SAMURAIセミナーに参加しました
- 2018/08/01
- 05:00
■日時:2018年7月27日
■登壇者 SAMURAI証券代表取締役社長 澤田聖陽氏
■内容
「激動のソーシャルレンディング発展期」~業界は今~
・直近、業界内でいろいろなことが起こっており、心配されている方も多いと思う。
・今ソーシャルレンディング業界に何が起こっているか
・市場規模の拡大
2016年 698億円
⇒ 2017年 1569億円
・事業者数の増加
2015年 10社
⇒2016年 20社
・行政処分を受ける業者の顕在化・顧客被害の発生
みんなのクレジット
ラッキーバンク
maneoマーケット
が直近で行政処分を受ける。顧客被害も発生。
・貸金業の匿名化・複数化指導の弊害
案件内容による投資判断を阻害
業者による悪用(結果的な悪用を含め)
必ずしも最初から騙そうとしている(悪意のある虚偽)わけでなくても、結果的に虚偽(結果虚偽)となってしまうことがある。
考え方が甘いと、結果虚偽となってしまうことがある。
・貸付先の匿名化、複数化は2018年内を目途に見直される方向
⇒投資家にとっては投資判断がしやすくなる
いいかげんな業者は事業を継続できなくなる。
・個人的な考え
投資において、リターンとリスクの度合いは必ず一致する。
この原則はどんなことをしても変わらない。
「ローリスクハイリターン」「ミドルリスクハイリターン」といっているのは全て詐欺(虚偽)である。
ただし、リスクの顕在化をコントロールすることはできる。
ヘッジファンドなどは、様々な手法でリスクをヘッジしている。
ソーシャルレンディングもリスクをコントロールする仕組みはあり得るとは思う。
・行政処分を受けた会社の平均利回りをもう一度見直してみるべき
今の日本の金利情勢で10%以上の利回りを保証するような売り方をしている商品は存在しうるのか。
実はポンジースキームではないのか。
現在はゼロ金利時代。また、貸付金利の上限は15%。
10%以上の金利でお金を借りてうまくいく事業というのはなかなかない。
・貸付は必ず一定の確率でデフォルトする。
少し前まで、ソーシャルレンディングはデフォルトしないという意見があった。
ソーシャルレンディングだからといって特別ということはない。
これまであまりデフォルトが起きなかった理由:
ここ数年たまたま経済情勢がよかった。
ファンドによっては、借り換えをしていた。
・デフォルトした場合の対応が重要
投資家は分散投資によるリスクの分散を心がけるべき
・担保がついていることよりも、担保価値が適正か、流動性があるかどうか、業者が担保を現金化する能力に長けているかが大切
これまで、担保付き案件=安全と信じられていた。
これまでは、匿名化により担保の判断も阻害されていた。
・平均利回り(年)
アメリカ国債(ドル建て) 3.0%
日本のREIT 4.0%
ソーシャルレンディング 8.0%
株式ファンド・PEファンドなどのキャピタルゲインを狙う商品 15.0%以上(損失になる可能性も高い)
現在はドルの一人勝ちで、新興国の債券は下がっている。
・ソーシャルレンディングの平均利回りはどの水準が適正なのか
行政処分を受けた事業者はどこも10%を超えていた。
借り手・貸し手・事業者の三者にとってメリットのある水準でないと長続きしない。
個人的には、平均6%程度が適正ではないかと考える。
・これから不動産価格はどうなるのか
ソーシャルレンディングにおいて不動産担保ローンは大きな比率を占める。
今後の不動産価格の推移に大きな影響を受ける。
・リーマンショック・震災を経て、2011年以降不動産価格は上昇し続けている。
過熱感が発生しているという意見もある。
2020年のオリンピックはあるが、長期的には人口・世帯数の減少という要因もある。
不動産もセレクトして投資するしかない。
・デフォルトや遅延はどれぐらい発生するか
不動産担保ローン大手アサックスの資料から
2017年 2.8%
2008年(リーマンショック時) 7.5%
ただし、この数字は優秀なほうだと思う。
リーマンショックから10年経っており、また危機が起きる可能性はある。
・負け戦の重要性
すべての貸金は一定の割合でデフォルトや遅延が発生する。
起きたときにどれだけ早く、高い比率で回収できるかが重要
元本割れしても8割回収できるのか5割しか回収できないのかでは全く違う。
業者についても、そのような回収能力があるところを選ぶべき
・回収のためには
商品組成時に行えることが70%
デフォルト・遅延後の努力が30%
・あくまで商品組成時に適正な担保評価をしているかが重要
組成時に水増し評価をしていれば、デフォルト後にどんなに頑張っても限界がある。
無担保ローンでも、事業計画に最初から無理があれば、回収は難しい
・ロールオーバーと飛ばしの違いは(ポンジースキームを見抜くために)
ファンドが償還できない場合、新しいファンドを募集し、その資金で前のファンドを償還することはある。
