「CREAL」代表者インタビュー
- 2018/12/01
- 05:00
■インタビューさせていただいた方々
株式会社ブリッジ・シー・キャピタル 代表取締役社長 横田 大造氏
株式会社ブリッジ・シー・キャピタル 取締役 金子 好宏氏

代表取締役社長 横田 大造氏
■インタビュー日時:
2018年11月24日
■内容
―横田代表の経歴についてうかがいたい
2000年、アクセンチュア株式会社に入社した。
2005年、オリックス株式会社にて不動産ファイナンス業務に従事した後、2007年、ラサールインベストメントマネージメントにて、オフィス、レジデンシャル、商業施設等への投資業務に携わる。
2011年、株式会社新生銀行に転職し、病院や介護施設を担保としたノンリコースローンファイナンス業務へ従事する一方、ヘルスケアREITの企画・設立を担当し、投資運用部長として物件取得業務を統括する。
2017年4月よりブリッジ・シー・キャピタルに参画し、代表取締役社長に就任した。
宅地建物取引士、不動産証券化協会認定マスター、医療経営士(3級)、介護福祉経営士(2級)を所持
―「CREAL」サービス開始の経緯は
調査によると、一般の人の不動産投資への関心は、株式投資に次いで高い。
また、不動産投資は安定して収益が得られるというメリットもある。
しかし、一般の人が不動産投資を始めるには、以下のような問題がある。
・日常⽣活、日々の仕事で忙しい中、物件選定や契約に時間と手間がかかり専⾨知識も必要な不動産投資はハードルが高い
・投資額が大きく、不動産投資購入には借金や大型資金が必要
・情報格差が大きく、「アヤシイ」「よくわからない」といった印象強い
一方で、例えば老人ホームなど、社会的には必要だが、なかなか開発資金が集まらないために開発できていない施設がある。
安定的な収益を生み、かつ社会的にニーズがあっても、案件規模が小さいという効率性の観点から機関投資家などが資金を出してくれないことも多い。
そうした問題を解決するため、「不動産投資を民主化、眠るお金を呼び覚まし、社会をよくする」ことをミッションとして、「CREAL」を開始した。
―株式会社ブリッジ・シー・キャピタルは設立2011年だが、これまでどういった事業を手掛けてきたのか。
ブリッジ・シー・キャピタルは、不動産ファンドの組成・運用を手掛けてきた。
現在約300億円を運用している。
老人ホーム・マンション・病院・ホテルへ投資するファンドを組成し、そのファンドを運営することで収益を上げている。
ファンドへの出資者は機関投資家がメインである。
楽天グループが展開するホテルの開発ファンドも準備中である。
関連会社であるブリッジ・シー・エステートでは、マンションなど中古住宅販売・物件管理を手掛けてきた。
もう一つの関連会社であるドムスレジデンシャル・エステートは、1972年創業の会社で、以前は高級マンションの開発を手掛けていたが、現在はビルのメンテナンスやリノベーションを手掛けている。
2年前にブリッジ・シー・キャピタルに参画した。
―ブリッジ・シー・キャピタル社の出資者は
創業者及びマネジメントが全額出資している。
今後上場を予定しており、その過程で事業上シナジーのある企業との資本提携も検討している。
―現在の社員数は何名か
ブリッジ・シー・キャピタルだけで15名ほど。
ブリッジ・シー・エステート、ドムスレジデンシャルエステートも合わせて40名ほど。
―第二種金融商品取引業者の認可を取得しているのはなぜか
第二種金融商品取引業者は、不動産ファンドを生成するために必要だったので、2年前に取得した。
ただ、CREALは不動産特定共同事業法に基づいているので、第二種金融商品取引業者の認可は直接関係ない。
―小規模不動産特定共同事業法に基づきサービスを手掛ける事業者もあるが、小規模ではなく通常の不動産特定共同事業者の認可を取得したのはなぜか
小規模不動産特定共同事業者は、認可を得るのは比較的簡単だが、手掛ける金額に制限ができてしまうので、当社には適さないと判断した。
数千万円程度の物件であれば小規模でもよいとは思う。
今回認可を得るには1年ほどかかった
なお、不動産特定共同事業者には1号事業者と2号事業者がある。
1号事業者は、自社でファンドを組成し、かつその商品を販売できる。
2号事業者は、他社で組成した商品を販売することができる。
当社は1号と2号の両方の認可を取っているので、両方のビジネスが可能である。
また、電子取引業務のライセンスも取得しているので、ネット上での募集もできる。
当面1号事業者として自社で組成したファンドを販売する予定であるが、将来的に他社の商品を当社システム上で販売することも視野に入れて2号も取得した。
なお、2号と電子取引業務の両者を取得して実際に事業を行っている会社はまだないのではないか。
―他のソーシャルレンディングと比べてCREALの特色は
CREALは、「効率的で、楽しくて、安定的な資産運用プラットフォームの提供」を目指している。
「効率的」という面では、インターネットのみで投資が完結し、1口1万円から投資できる。
