2018年ソーシャルレンディング5大ニュース
- 2019/01/05
- 05:00
<過去の記事はこちら>
2011年ソーシャルレンディング6大ニュース(1)
2012年ソーシャルレンディング5大ニュース(1)
2013年ソーシャルレンディング5大ニュース(1)
2014年ソーシャルレンディング5大ニュース
2015年融資型クラウドファンディング5大ニュース
2016年ソーシャルレンディング4大ニュース
私が独断で選び、ランキングした2018年の重大ニュースは以下の5つです。
<5位>トラストレンディンクが行政処分を受ける(12月)
金融当局が、トラストレンディングを運営するエーアイトラスト株式会社に対して、「ファンドの取得勧誘に関し、虚偽の表示をする行為」があったとして処分勧告を行いました。
問題が指摘されたのは、債権担保付ローンファンド(139号~146号、155号~158号)および動産担保付ローンファンド(163号、165号~168号、170号~174号)です。
債権担保付ローンファンドについては、
「該当する官公庁等が関与して行う除染事業は存在せず、このため、本債権ファンド借入人に対しては、上記の取得勧誘時の表示のような、官公庁等が関与して行う除染事業の存在及び実行を前提とした資金使途のための貸付けは当初から行われていない。」
動産担保付ローンファンドについては、
「実際には当該大手企業との業務提携等の予定は存在せず、このため、本動産ファンド借入人に対しては、当初から、上記の取得勧誘時の表示のような、当該大手企業との業務提携や、当該業務提携に係る事業による収益が返済原資となることなどを前提とした貸付けは行われていない。」
とあり、いずれも、表示されている事業は実際には存在せず、貸付金は表示とは異なる用途に用いられているという内容です。
事実だとしたら確かに重大な問題だと言えます。
これを受けて、同社に対して12月14日に1か月間の業務停止および業務改善命令が下されました。
<4位>新規サービス業者参入相次ぐ(5社)
2018年も新規サービス事業者の参入が相次ぎました。
今年新規参入したのは以下の5社です。
ネクストシフトファンド 3月
ハロー!Renovation 6月
Renosy 8月
FANTAS funding 11月
CReal 11月
業界としては順調に成長していると言えます。
また、「ハロー!Renovation、Renosy」「Renosy」「FANTAS funding」「CReal」はいずれも不動産特定共同事業法を活用したサービスで、2018年はこのタイプのサービスがトレンドでした。
投資家としては、選択肢が増え、分散投資が一層しやすくなったと言えるでしょう。
<3位>ガイアファンディング全案件返済遅延(11月)
maneoマーケットがサービス提供するガイアファンディングにおいて、11月に全案件で一斉に返済遅延が発生しました。
その時点でのガイアファンディングの貸出残高総額は37億円でした。
ガイアファンディング社のファンドスキームについては、 現地の最終貸付先(計14社)への貸付けまでに3社の法人を経由するというものでしたが、それが仇となり全ファンドで返済遅延となってしまったようです。
今後の返済の見込みについては現時点で不透明なままです。
また、ほぼ同時期に、同じくmaneoマーケットがサービス提供するキャッシュフローファイナンスでも総額約6億円に上る返済遅延が発生しています。
これはキャッシュフローファイナンスの貸出累計額の約15%にあたります。
<2位>みんなのクレジット・ラッキーバンクでほぼ全ファンドでデフォルトが確定
2017年に行政処分を受け、数か月後からほぼ全ファンドで返済遅延が続いていたみんなのクレジットが、2018年2月にほぼ全ファンドの債権譲渡を実施し、デフォルトが確定しました。
返済された額は貸出額約31億円の約3%に留まり、多くの投資家が損失を被りました。
また、3月にはラッキーバンクが行政処分を受けました。
貸付先の審査・担保物件の評価につき誤解を与える表示をする行為があったとの指摘内容で、処分内容は業務改善命令でした。
その後、ほぼ全ファンドで返済遅延が発生し、12月にほぼ全ファンドの債権譲渡を実施すると発表しました。
債権総額約50億円に対して、譲渡額は約16億円となる予定とのことです。
上記の通り、行政処分⇒返済遅延⇒債権譲渡によるデフォルト確定と、両社がたどった経緯は非常に似通っています。
特に、みんなのクレジットの一件は、日本のソーシャルレンディングにおいて初の大規模なデフォルトであり、多くの投資家に衝撃を与えました。
<1位>maneoマーケットが行政処分・グリーンインフラレンディング全ファンドで返済遅延
業界最大手のmaneoマーケット社が7月に行政処分を受けました。
指摘内容は、同社がサービス提供するグリーンインフラレンディングに関して、ファンドの取得勧誘について虚偽の表示をした行為と、maneoマーケット社の管理上の問題点に関するものでした。
処分内容は業務改善命令でした。
翌8月にはグリーンインフラレンディング全ファンドが返済遅延となりました。
今後の返済の見込みについては現時点で不透明なままです。
業界最大手のmaneoマーケット社が行政処分を受けたことは、業界全体に衝撃を与えました。
また、グリーンインフラレンディングの貸出額は127億円と、みんなのクレジットやラッキーバンクと比較して非常に大きい金額であり、投資家に対する影響も大きいと言えます。
<総括>
改めてこうしてみると、2018年は行政処分・返済遅延・デフォルトなど悪いニュースが続いた年でした。
これまでほとんど返済遅延やデフォルトが発生せず、安全な投資と考えられていたソーシャルレンディングですが、ここにきて一気にリスクが顕在化してしまいました。
私も含め、多くの投資家が損失を被った、試練の年だったと言えるでしょう。
2019年以降、業界全体として信頼を取り戻すことができるか問われることになるでしょう。
次回は「みんなのクレジット108号ファンド担保不動産の競売実施」の予定です。
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