クラウドクレジットの返済遅延発生率とその傾向分析(2)
- 2018/10/31
- 05:00
期待利回りが高いファンドの方がデフォルトまたは返済遅延になる確率が高いということは前回明らかになりましたが、さらに詳しく期待利回りとデフォルトまたは返済遅延の関係を分析してみたいと思います。
これまでクラウドクレジットで募集された全576ファンドを対象に分析しました。
まず、期待利回り別のデフォルトまたは返済遅延発生率を表にすると以下の通りとなります。
件数ベースと金額ベースでそれぞれ記載しました。
期待利回り別デフォルト・返済遅延発生率(件数ベース) | ||||
期待利回り | ファンド 件数 | デフォルトまたは返済遅延件数 | デフォルトまたは返済遅延発生率 | 期待利回り-デフォルトまたは返済遅延発生率 |
2%~3% | 15 | 0 | 0.0% | 3.0% |
3%~4% | 0 | 0 | #DIV/0! | #DIV/0! |
4%~5% | 9 | 0 | 0.0% | 5.0% |
5%~6% | 68 | 0 | 0.0% | 6.0% |
6%~7% | 36 | 0 | 0.0% | 7.0% |
7%~8% | 49 | 1 | 2.0% | 6.0% |
8%~9% | 54 | 0 | 0.0% | 9.0% |
9%~10% | 87 | 0 | 0.0% | 10.0% |
10%~11% | 115 | 3 | 2.6% | 8.4% |
11%~12% | 42 | 5 | 11.9% | 0.1% |
12%~13% | 37 | 5 | 13.5% | -0.5% |
13%~14% | 40 | 9 | 22.5% | -8.5% |
14%~15% | 3 | 2 | 66.7% | -51.7% |
変動型 | 21 | 0 | 0.0% | 0.0% |
(合計) | 576 | 25 | 4.3% |
期待利回り別デフォルト・返済遅延発生率(金額ベース) | ||||
期待利回り | ファンド 募集金額 | デフォルトまたは返済遅延金額 | デフォルトまたは返済遅延発生率 | 期待利回り-デフォルトまたは返済遅延発生率 |
2%~3% | 287,700,000 | 0 | 0.0% | 3.0% |
3%~4% | 0 | 0 | #DIV/0! | #DIV/0! |
4%~5% | 133,000,000 | 0 | 0.0% | 5.0% |
5%~6% | 1,315,400,000 | 0 | 0.0% | 6.0% |
6%~7% | 647,000,000 | 0 | 0.0% | 7.0% |
7%~8% | 1,031,800,000 | 10,000,000 | 1.0% | 7.0% |
8%~9% | 1,601,000,000 | 0 | 0.0% | 9.0% |
9%~10% | 2,612,450,000 | 0 | 0.0% | 10.0% |
10%~11% | 3,385,000,000 | 37,000,000 | 1.1% | 9.9% |
11%~12% | 1,133,000,000 | 107,000,000 | 9.4% | 2.6% |
12%~13% | 1,084,000,000 | 156,000,000 | 14.4% | -1.4% |
13%~14% | 1,091,000,000 | 145,000,000 | 13.3% | 0.7% |
14%~15% | 30,000,000 | 15,000,000 | 50.0% | -35.0% |
変動型 | 533,350,000 | 0 | 0.0% | 0.0% |
(合計) | 14,884,700,000 | 470000000 | 3.2% |
件数ベースでみても金額ベースでみてもあまり傾向は変わりません。
なので、より実態に近いと思われる金額ベースの表をもとに分析をしてみます。
まず、期待利回り11%以下のファンドではほとんどデフォルトまたは返済遅延は発生していません。
期待利回り7%~8%において若干発生していますが、発生率は1%にすぎません。
また、期待利回り10%~11%における発生率も1.1%です。
しかし、期待利回り11%以上になると一気にデフォルトまたは返済遅延発生率が跳ね上がります。
期待利回り デフォルトまたは返済遅延発生率
11%~12% ⇒ 9.4%
12%~13% ⇒ 14.4%
13%~14% ⇒ 13.3%
14%~15% ⇒ 50.0%
特に、期待利回り12%以上においては、期待利回りをデフォルトまたは返済遅延発生率が上回ってしまっているので、投資した場合リターンがマイナスになる可能性の方が高いと言えます。
この分析結果より明らかに、
「クラウドクレジットにおいて、期待利回り11%以上のファンドに投資すべきではない」
と言えます。
また、運用期間とデフォルトまたは返済遅延発生率の関係はどうでしょうか。
以下の表の通りとなりました。
運用期間別デフォルト・返済遅延発生率(金額ベース) | |||
運用期間 | ファンド 募集金額 | デフォルトまたは返済遅延金額 | デフォルトまたは返済遅延発生率 |
1~12カ月 | 2,267,000,000 | 80,000,000 | 3.5% |
13~24カ月 | 9,628,850,000 | 149,000,000 | 1.5% |
25~36カ月 | 2,433,000,000 | 241,000,000 | 9.9% |
37~48カ月 | 407,500,000 | 0 | 0.0% |
49~60カ月 | 0 | 0 | #DIV/0! |
60~72カ月 | 148,350,000 | 0 | 0.0% |
(合計) | 14,884,700,000 | 470,000,000 | 3.2% |
上記より、25~36ヶ月のファンドにおいて特にデフォルトまたは返済遅延発生率が高く、9.9%にも上るということがわかりました。
この結果からすると、25~36ヶ月のファンドへの投資も避けたほうが良いかもしれません。
クラウドクレジットへの投資の際は上記の結果をご参考にしていただければと思います。
次回は「クラウドリアルティ 京町家1号ファンドの分配金支払い延期」の予定です。
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