東京ビッグサイトで開催された第2回資産運用EXPOに1月26日に参加しました。
その様子をレポートします。
第2回資産運用EXPO
■開催期間2019年1月24日(木)~26日(土)
■会場東京ビッグサイト

■概要
金融資産フェア
不動産投資フェア
現物資産フェア
家計の見直しフェア
の4つのテーマに分かれ、多数の企業が参加していました。


■参加企業一覧
会場は大変広く、一日では回りきれないほどでした。

ソーシャルレンディングとしては、
クラウドバンク、GA Technologies、FANTAS funding、CREALが出展していました。
また、会場では多数のセミナーが開催されていました。
その中のクラウドバンクのセミナーに参加しました。
■クラウドバンクソーシャルレンディングの最新動向
クラウドバンク株式会社 代表取締役 金田 創氏
この中でソーシャルレンディング投資経験のある人はいますか?
約半数
・ソーシャルレンディングとは何か
インターネットを通じてお金を必要とする人とお金を出したい人をつなぐ、クラウドファンディングのひとつ。
ここ10年くらいで出てきた。
お金を集めることについては、詐欺の温床にもなる。
各国の金融当局が注意している。
ソーシャルレンディング=貸付型クラウドファンディング
(明確な法律上の定義はまだない)
お金を運用したい人に対して融資を通じた投資機会を提供
大口の資金需要を小口化することで、一般の投資家に提供
投資家は優良案件に投資して金利を得る
優良案件とは、元本が返ってくる可能性が高いもの
・投資型ファンドと貸付型ファンドの違い
投資型 貸付型
返済義務 原則なし 元本、金利ともに支払い義務あり
分配額 投資対象からのリターンに応じて分配額が上がる。(場合によっては10倍、100倍になることも) 契約書上の利息が上限(法律上は年利15%が上限)
償還時期 ファンドの運用期間に準じる ファンドの運用期間、もしくは運用期間に応じて決まる。
資金需要者の開示 可 融資先の開示は不可(貸金業法の規制)
現実的には、「投資的な融資」「融資的な投資」が存在するため、実際のリスクとリターンは個別ファンドの募集内容に依存する。
代表者保証・担保の無いような融資は、事業が失敗した場合返ってこない。実質的には投資と考えられる。
一方、ベンチャーキャピタルが投資するとき、代表者に一定額での買い取り契約を結ばせることもある。こういう場合は、融資に近いと言える。
融資と投資の線引きは難しい。
・ソーシャルレンディングのポジショニング
ミドルリスク・ミドルリターン
ソーシャルレンディングは、社債・国債よりはリスク・リターンは高いが、投資信託よりは低い
日本には、その中間の投資商品が少ない。
・日本および欧米のソーシャルレンディングの動向
世界では約16兆円(2015年)の規模
中国・アメリカが多くを占める。
アメリカでは消費者金融が発達しておらず、P2P型の貸付型クラウドファンディングが主流
個人の信用スコア(FICOなど)の活用が進んでいる。スコアに応じて金利が決まる。
日本では、2011年以降は法人向け貸付が一般的
国内累計応募金額ランキング
1位 maneo
2位 SBIソーシャルレンディング
3位 クラウドバンク
業界としては黎明期
日本の家計の現預金残高700兆円
日本人は貯蓄好き
>日本のソーシャルレンディング市場は今後も大きく伸びることが予想される。
・みんなのクレジット・ラッキーバンクで返済遅延が発生・現在はサービス停止中
maneoマーケットでも返済遅延が発生中
>管理体制の強化が重要
・2018年1月より、第二種金融商品取扱業協会による自主規制を行うようになった。
・元本の保全手段
物的担保と人的担保がある。
ただ、代表者による保証は、本人が自己破産したら回収できないので、物的担保が重要となる。
不動産は持ち逃げができない。法務局で抵当の状況を見ることができる。抵当順位の高い貸し手が法律上最も有利だと保証されている。
当社では基本的に担保を取るようにしている。
不動産案件の場合は、近隣不動産の流動性・取引実績を調査する。
収益還元法で計算すると危険な場合がある。
当社ではLTVを公開していない。ルールが決まっていない中で開示することは危険と考えている。
太陽光発電の場合は、電力の売買契約を担保とする。
