危険な事業者の見分け方はあるのか(2)(平均利回り)
- 2019/02/02
- 05:00
ソーシャルレンディングで損害、集団提訴「虚偽の勧誘」(朝日新聞デジタル)
<以下引用>
ネット上で事業資金を集めるソーシャルレンディング(SL)で損害を被ったとして、個人投資家45人が業者らに計2億7千万円の賠償を求める訴訟を21日、東京地裁に起こした。ウソの説明で投資勧誘されたとしている。
(中略)
訴訟を起こされたのは、ラッキーバンク・インベストメント社(東京)と代表取締役、その親族ら。原告は投資した会社員ら45人で、投資額から配当額を引いた差額を損害として払うよう求めた。原告代理人の鈴木英司弁護士によると、SL業者への賠償請求訴訟では原告の数、請求額ともに最大規模という。
ラッキーバンクに対して個人投資家45人が訴訟を起こしたとのことです。
以前みんなのクレジットに対しても訴訟の動きがありましたが、それを上回る規模のようです。
どうなることでしょうか。
**********
前回は募集累計額が危険な事業者を見分ける基準となるか検証しましたが、今回は「平均利回り」について検証したいと思います。
一般に募集ファンドの平均利回りが高い事業者ほど危険なのではないかと考えられますが、実際にはどうなのでしょうか。
平均利回り順のデフォルト・返済遅延発生率は以下の通りです。
(黄色網掛けのサービス事業者5社が「危険な事業者」です。)
デフォルト・返済遅延発生率(2019年1月時点) | |||||||||||||||||
サービス | 平均利回り (※3) | デフォルト・返済遅延発生率 (デフォルト+返済遅延総額)/募集累計額 | |||||||||||||||
TATERU FUNIDING | 4.6% | 0.0% | |||||||||||||||
J.Lending | 4.6% | 0.0% | |||||||||||||||
オーナーズブック | 4.8% | 0.0% | |||||||||||||||
プレリートファンド | 6.0% | 0.0% | |||||||||||||||
LCレンディング | 6.2% | 0.0% | |||||||||||||||
クラウドバンク | 6.4% | 0.0% | |||||||||||||||
maneo | 6.9% | 2.7% | |||||||||||||||
クラウドリアルティ | 7.0% | 0.0% | |||||||||||||||
さくらソーシャルレンディング | 7.1% | 0.0% | |||||||||||||||
Pocket Funding | 7.1% | 0.0% | |||||||||||||||
SAMURAI | 7.5% | 0.0% | |||||||||||||||
スマートレンド | 7.5% | 0.0% | |||||||||||||||
みんなのクレジット | 7.5% | 68.6% | |||||||||||||||
SBIソーシャルレンディング | 7.8% | 1.0% | |||||||||||||||
アップルバンク | 8.9% | 0.0% | |||||||||||||||
レンデックス | 8.9% | 0.0% | |||||||||||||||
クラウドクレジット | 9.0% | 3.2% | |||||||||||||||
ラッキーバンク | 9.1% | 29.5% | |||||||||||||||
アメリカンファンディング | 9.2% | 0.0% | |||||||||||||||
ガイアファンディング | 9.7% | 44.7% | |||||||||||||||
キャッシュフローファイナンス | 10.0% | 15.1% | |||||||||||||||
トラストレンディング | 10.5% | 0.0% | |||||||||||||||
クラウドリース | 10.5% | 0.0% | |||||||||||||||
グリーンインフラレンディング | 12.3% | 63.2% | |||||||||||||||
全事業者平均 | 7.9% | 7.3% | |||||||||||||||
(※1)デフォルト(貸し倒れ):投資した金額の一部または全部が返ってこないことが確定したもの | |||||||||||||||||
(※2)返済遅延:期日を過ぎても投資した金額の一部または全部が返ってこない状態が現時点で続いているもの | |||||||||||||||||
(※3)クラウドポートより(https://www.crowdport.jp/company/list) |
上の表を見たところ、平均利回りの高い事業者の方が危険な事業者の割合が高いように思えます。
上の表を平均利回りごとにまとめると以下の通りとなります。
平均利回り | 対象事業者数 | うち、危険な事業者数 | 危険な事業者の割合 | ||
4% | ~ | 6% | 3 | 0 | 0% |
6% | ~ | 8% | 11 | 1 | 9% |
8% | ~ | 10% | 6 | 2 | 33% |
10% | ~ | 12% | 3 | 1 | 33% |
12% | ~ | 14% | 1 | 1 | 100% |
やはり平均利回りの高い方が危険な事業者の割合が高い傾向が明らかです。
特に平均利回り8%以上の事業者10社のうち、4社が危険な事業者です。
ハイリスク・ハイリターンの原則が裏付けられた形です。
この結果より、危険な事業者を判別する基準として、平均利回りは有効と考えられます。
具体的には、平均利回り8%以上の事業者は避ける、という方針が考えられるでしょう。
次回は「危険な事業者の見分け方はあるのか(3)(担保あり率)」の予定です。
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