「楽しい」という面では、物件の所在地はもちろん、動画やイラストを豊富に使用し、売り手・買い手の情報格差をなくし、物件・投資対象の「顔」が見える投資とする。
CREALは、貸金業法により規制されているソーシャルレンディングと異なり、物件の詳細を公開できる。
また、ホテル・老人ホーム・保育園といった社会的に必要性が高く、多様なアセットクラスのラインナップをそろえる。
「安定的」という面では、REITと異なり、投資元本評価がキャピタルマーケットに影響されず、ボラティリティが少ない。
また、安定的に賃料を分配するため、当社が劣後出資を行う。劣後出資の割合は案件により異なるが、第1号案件では10%とする。物件の価格下落が10%以内であれば、優先出資である一般投資家は影響を受けない。
当社は、ハイリスクハイリターンで内容が不明瞭な案件よりも、しっかり投資案件を開示し、安定した収益機会を投資家に提供することに主眼を置いている。
―投資対象の物件はどのように探すのか
私は元々不動産ファンド業界が長いので、銀行やファンド、設計会社・運営会社・仲介会社・信託銀行などとのつながりがあり、そういったところから物件の情報が入ってくる。
不動産業界は、良い物件情報を得るために人脈が特に重要となる。
―物件の審査はどのように行うのか。また、その体制は。
まず販売元が反社会的勢力でないかチェックを行い、問題なければ守秘義務契約を結ぶ。
それから詳細な資料をチェックする。
物件に瑕疵がないか、エンジニアリングレポートを元に確認したり、採算が取れるか収益性の審査資料を確認したりする。
不動産鑑定士も入れて、売却時の価格の妥当性を検討する。
また、現地での調査も必ず行う。
最終的には、社内の投資委員会とコンプライアンス委員会で投資可否を決定する。
委員会のメンバーは、マネジメント3名とコンプライアンス部長、ファンド部門の責任者など。
取締役のうち2名が公認会計士であり、投資商品へのチェック機能はしっかりしている
―なぜ第一号の投資対象としてホテルアマネクを選んだのか
当初、1号案件は老人ホームにしようかと思っていたが、開業当初より好調なホテルのお話を頂いたので、そちらを優先した。
新築で高稼働のホテルを購入できるチャンスはあまりない。
また、ホテルは一般投資家にとって身近なものであり、理解を得やすいと考えた。
さらに、ホテルの運営を手掛けるアマネクに感銘を受けたことも一つ。非常に堅実な経営で勢いがあり、ホテルの優待券を提供するなど、クラウドファンディングでの募集にも様々な情報開示や株主優待の付与等で積極的に協力してくれた。
ファンド募集後には、投資家向けにアマネクからも毎月稼働率などのレポートをご提出頂き、一緒に議論を重ねていく予定。
―魅力として、「クリアな物件情報」を挙げているが、どういう情報が提供されるのか
今後、物件を妥当な価格で購入できているということを示すため、不動産鑑定士による価格調査報告書を投資家に開示する予定。
また、物件に瑕疵のないことを示すエンジニアリングレポートも開示予定。
このように当社では、通常不動産ファンドが行うような調査手法をそのままクラウドファンディングで募集を行う物件においても同様に行っている。
なお、それぞれのレポートを作成するには合計百万単位の費用が掛かっている。
―投資家が優先出資者となり、ブリッジ・シー・キャピタル社がプロジェクトの一部を劣後出資金として出資する方式とのことだが、劣後出資の比率はどの程度なのか
劣後出資の比率は物件によって変える。
第1号案件ではおおよそ10%とした。
第1号物件は8.8億円で取得したが、不動産鑑定士により約9.7億円の評価が出ているので、元本が毀損するリスクは極めて低いと考えているが、万が一のために10%の劣後出資を行った。
今後、物件によっては20%ほどの比率とする可能性もある。
―第1号ファンドでは、手数料はどの程度とるのか
まず、ファンド組成時に1000万円の手数料を取る。
また、運営期間中は毎年預り金額の約0.5%を手数料として徴収する予定。
―他のサービスでは3ヶ月あるいは6か月ごとに分配するものもあるが、このファンドでは毎月分配としたのはなぜか。
投信などでも、毎月配当は投資家のニーズが高いと感じている。
毎月分配するのは確かに手間がかかるが、システムで自動的に対応することで可能とした。
ただし、今後は新規開発物件の案件も予定しているが、開発物件の場合は、すぐには収益が得られないので異なる配当の仕方になると思う。
―第1号ファンドからいきなり8.8億円というのはかなり大きな金額だが、集められるのか。
ハードルは高いが、オーナーズブックやSBIソーシャルレンディングなどでも数億円程度のファンドを募集した事例はあるので、可能だと考えている。
―もし満額集められなかったらどうなるのか
第1号物件については実はすでに自己資金で決済をしており、現在自社で保有している状態なので、仮に集まらなかったとしても案件自体は成立し、運営に支障はない。
―なぜ銀行などから借りず、あえてクラウドファンディングで募集することにしたのか
もちろん銀行から借りることはできるし、短期的には銀行から借りたほうが利益がでるとは考えている。