売掛金の場合、確定債権かそうでないかを確認する。売掛先の信用度調査も重要。
質疑応答
Q:業界として法整備を求めるような動きはあるのか
A:クラウドファンディング業界団体・Fintech業界団体などがあり、それを通じて当局と話をしている。
ただ、まだルールの策定には時間がかかると思う。
Q:クラウドバンクの案件は太陽光・風力発電案件が多くを占めているが、今売電価格が下がっている。
今後の見通しはどうか。
A:固定買取価格は年々下がっている。
我々が投資しているのは、まだ買取価格が高かったころに経産省の認定を受けている業者。
認定を受けたが、資金がなくて実際には施設をまだ作っていない業者がある。
そういった事業者に対して、当局が権利をはく奪する動きが出てきたので、案件がたくさん出てきた。
完成した太陽光発電所に対しては、銀行がお金を貸す。
我々が貸している先は、権利だけ持っていて、まだ建設していない事業者。施設が完成するまでの資金を融資する。
日本では、不動産を手掛ける事業者は多い。よい不動産を持っていれば、資金調達は比較的容易。
太陽光発電はプレイヤーが少ない。
現地で確認して、どういった申請が必要かを査定すれば融資の可否は判断できる。
Q:海外債権に投資する商品を出すとのことだが
A:3月頃にCLOに投資する商品を出す予定。
CLOとは、Collateralized Loan Obligationの略で、ローン担保証券のこと。資産担保保証券の一種で、金融機関が事業会社向けに貸出をしている、貸付債権を証券化した物。ローンの元利金を担保にして、債券が発行される。
利回りは4~5%程度の予定。
なお、クラウドバンクはブースの出展もしていました。
セミナーの後はいろいろな会社のブースを回りました。
■GA Technologiesクラウドファンディングよりも、東京、大阪の中古区分マンションの販売相談を中心に行っていました。
価格は2000万円前後とのこと。
■FANTAS fundingこちらもクラウドファンディングよりもマンションの販売の方が中心のようでした。
■CREALクラウドファンディングの説明が中心のようでした。
代表の横田氏と挨拶させていただきました。
その他、ソーシャルレンディング以外にも興味をひかれた業者の話を聞きました。
■ハロハロホームズ(フィリピン不動産)
私が2014年に購入したプレビルドのコンドミニアム「RISE」の状況について聞いてみました。
当初は2018年に完成予定だったのですが、現時点でまだ完成していないようです。
その物件については担当者の方も知っていました。
工事が遅れており、2019年6月ころ完成予定とのことでした。
ただ、価格は上がっており、私が購入したワンルームタイプのものは、私が購入した時は600万円ほどでしたが、現在は1000万円ほどになっているとのこと。
また、近くに地下鉄の駅ができる計画があるそうです。
付近の入居率は98%を越えており、入居者もスムーズに決まるだろうとのことでしたので、やや安心です。
■日本エネルギー総合システム株式会社(太陽光発電)
現在建設中のアパートの屋根に太陽光発電パネルを設置することを検討しているので、参考までに話を聞いてみました。
アパートの屋根にパネルを設置できるかどうかは、屋根の材質や形状による。
屋根の面積が100㎡程度であれば、ざっと7kwの発電が可能。
7kw×3.8×365日×0.82(損失率)×26円(買取価格)で、売電収入は200,200円/年となる。
設置費用は182万円
メンテナンス費用は基本的にかからない
故障した場合は、保険で賄える
清掃などは、別途月額5000円で請け負う。
太陽光発電には税制優遇がある。
減価償却は17年
また、余剰買取の場合、補助金が出る
発電量10kwを超えると全量買い取りとなる。2018年の単価が18円 買取期間は20年
10kw未満は余剰買取となり、単価は26円
余剰買取とは、家庭向けで、買取り保証期間は10年
家庭で使用した分を差し引いた分のみ買取になる
できるなら10kw以上で全量買い取りにしたほうがよい。
電気代は毎年上がっている
「再エネ賦課金」が上がっている。現在電気代の10%程度を占める。
これが売電収入の源になっている。
パネルの寿命は30年
パネルの性能を上げることで、ある程度は発電量を増やすことは可能
