ネクストシフト株式会社 代表取締役社長CEO 伊藤 慎佐仁氏にインタビューさせていただきました。
■インタビュー実施日2018年8月16日
■写真
(右)代表取締役社長CEO 伊藤 慎佐仁
(左)経営管理部(事業提携担当)兼投資事業部 内山 大志氏
(PC画面)ファンド事業部マーケティングマネージャー 北野 雄己氏
■内容
―本日はどうぞよろしくお願いします。
まず、伊藤代表の経歴についてお伺いいたします。こちらこそよろしくお願いします。
私は鳥取県の八頭町で18歳まで過ごしました。
1991年に社会人となり、三菱銀行(現在の三菱UFJ銀行)に入行したのち、ソフトバンクに移り、資金調達の業務を手掛けました。
ソフトバンクからSBIが分離するときに、SBIに移籍し、役員を務めました。
その後は子会社で金融の比較サイトや、住宅ローンの専門会社などを立ち上げに従事していました。
前職では、ヤフーで金融事業部の立ち上げを手掛け、子会社であるワイジェイFXの代表をしておりました。
従って、金融業の経歴としては銀行・証券・FX・住宅ローンなど一通り経験したことになると思います。
こうした経験を経て、2016年に独立してネクストシフト株式会社を立ち上げました。
金融が果たす役割の中でも、とりわけ社会課題を解決するという側面に着目し、その実現を目指して起業した、ということになります。
―大変素晴らしい経歴ですが、なぜ敢えて退職して起業したのでしょうか。もともと起業して地元鳥取の活性化に取り組みたいという思いが学生の頃からありました。
ソフトバンクグループで仕事をする中で、事業の立ち上げから上場までを一通り手掛けることができましたので、会社員としての悔いはありませんが、やはり心残りがありました。
私は今年で51歳になりますが、これを機に今後のことを考え、もともと自分のやりたかった「金融を通じて社会に貢献する」ということを始めたいと考えました。
会社員として経営をしていると、自分で方針を決められる部分も大きいですが、他方でグループ全体の戦略にも沿う必要があります。
短期的な業績なども意識する必要があるので、「金融を通じて社会に貢献する」ということを軸に経営をしたいと考えた時に、100%自分だけでは経営の方針は決められません。
従って、今後は独立して自分のやりたい方向でやろうと思いました。
―ネクストシフトファンドのサービス開始の経緯について教えてください。日本では特にバングラデシュのグラミン銀行が有名ですが、世界にはおよそ10,000社のマイクロファイナンス機関があるといわれています。
カンボジアは新興国であり、経済発展こそ著しいですが、一方で貧富の格差が存在している現状もあります。そこでは、マイクロファイナンスが貧困を抜け出すための機能を果たしています。
調達をした農家や中小企業は、その資金でスモールビジネスや農業を始めることができ、経済が良くなり、生活水準が向上するという循環ができることになります。
こうした好循環を生み出すことのできるマイクロファイナンスですが、残念ながら現地のマイクロファイナンス機関は資金調達に苦労している側面もあります。
片や日本では、低金利で運用先に困っているということもあり、一部では資金が活用できていない現状があります。
そこで、この両者を結びつけることが、お互いにとってWin-Winになるのではないかと考えました。
折しも、当社の共同創業者でもある永野が以前カンボジアのマイクロファイナンス機関に勤務していた経緯もあり、この事業を始めるに至りました。
―ネクストシフト株式会社自体の出資者はどうなっているのでしょう。私と取締役の永野、鳥取銀行、山陰放送、エンジェル投資家などが出資しています。
ソーシャルレンディング事業者のうち、銀行が直接株主になっているのは当社が初めてであり、唯一でもあります。
最近では、他のソーシャルレンディング事業者において、会社の信頼を著しく毀損するような問題も出ていますが、会社の信用力という点では、出資者に銀行が入っていることはガバナンスの面から大きいと考えています。
また、エンジェル投資家としては、ライフネット生命やお金のデザインなどに投資している著名投資家の谷家衛氏も出資しています。
―鳥取銀行から出資を受けたとのことですが、何かつながりがあったのでしょうか。元々、つながりがあった訳ではありませんでした。
この事業を始めるにあたって、東京よりも、私の地元でもあり、日本で最も人口の少ない鳥取で敢えて起業することをまず考えました。
