または全部が返ってこないことが確定したもの
(※2)返済遅延:期日を過ぎても投資した金額の一部または全部が返ってこない状態が現時点で続いているもの
(※4)100%子会社は、親会社が上場しているかどうかを記載
上記の通り、上場しているか、または上場企業・ベンチャーキャピタルからの出資を受けている事業者は7社ありますが、いずれも危険な事業者ではありませんでした。
この結果より、危険な事業者を判別する基準として、「上場しているか、または上場企業・ベンチャーキャピタルからの出資を受けているかどうか」は有効と考えられます。
**************
前回に引き続き、危険な事業者の見分け方について検証します。
今回は「目的型/手段型」について検証したいと思います。
「目的型/手段型」というのは、以前私が考えたソーシャルレンディング事業者の分類法の一つです。
貸し出しに伴う手数料もしくは利ざやで利益を得ることを目的として事業を行っている事業者を「目的型」、 もともと関連会社が手掛ける何らかの事業があり、その資金調達のためにソーシャルレンディングを運営している事業者を「手段型」と呼ぶことにします。
「目的」としてのSL、「手段」としてのSL
「目的型/手段型」の区分は、危険な事業者を見分ける上で役に立つのでしょうか。
「目的型/手段型」の区分と、デフォルト・返済遅延発生率の関係は以下の通りです。
(黄色網掛けのサービス事業者5社が「危険な事業者」です。)
デフォルト・返済遅延発生率(2019年1月時点)
サービス 目的型/手段型
(※5) デフォルト・返済遅延発生率
(デフォルト+返済遅延総額)/募集累計額
SBIソーシャルレンディング 目的型 1.0%
クラウドクレジット 目的型 3.2%
maneo 目的型 2.7%
TATERU FUNIDING 目的型 0.0%
クラウドリアルティ 目的型 0.0%
キャッシュフローファイナンス 目的型 15.1%
さくらソーシャルレンディング 目的型 0.0%
アメリカンファンディング 目的型 0.0%
Pocket Funding 目的型 0.0%
スマートレンド 目的型 0.0%
クラウドバンク 目的型 0.0%
トラストレンディング 目的型 0.0%
レンデックス 目的型 0.0%
クラウドリース 目的型 0.0%
ガイアファンディング 目的型 44.7%
SAMURAI 目的型 0.0%
オーナーズブック 手段型 0.0%
LCレンディング 手段型 0.0%
J.Lending 手段型 0.0%
プレリートファンド 手段型 0.0%
アップルバンク 手段型 0.0%
みんなのクレジット 手段型 68.6%
グリーンインフラレンディング 手段型 63.2%
ラッキーバンク 手段型 29.5%
全事業者平均 25.6%
(※1)デフォルト(貸し倒れ):投資した金額の一部または全部が返ってこないことが確定したもの
(※2)返済遅延:期日を過ぎても投資した金額の一部または全部が返ってこない状態が現時点で続いているもの
(※5)分類は中田健介による
上の表の通り、危険な事業者は、目的型・手段型に関わらず存在します。
「目的型・手段型」の区分は、危険な事業者を判別する上では役に立たないと考えられます。
次回は「危険な事業者の見分け方はあるのか(7)(総括)」の予定です。
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