当社は投資物件として土地つきの太陽光発電施設を販売している。
当社は香川県が本社で、物件は四国が中心。
価格帯は1000万円~2000万円くらい
利回り10%程度。システム代込み。
土地は借地。
日当たりがよく、フラットな土地が良い
日当たりがよいことを確認したうえで土地を仕入れている
物件の例
徳島県美馬市
土地757㎡
年間発電量76308kwh
モジュール容量69.12kw
FIT単価18円
年間売電収入:137万円(税別)
システム代 1244万円
利回り11.03%
年間土地賃料12万円
その他メンテナンス費用6万円
現在は施設は建っておらず、投資してから建設する。
支払いはローン・分割払い・自己資金が可能。
ローンの場合、フルローンか、頭金1~2割程度。金利は1.6~1.85%程度。地方銀行か政策金融公庫で借りる。借りられるかどうかは勤続年数などの属性による。年収はあまり関係ない。
分割払いの場合も同じ程度の金利だが、若干高くなる可能性あり。同じような審査がある。
投資している人は多い。
不動産投資よりも利回りはよい。
40代から50代の人が買うことが多い。年金不安などで、安定収入を求める人が多い。
投資としては、ローリスク・ミドルリターン
・どんなリスクがあるか
自然災害
包括保険の中に、地震・津波・戦争・噴火は入っていないので、補償されない。
台風・風・雷・いたずらなどは保証の対象となる。
パワーコンディショナーから送電するが、それが故障しやすい。15年の保証がついている。
故障の仕方によっては、保険の対象外となることもある。
故意に壊されたりした場合
日照が少ない
日照が少なくても収支がマイナスになることはないように設計している。
パワーコンディショナーの調子が悪いと発電量が少なくなることはある。そういう場合はすぐに修理する。
近隣に高い建物ができてしまったら、日照が下がる可能性はある。
法人を作ってやるほうが有利では?
合同会社を作ってやる人もいる。
以前は買取価格が36円など高かった。
ただ、当時はいまほどパネルの性能が高くなかったのと、施工代が高かった。
パネルの性能は倍くらいになっている。
今は、普及してきたので、施工代が低くなってきた。
なので、利回りは、いつの時代に始めた人もあまり変わらない。
来年度の買取価格は14円となることが決まっている
昔からやっている人は、後から規制が変わり、追加で設備を付けなくてはならなくなったりした。
売電価格が下がっているが、当社はコスト削減の努力をしており、変わらない利回りは出せる
社長が元東京銀行出身で、投資家だったため、リスクを極力避けるという姿勢が反映されている。
電力会社に対して、初期費用として電力負担金は別途かかる。
モジュール容量に対して1kw1万円程度かかる
契約後、経産省の土地の名義変更申請に1年程度かかることもある。
それが終わってからでないと融資が下りず、工事ができない。
ただ、名義変更を後から行うパターンもある。その場合、自己資金で行う必要がある。
工事自体は1ヶ月程度で終わる。
現在、当社で管理している物件は1000以上ある。
2年ほど前に、中国人が大量に買っていった。
業界の中でも、施工実績などはトップ10くらいには入る。
従業員200名ほど。ほとんどが工事部隊。
業界大手は、Loopなど。
■(中古アパート・マンション事業者 名前を失念)当社は中古アパート・マンション投資を手掛ける。
すでに入居者がいる、オーナーチェンジ物件もある。
築30年以上の木造アパートで、利回り7~8%
価格帯5000万円~3億程度
1棟マンションだと1~3億程度
価格が上がってきている。
融資が厳しくなってきている。
自己資金を1割程度求められる。
当社では、法人向けの銀行融資は手掛けていない 。
利回りは3.3~3.9%。静岡銀行。
キャッシュフローとしてはプラスになる
■サンワシステム(太陽光発電)太陽光発電は、気温の低い方が発電量は多くなる。
そのため、真夏よりも4、5月の方が発電量は多い。
普段あまり聞くことのない様々な資産運用の話が聞けて大変勉強になり、楽しいイベントでした。
来年もぜひまた参加したいと思います。
次回は
「危険な事業者の見分け方はあるのか(3)(担保あり率)」の予定です。
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