いろいろな人と話をする中で、鳥取銀行の役員の方を紹介してもらう機会があり、私がプレゼンし、出資を受けることができました。
鳥取銀行には地方創生を応援したいという思いがあり、そういった思いから当社の理念に共感してもらえたものだと感じております。
一般的には、銀行が民間のベンチャー企業に出資するという事例は少ないのではないかと考えています。
―現在の社員数は何名でしょうか。現在は、鳥取、東京、カンボジアの3拠点に合わせて7名おります。
鳥取の本社所在地である隼ラボ(
http://hayabusa-lab.com/)は、元々学校だった建物をリノベーションして作った施設です。現在は、他の企業と共同で経営・使用をしています。
最近では、隼ラボがテレビなどのやメディアでも取り上げて頂くことが増えています。
弊社の中には、IターンやUターンをして鳥取に移住した社員もいます。
―社会的インパクト投資とはどういうコンセプトでしょうか。社会的インパクト投資という言葉が国内で広く知られるようになったきっかけは、2013年6月に先進国首脳会議(G8)で提唱されたことを受けて、日本でも国内諮問委員会が発足されたことに起因します。民間レベルでも多くの取り組みが実施され、ここ数年で広く使われるようになりました。
様々な社会課題や環境問題の中には、政府が解決すべきものもあるが、民間が解決できるものもある。そうした問題の解決につながる投資を社会的インパクト投資と弊社では考えています。
社会的インパクト投資の具体的な事例として、マイクロファイナンスへの投資があると弊社では考えています。
新興国において、これから所得を増やしていきたい人たちへ資金を提供し、スモールビジネスの立ち上げなどを支援することで、貧困を解決することを目的としています。
―ソーシャルレンディング以外にどのような事業を行っているのでしょうかネクストシフト株式会社としては、ソーシャルレンディング以外にも国内では2つの事業を手掛けています。
1つが介護に関するテクノロジーへ投資するベンチャーキャピタル事業で、この事業では人手不足・重労働をテクノロジーで解決することを目指しています。
介護関連の上場企業とパートナーシップを組み、資金を集めて実施しています。
介護領域への投資に関しては、その企業の知見も活かしながら、共同で投資判断を行っています。
現時点では、規模がソーシャルレンディング事業の運用額よりも大きく、数億円ほどになっています。
もう1つが地方創生をテーマとし、鳥取やその他の地域で起業を目指す人向けのセミナー事業です。こちらでは、創業支援事業も同時に行っています。
―他のソーシャルレンディング業者と比較したときの、ネクストシフトファンドの特色はどういった点にあるのでしょうか。1つは、マイクロファイナンス向けに特化していることだと考えています。
海外の金融当局の監督下にある金融機関(=マイクロファイナンス機関)に特化したファンドであり、個々のマイクロファイナンスでは財務状況も開示されているため、一般の企業に投資するより、安全性が高いと考えております。
また、社会的インパクトという観点でも、現地の農家や中小企業向けに投資しているため、現地における社会的インパクトが大きい領域になります。
投資をする個人投資家から見た場合、インカムゲイン型である点は、一般的なソーシャルレンディングの仕組みと同じです。また、投資先が海外のため、為替リスクもあります。
優良な金融機関を選定して投資をしているため、結果的に利回りはそこまで高くはありません。
従って、目標利回りを10%にといった利回りは難しいですが、それでも国内の銀行に預けるよりは好利回りであると考えています。
同時に、社会性や安全性を投資家の皆様にアピールするためには、現地でどのように資金が使われているか、誰に行き渡っているのかといった情報を提供することが重要であると認識しています。
現在のルールですと、借り手であるマイクロファイナンス機関の情報を開示することはできませんが、その先の最終的な借り手の農家などの情報を提供することは可能です。
こうした情報を投資家に向けて定期に発信していくことも、重要な仕事だと考えています
次回は
「ネクストシフト株式会社代表 伊藤氏インタビュー(2)」の予定です。
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