あえてクラウドファンディングで募集するのは、このCREALを不動産投資のハードルを下げ、投資未経験層への最適な投資経験入口として確立するという社会的意義や資金調達手段の多様化という今後の成長を考えたため。
また、銀行から借りると、銀行が優先債権者となり、担保設定されてしまう。
そうすると、万一期間内に物件を売却できないと、銀行が勝手に売却してしまうことになる。
―利回りは4.2%と他サービスと比較すると若干低い水準だが、これはなぜか
現在、都内の優良物件だと賃料水準は3%程度であるため、この利回りが限界だと考えている。
他の不動産系ソーシャルレンディングなどで利回り7~8%というものは、金利が高いそれなりの理由があると考えている。また、売却時のキャピタルゲインを見込んでのことだと思う。
利回りが高い分リスクは高いということ。
―最終的には売却するのか
最終的に売却して元本を償還する。
当社では多くの売却実績があるので、売却には自信がある。
1年程度は様子を見て、その後売却活動をする。
早期償還もあり得る。
―売却先はどういったところを想定しているのか
事業会社・不動産会社・REIT・私募ファンドなどを考えている
また、将来的には自社でREITを組成したいと考えている。
CREALの物件をREITに売却することができる。
なお、私は新生銀行でヘルスケアのREITを立ち上げた経験がある。
―売却時に利益が出た場合、投資家にキャピタルゲインを還元することはないのか
この案件については還元する予定はない。
今後はそういった商品も検討していきたい。
―分配金はホテルの収益から支払われるとのことだが、もしホテルの収益が赤字になったら分配金は支払われなくなるのか
第1号案件についてはブリッジ・シー・エステートがマスターリースをしているので、もしホテルの収益が赤字になった月も分配金は支払われる。
安定した分配を最優先で考えている。
―これまでのホテルの稼働率はどの程度か
都内のホテルの稼働率水準は80%程度だが、この物件は稼働率95%程度と高い。
また、現在は宿泊単価8000円ほどと低めに設定しているが、今後宿泊単価を上げる予定
非常に利益水準が高く、優秀なホテルと言える。
―どの程度の稼働率なら赤字になるのか
損益分岐点は稼働率70~80%
―投資家の資金の分別管理はどのように行っているのか。
投資家の資金は、ファンドごと(匿名出資組合ごと)に口座を全て分けて管理している。
―今後の展望は
今後、老人ホーム・保育園・ホテル・都心レジデンスなどを月に4件のペースで出していきたい。
物件の顔が見えるような詳細情報を出したい。
不動産クラウドファンディング経験層だけでなく、投資未経験層もターゲットにしたい
そのため、来年、全国CMを予定している。
シナジー効果の高い通信系・金融機関・事業会社との事業提携し、若年層向けにスマホでのサービスを拡充する。
―投資金額の目標は
年間で100億円を目標としている
順調にいけば、大型案件を月1件程度のペースで案件を出していきたい。
―海外に投資する予定は
将来的には考えている。
ただ、海外投資には為替の問題や、法制度の問題もある。
例えばハワイ不動産などがあるが、利回りとしては2%程度なので、なかなか難しい。一方グループ会社がシンガポールにあるため、案件の発掘はいつでもできる状態にある。
―ブリッジ・シー・キャピタル自体の経営状況は
マイページ上で決算書を投資家には開示している。
この決算書は外部監査を受けており、東京都・国交省にも提示している。
―セミナーなどの開催予定は
ぜひ今後開催したい。
―投資家にサービスをアピールしていただきたい
CREALは、これまでのソーシャルレンディングとは全く異なる。
我々は情報開示を徹底する。投資までのプロセスも専門家による複数の検証を経て慎重を期している。決して怪しい商品を売らない。
一方、日本の不動産投資は、キャピタルゲインを狙うというよりも、まずは安定的な利回りを取りに行くことと考えている。
その中で、4%の利回りが得られ、かつクオリティの高い商品を厳選して選んでいく。
また、サービス開始と同時に、オープニングキャンペーンとして、投資額の1%を返還するキャッシュバックキャンペーンを行う。
ぜひ活用していただきたい。
―業界の現状についてどのように見ているか
最近、行政処分を受けたり、大規模な返済遅延が発生したりする事例が相次いでいる。
利回り7~8%以上という高利回りの案件もあってもよいが、それにはそれなりのリスクがあるということをきちんと示すべきだと思う。
内容をしっかり理解した上でのリスクであれば、投資家も納得感があるかもしれない。
また、情報開示ができないことを悪用している事業者もあるのではないか。
こうした事態のために、業界全体が縮小してしまうことを危惧している。
今後業界が健全に発展していくかの分かれ目にあると考えている。
情報開示をしっかりしている会社が残るような流れになってほしいと思う。
以上
次回は「2018年7~9月ソーシャルレンディング投資実績」の予定です。
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