これはロールオーバーなのか、飛ばしなのか。
・以下の点に注目すべき
融資する企業・事業はまだ融資するだけの価値があるのか・担保は毀損していないか。
ファンド間の利益相反はないのか。ある場合はその旨を開示しているか。(利益相反は金商法違反)
⇒結局、もともとのプロジェクトや企業内容がよいかどうかが重要
匿名化の解除が行われれば、この見極めがより重要となる。
・信頼できる業者の見分け方
その事業にどれだけ本気で取り組んでいるか
ソーシャルレンディングの場合、安易に資金調達ができるから参入するという一部の業者がいるという事実
組織的な牽制体制が講じられているか
内部監査、外部監査などによる牽制
⇒最終的には業者が金融業としてのLoyalty(誠実さ)を持っているかどうかで判断すべき
・現在募集中のSAF不動産ローンファンド
利回り 6.5%
期間 11.7ヶ月
投資する際は、契約締結前書面をよく読んでいただきたい。
この中に重要な事項を記載している。
担保となる不動産について、所在地(町)、土地面積・構造・築年数なども記載している。
この案件では、赤羽の戸建て
リスク内容もぜひ読んでほしい
■質疑応答
・担保の回収のためにどのような対策をとっているか
最初のデューデリジェンスに尽きる。
変な案件をやらないこと。
顧客の立場に立って、やるべきでないものはやらない。
不動産担保が適切で、貸付比率がそれほど高くない。
数字を追い求めると、無理のある投資をしてしまう。
・高利回りは難しいとのことだが、クラウドクレジットのように海外の案件ではどうか。
リスクをとって新興国に投資して10%というのはありだと思う。
ただ、新興国は経済の規模も小さく、様々な影響を受けやすいので、リスクは高いことは認識すべき。
・新興国への投資はチャンスとのことだが、具体的にどこに投資したらよいか
トルコリラ・ブラジルレアル・南アフリカランドなど。
待てるのであれば投資しても良いのでは。
債券なら、デフォルトしなければ元本は戻ってくる。
・水増し担保とは何か
担保を、適正価格以上に高く見積もること。
不動産鑑定は、鑑定する人によって実際には幅がある。ある人は50億・ある人は75億など。
実際に売った時にどれくらいになるかが重要。
机上の数字はいじることができる。
当社はそういうことはやらない方針
・利益相反とは何を指しているのか
リファイナンスは、本質的に利益相反を含んでいる。
借り手が毎回同じ場合、ファンドAの投資家のために努力するか、そのリファイナンスであるファンドBの投資家のために努力するか、利益相反の要素がある。
ただ、ファンドBの投資家がそれを納得して投資するのであればよいとは思う。
そもそも日本は利益相反に対して甘い。
不動産取引でも、両手取引が普通に行われている。買い手と売り手のどちらの立場にたっているのか。
・今後、maneoマーケットのようにプラットフォームを提供するビジネスは可能なのか
現在のmaneoマーケットのような名義貸しのようなやり方は難しいのではないか。それが許されるのであれば、金融商品取引業者2種を取る人がいなくなってしまう。
サイトの作り方にも問題あるのでは。別のドメインで募集するのは今後はできなくなるのでは。
今回指摘のあったグリーンインフラレンディングは貸金業も2種も持っていないので、金融庁の調査権が及ばない。非常に問題だと思う。
・借り手が目的外使用をしていないかどうやって監視するのか
モニタリング義務が課せられている。
3ヶ月に一度、状況をヒヤリングしたり、貸付のエビデンスを取ったりしている。売買契約書・銀行口座のコピーなど。
常に監視するのは無理なので、どこまで管理義務を果たすか。
一つはそういうことをしないような相手に貸す。
・サプリボンドに興味があるが、その借り手企業は非常に利益を上げているので、高い金利で社債を募集しなくてもお金を借りられるのでは。
この会社はプロモーションのためにやっている。
投資家にサプリを特典として配ることで、顧客としてリピーターになってもらうことを目的としている。
また、SAMURAI証券としては、このファンドだけではあまり利益にはならないが、細く長く儲けることを目的として会員を増やすためにやっている。
事務的な手間はあまりかからないよう、自動化を進めるようにしている。
審査はしっかりやるが、ドキュメンテーションを人手でやる部分などは自動化していく。
いったんある程度の規模になってしまえば、安定的に収益を得られる商売だと考えている。
・SAMURAIのマークは何をモチーフにしているのか
兜をモチーフとしている。
■抽選会
参加者に抽選券が配られ、最後に抽選会が行われました。
賞品はAmazonギフト券10000円分でした。
参加者10名程度でしたが、残念ながら外れてしまいました。
次回は「当ブログの記事数が1000件を超えました」の予定です。
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